「さっきの、よかったよ」をグループではなく個別に送った理由
「彼女の味方」というレッテル
大学の頃からの友人6人のグループチャット。俺と彼女は、その中で唯一のカップルです。付き合い始めてから気づいたことがありました。グループの中で俺が彼女の意見に賛成すると、空気が少しだけ変わるのです。以前、彼女が提案した店に「いいじゃん」と乗ったとき、友人のひとりが笑いながら言いました。「さすが彼氏、味方するよね」。冗談の中に、小さな棘を感じました。
それ以来、グループの中で彼女の発言に真っ先に賛成するのを避けるようになっていたのです。俺が声を上げるほど、彼女の意見が「彼氏の肩入れ」として軽く扱われる気がしたから。
声を上げられなかった瞬間
誕生日の話し合いで、彼女がメッセージを送りました。「誕生日、お店じゃなくてピクニックはどう? みんなで一品ずつ持ち寄って、公園でお祝いするの」。正直、いいアイデアだと思いました。手間はかかるけれど、彼女らしい温かい提案です。
すぐに「いいね」と打ちかけて、指が止まりました。ここで俺が賛成したら、また「彼氏だから」で片づけられる。ほかの誰かが先に反応してくれたら。そう待っていたのに、返信は来ない。そこに「いつもの居酒屋でよくない?」が流れてきて、あっという間に話がまとまってしまいました。
個別に送った本音
彼女が落ち込んでいるのは、既読のつき方でわかりました。居酒屋の話題にスタンプひとつ押していない。いつもなら誰かの返信に反応する彼女が、沈黙している。
「さっきの、よかったよ」。グループではなく個別に送りました。せめてそれだけは伝えたかった。「ありがとう。でもみんなスルーだったね」。返ってきた言葉に、彼女の声が聞こえた気がしました。「ごめん、俺もちゃんと言えばよかった」。それは本心でした。
そして...
あの場で「いいじゃん」と言っていたら、彼女の提案は通っていたかもしれない。でも俺が真っ先に賛成すれば、それは「カップルの身内ノリ」として処理される。そう思って黙った結果、彼女の言葉は誰にも届かないまま流されました。彼女の意見が、彼女自身の力で認められてほしかった。
でも現実には、俺が黙ったことで彼女をひとりにしてしまった。個別に送った「よかったよ」は本音です。けれど彼女が本当にほしかったのは、みんなの前でのたったひと言だったのだと思います。あの5文字を個別ではなくグループに送る勇気が、俺にはまだありません。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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