「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-」再上映記念舞台あいさつの様子

黒沢ともよらが登壇 「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-」再上映記念舞台あいさつ

2025.07.01 16:50
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-」再上映記念舞台あいさつの様子

黒沢ともよが主演声優を務める機動戦士ガンダムシリーズ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-」(2025年)の再上映記念舞台あいさつが、6月28日TOHOシネマズ新宿スクリーン9にて開催。黒沢のほか、監督の鶴巻和哉氏、脚本・シリーズ構成の榎戸洋司氏が登壇した。

ガンダムシリーズ最新作の劇場先行上映版

同映画は2025年4月から6月にかけてに放送されたシリーズTVアニメ最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」の劇場先行版。同アニメの一部話数を劇場放映用に再構成・劇場限定のカットを追加した内容になっている。再上映版は、2025年に全国上映されたものに、加筆修正を加えている。

主人公・“マチュ”ことアマテ・ユズリハの声優を黒沢が務めるほか、主要キャラクターであるシャア・アズナブルの声を新祐樹が、シャリア・ブルの声を川田紳司が担当する。

黒沢ともよ「みなさんの目が“キラキラ”していて」

MCを務めた松澤ネキ氏の呼びかけのあと、登壇BGMとして流れた米津玄師「Plazma」に合わせ、黒沢、榎戸氏、鶴巻監督が登壇。会場は大きな拍手に包まれた。

まずは登壇したゲスト3名から、TVシリーズの制作と最終回放送を終えての感想が語られた。黒沢は元気よく「こんにちはー!」とファンにあいさつ。「みなさんの目が“キラキラ”していて」と、劇中のキーワードになぞらえて会場を表現。続いて「長い制作期間だったので、最終回が終わって安堵感があります」と心境を語った。

榎戸氏が「最終回を放送できてホッとしています」と話すと、続けて鶴巻監督も「2018年に制作がスタートしてから足掛け7年、実質的には5年、僕のわがままに付き合っていただき、ありがとうございました」と、スタッフに言葉を贈った。

鶴巻監督は続けて、視聴者に対しても「ガンダムファンからどう思われるのかなという不安はありました。でも『Beginning』公開から半年、あたたかく応援していただいて、制作のモチベーションになりました」と、ファンからの反響に言及しながら感謝を語った。

過去作から登場したメカ・キャラクターについても熱いトーク

続けてテーマトークが始まると、最初のテーマには「機動戦士ガンダム」(1979年)や「機動戦士Z(ゼータ)ガンダム」(1985年)といった過去作から登場したメカやキャラクターに関する内容が選ばれた。

口火を切った鶴巻監督は、「リメイクをするならシャリア・ブルを出したいよね、『機動戦士ガンダム』小説版のシャリア・ブル良いよね、という話を、榎戸さんと『フリクリ』(2000年)を作っていた時期からしていました」と述懐。

榎戸氏は「鶴巻監督との会話でシャリアが主要キャラになるのは“なるほどね”と(笑)。一方で、僕が(デザイナー・イラストレーターの)出渕裕さんと飲んでいたときもシャリアの話をしていたみたい」と思い入れを話した。

また榎戸氏は、マチュの成長物語として同作を描くために年上の女性キャラクターを登場させたというエピソードを披露。ニャアン(cv:石川由依)との出会いから、アンキー(cv:伊瀬茉莉也)、シイコ・スガイ(cv:塙真奈美)など、これまでの生活で決して出会わなかった人たちの関係性から成長していくことを意図していたと語る。

その成長の決定打となる女性として選ばれたのが、シリーズではおなじみの登場人物、ララァ・スン(cv:潘恵子/羊宮妃那)だったという。ララァのアイディアが出る前は、「機動戦士ガンダム」に登場したランバ・ラルとクラウレ・ハモンにフィーチャーしたプランや、ミハル・ラトキエとカイ・シデン、マチルダ・アジャンとウッディ・マルデンの関係性を見せるプランなどもあったという裏話も語られた。

榎戸氏が「制作チームの熱と勢いがあったからこそ、そこまで振り切れたのでは」と作業を振り返ると、鶴巻監督が「SNSで弊社社長(庵野秀明氏)が、ララァが登場する第9話にコメント(同話が別プロットであったこと示唆)を出していましたが、そのネタバラシです」と補足した。

「シャア・アズナブルがカッコよくて!ごちそうさまでした」

黒沢は、本作に合わせて「機動戦士ガンダム」を視聴したという。「シャア・アズナブルがカッコよくて!ごちそうさまでした。ありがとうございます」と、同作におけるシャアの活躍に喜びを見せた。

さらに、松澤氏から「監督はゲルググがお好きとか?」と振られた鶴巻監督は、「好きなモビルスーツの名前としてゲルググを出していたので、最終話でなんとか(TVシリーズ『機動戦士ガンダム』版の)ゲルググを出すことができて良かったです。ただ、最終話ではビーム・ナギナタのビームの色が、本来の設定色である黄色ですべて上がってきていて、それは(劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』[1982年]に合わせて)水色にリテイクしました」と、映像上のこだわりを明かした。

また最終話で、これまでの作品に登場していないシャア専用カラーの赤に塗られたモビルスーツが多数登場したことについて、鶴巻監督が「シャアが経験した世界をワンカットで説明しなきゃいけないときに、モビルスーツで紹介するのが良いと思った。僕個人としてはシャア専用ビグ・ザムを見たかったし、(2004年から2006年にかけて制作された映像作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場する)ヅダなどは、自分の中のオタク魂が出てしまったのかなと(笑)」と説明する場面も見られた。

アフレコ現場での取り組みについて

続いてのテーマはアフレコ現場について。

黒沢は台本が上がってくるたびに現場が混乱していたと明かし、「ガンダムシリーズに詳しい先輩たちがニコニコしながら“どうなってんだよー”と現場に入ってくることもあれば、“なにが?どういう?どうなっていて?”と悩む若いキャストたちもいました。現場でも、3人くらいの先輩が急に話し出して教える、今のSNSみたいな光景が広がっていました」と振り返る。

また、鶴巻監督や山田陽音響監督のディレクションはあえて明確にせず行われていたことも明かされた。「自分でこっちかな、あっちかなと考えて演じました」と話す黒沢。

鶴巻監督は、キャストたちの受け止め方に意外性を感じていたと明かした。

「自分のクセとして前もっていろいろ説明しちゃうので、説明しすぎくらいだと思っていました」と話す。また、黒沢が演じた主人公・マチュについては、「僕にとっての若い子のイメージが投影されています。目的に向かって一直線に進んでいくのは大人の考えで、昨日と言っていることや、やっていることが変わって台無しにしてしまうようなこともあるかもしれないなと思っています。なので、マチュはある種分裂しているというか、第1話のマチュと第5話のマチュではそれくらい違うし、それを黒沢の中で成立させてもらえれば、という話をしていた」と説明。

黒沢は「2年前に聞きたかった(笑)!」と驚きつつ、「普段だったらこの感じで演じたいなという階段の踏み方よりも、一段上か下をやればOKが出るんです。自分が飲み下せる、一歩外側を演じる意識でしたね」とその演技について回想した。

榎戸氏が鶴巻監督や音響監督から聞いた話として、「マチュは黒沢さんで本当に良かった~と言っていましたよ」と明かすと、黒沢は感慨深い表情を見せた。

黒沢にとっては難易度の高い収録だったと言い、「アフレコ中は『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイの気持ちでした。“親父にもぶたれたことないのに!”というか(笑)。わかんないよぉ~と言いながら走り続けていましたね。でもすごく楽しかったので、また鶴巻さんに挑める日が来るといいなと」とその内容について語った。

監督の明かす演出・シーン上のこだわり

最後のトークテーマは、こだわった演出・シーンについて。

鶴巻監督は、「第1話で、マチュが神社のシーンで階段を上っているところがあるけれど、階段の上にカメラがあるシチュエーションが好き」と回答。大好きな作品に影響を受けたものだと明かしながら「エグザベ(cv:山下誠一郎)とシャリアの軍警ビルでの階段のシーンや、最終話でアルテイシアが上がる階段シーンが好き」とこだわりを語った。

榎戸氏は、第11話の“シャアの変身”についてのエピソードを披露した。

「鶴巻監督から連絡があって、赤いガンダムに乗るシャアは、マスクを付けた士官姿にしたいと。ただ、着替えはさせたくないと言われたので、“変身すれば良いんじゃないの”と伝えました」と、当時どのようなやり取りがあったのかを語った。

また、最終話のRX-78-2ガンダムの巨大化についても。榎戸氏は「最終的に白いガンダムがラスボスになる話は決まっていました。ガンダムをどうしたら脅威として見せられるか、というアイディアの中で、分身する案もありましたが、『聖戦士ダンバイン』(1983年)で言うところのハイパー化(巨大化)しか思いつかなかった」と返答。

鶴巻監督も、「ガンダムシリーズではやってはいけない表現かもしれないけれど、富野由悠季監督のロボットアニメの文脈で見ればアリかなと。あの巨大化するときのスパークは、ハイパー化のときの表現を現代的にやってほしいとスタッフに依頼したら、あの形になりました」と解説した。

黒沢は「まさか大きくなるとは思わなかった。でも、『質量の増大が確認できます!』とせりふで説明してくれたので、驚きながら見ていました」と、アフレコ時の気持ちを明かした。

トークが終了すると、フォト&ムービーセッションがスタート。さらに応援上映などの告知が挟まったあと、最後に3人から来場者と生中継の観覧者にメッセージが贈られた。

また、メッセージの中で鶴巻監督が、同映画の興行収入が35億円を超えたことを発表すると、会場からは大きな拍手が送られた。

黒沢ともよ コメント

鶴巻監督が毎話のアフレコの前に、1時間ほど世界観説明をしてくださっていました。そのときのお話から熱が入っていて、ずっと聞いていたいなーと思っていたので、今回、舞台あいさつでご一緒できてとてもうれしかったです。

いろんな方々の愛情たっぷりな作品なので、何度も何度も観ていただいて、これからも作品に関するあれこれを話し合ってもらえればうれしいです。

榎戸洋司氏 コメント

作り終えたので、あとの評価はもう観ていただいた方に任せるしかないのですが、とりあえず全12本、作りたかったものを作りたいように作れたな、という実感だけはあります。それは本当にホッとしていますし、これからも作品をよろしくお願いいたします。

鶴巻和哉監督 コメント

まず報告ではあるのですが、「Beginning」の再上映のおかげで、興収が35億を突破したそうです。みなさんのおかげです。ありがとうございます。

TVシリーズは構成上の関係で時系列が飛んだり戻ったりするのですが、今日見ていただいた「Beginning」は、時系列通り素直に直結していて、わかりやすく、見やすい作品になっているので、また見に来てもらえるとうれしいです。よろしくお願いいたします。

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