レジで「早くしろ」と怒鳴ったら後ろの客3人に叱られた→商品を置いて逃げた私が一番時間を無駄にした話
残り15分
仕事終わりに夕飯の材料を買いにスーパーに寄りました。このあと友達との約束があり、待ち合わせまであと15分しかありません。急いでカゴに材料を放り込んでレジに並んだのに、前の年配の女性が小銭を一枚一枚数え始めたのです。1円、5円、10円。財布の中身をひっくり返すように丁寧に探している。
レジの店員が「ゆっくりでいいですよ」と声をかけているのも、そのときの自分には余計にイライラを煽る言葉にしか聞こえませんでした。時計を見るたびに時間が減っていく焦りに、どんどん冷静さを失っていました。
口から出た言葉
気がつけば「早くしろよおばさん! 時間ねえんだけど」と声を荒げていました。言った瞬間、女性の小銭を持つ手が震えたのが見えました。「す、すみません」と小さな声で謝る姿を見て、少しだけ胸がざわつきました。
でもすぐに「自分は間違ったことは言っていない。遅いのは事実だ」と自分に言い聞かせたのです。レジの店員も黙ってしまい、列全体がしんと静まりました。
3人の視線
次の瞬間でした。後ろに並んでいた男性が「失礼ですよ」と言いました。振り返る間もなく、別の女性が「時間がないなら別のレジに行けばいいでしょう」と続けます。さらに「自分の親が同じこと言われたらどう思うの」と言い添えました。
3人の目が一斉に自分を見ていました。何か言い返そうとしましたが、声になりません。顔が熱くなって、商品をレジに置いたまま逃げるように店を出ました。
そして…
駐車場で立ち止まって、ようやく気づきました。結局、商品も買えず、友達との待ち合わせにも遅れ、自分が一番時間を無駄にしていたのです。急いでいたのは本当でした。でも「急いでいる」は、人を傷つけていい理由にはなりません。あの年配の女性の震えた手を思い出すたびに、自分のしたことの醜さを突きつけられます。
「自分の親が同じこと言われたら」。あの言葉が一番刺さりました。3人が声を上げてくれなかったら、私はきっと今でも自分が正しかったと思い込んでいた。叱ってくれた人たちに感謝しなければいけないと、今は心からそう思っています。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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