会えない夜、彼女から届いた「寂しい」の3文字。「証拠は?」と返されて、俺が引き出しからそっと取り出した一通の便箋
届いた「寂しい」の3文字
残業帰り。アパートに着いてスーツの上着を椅子にかけた瞬間、スマホが鳴りました。画面を見ると、彼女からのメッセージ。「今日会えないの寂しい」。
彼女は、こういう言葉を滅多に送ってこない人です。いつも「大丈夫」「気にしないで」と先回りして、弱音を飲み込んでしまう。その彼女が「寂しい」と伝えてきた。それだけで、こちらの胸の奥にも同じ気持ちが広がっていくのを感じました。
考えるより先に、指が動きました。「俺も」。送ってから、これでよかったのだろうかと少しだけ不安になったのです。普段こんな返事をしないから、軽く見えたかもしれない。そう思っていた矢先、彼女からの返信が届きました。
「嘘じゃない」と言える言葉の軽さ
「嘘でしょ」。画面に浮かんだ文字に、思わず苦笑いしました。俺がこういうことを言うと、彼女はいつも半信半疑になるのです。
「嘘じゃない」。反射的にそう返しました。でも、テキストで打った文字は、どうしても軽く見えてしまう。本当に嘘じゃないのに、その重さが伝わらないもどかしさが、胸にじわりと残ったのです。
少し間があって、「証拠は?」と届きました。おそらく彼女は冗談のつもりで送ってきたのだと思います。でも俺にとっては、不意を突かれたメッセージでした。
机の引き出しの中の便箋
椅子に座ったまま、しばらく画面を見つめていました。それから、机の一番上の引き出しをそっと引いたのです。中には、去年の記念日に彼女からもらった手紙がしまってあります。読み返すのは、これで何度目かわかりません。
仕事で疲れた夜や、うまくいかない日。言葉にしない弱音を飲み込む時、この便箋を広げていました。不思議と呼吸が整うのです。そんなことは、本人には一度も言ったことがありませんでした。
写真を撮るのに、何度か構え直しました。それでも今夜だけは、撮らなきゃいけない気がしたのです。送信ボタンを押す前に、短い一言を添えました。「寂しい時はこれ読んでる」。
そして…
しばらくして、返ってきた返事はひと言でした。「反則」。照れくさくて、返事を打てないまま、彼女の手紙をもう一度そっと畳んだのです。
口下手なのは、たぶん一生治らないのだと思います。それでもあの夜、彼女に1つだけ伝わったものがあったのなら、この引き出しの中の便箋は、俺にとっての最高のお守りだということ。会えたら、ちゃんと顔を見て言おうと思います。彼女は笑って受け取ってくれる気がするから。
(20代男性・エンジニア)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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