「転職繰り返すやつに仕事は任せられない」と白い目→キャリアの全貌を知った上司
履歴書を見る目
入社初日、総務の方に案内されてフロアに入ったとき、何人かの視線を感じました。「よろしくお願いします」と頭を下げると、返ってきたのはどこかぎこちない笑顔ばかり。隣の席の先輩が「前の会社は何年いたの?」と聞いてきて、「1年半です」と答えた瞬間、微妙な間がありました。
転職4回目。その数字だけが私より先に一人歩きしている気がして、デスクに置かれた真新しい名刺を見つめながら、唇をきゅっと結びました。
聞こえてしまった言葉
入社して2週間が過ぎた頃のことです。給湯室でお茶を入れていると、廊下の向こうから上司の声が聞こえてきました。
「転職繰り返すやつに仕事は任せられない」
同僚と話しているようでした。マグカップを持つ指先に、じわりと力がこもりました。言い返したい気持ちと、どうせわかってもらえないという諦めが同時に押し寄せてきます。1社目がどうなったか、2社目で何があったか、全部説明すれば伝わるのかもしれない。
でも、なぜ私ばかりが弁明しなければならないのか。悔しさを飲み込んで、そのままデスクに戻りました。
4社分の引き出し
入社3ヶ月目、取引先との共同企画が難航していました。相手は異業種の企業で、社内にその業界の知識を持つ人がいなかったのです。「以前の職場で近い業界を担当していたので、対応できるかもしれません」思い切って手を挙げてみました。
結果的に、1社目の製造業の知識と3社目の広告業界での経験が重なり、企画は前に進み始めました。上司は「助かった」と短く言いました。その一言が、素直に喜べない自分がいました。
そして...
翌日、上司に「少し時間いいか」と声をかけられました。穏やかな口調でした。けれど私の耳には、2週間目のあの声がまだ残っています。上司の言葉に「大丈夫です」とだけ返しました。許せないのではありません。ただ、理解される前にまず値踏みされたこと、その順番がずっと引っかかっているのです。
転職を繰り返したのではなく、そのたびに歯を食いしばって立て直してきた。その重さは、履歴書の行数だけでは伝わらないのだと、改めて思いました。それでも、翌日の会議で私が出した資料に、上司が初めて「これは君の経験が活きてるな」と呟いたのを、聞き逃さずにいたいと思いました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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