「娘が泣いて帰ってきた」あの子のせいだと決めつけた私に、担任が告げた事実
娘の涙と私の怒り
その日、娘は玄関で靴も脱がずに泣いていました。「どうしたの」と駆け寄ると、「あの子にみんなの前でやめなよって言われた」と声を震わせます。何をやめなよと言われたのか聞いても、「別に何もしてないのに、急に怒ってきた」の一点張り。
泣きじゃくる娘の背中をさすりながら、胸の中にじわじわと怒りが広がっていきました。仲のよいママ友に相談すると「あの子、空気読めないよね」と同調してくれて、少しだけ気持ちが楽になりました。やっぱりうちの子は悪くない。そう信じたかったのだと思います。
穏やかな声に隠した本心
参観日の帰り道、あの子のお母さんを見かけました。思い切って声をかけました。「娘ちゃん、最近一人でいること多いみたいだけど、大丈夫?」。穏やかに言ったつもりです。でも本心は違いました。うちの子を泣かせたのはそちらの娘さんですよ、という意味を込めていたのです。相手が「うん、ちょっと気になってて」と不安そうに答えたのを見て、伝わったな、と思いました。その足で他のママ友にも「ちょっと距離を置いたほうがいいかもね」と話を回しました。娘を守っているつもりでした。
担任からの電話
翌月、担任から「少しお話ししたいことがあります」と電話がかかってきました。「娘さんが、転校生のお子さんの筆箱を隠していたようです」。受話器を握る手に力が入りました。娘に確認すると、「だって関わりたくないのに関わってくるから」と悪びれもせず答えます。担任はさらに続けました。「あの日やめなよと注意してくれたのは、それを見ていたクラスメイトのお子さんです」。娘を泣かせたと思っていたあの子は、いじめを止めようとしていただけだった。
そして...
電話を切ったあと、しばらく台所の椅子から立てませんでした。「空気読めない」と言っていたあの子は、空気を読んで見て見ぬふりをすることを選ばなかっただけ。仲間はずれにしていたのは子どもたちだけではありません。私たち大人も、同じことをしていました。あの日、あの子のお母さんにかけた「大丈夫?」が何度も頭をよぎります。大丈夫じゃなかったのは、むしろうちのほうでした。ママ友たちにはまだ本当のことを話せていません。「うちの娘がそんなことを」と口に出すのが怖くて、今日もまた、言えないままです。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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