山田裕貴、堤真一(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会

堤真一&山田裕貴、極限状態の実話に思い滲ませる「木の上の軍隊」“兵士2人”の真実公開

2025.05.13 17:00

俳優の堤真一山田裕貴がW主演を務める映画「木の上の軍隊」(6月13日に沖縄先行、7月25日に全国公開)より、モデルとなった2人の兵士の真実と、W主演の2人からのコメントが公開された。


木の上で命つないだ2人の兵士の真実

(上)山口静雄さん(下)佐次田秀順さん(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
(上)山口静雄さん(下)佐次田秀順さん(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
本作のモデルとなったのは、実在した人物、宮崎県出身の山口静雄さん(当時36歳)と、沖縄県・うるま市出身の佐次田秀順さん(当時28歳)。

沖縄戦の中でも激戦地の1つとなった伊江島は沖縄本島北部から北西9キロの海上に浮かぶ一島一村(伊江村)の離島。1945年4月16日に米軍が上陸し、4月21日までの6日間、激しい攻防戦が展開され壊滅的な被害を受ける。その戦いで3,500人もの多くの兵士や住民が命を落とした。山口さんと佐次田さんは、数人の兵士とともに壕を転々としていたが、戦況が激化するなかで徐々に仲間を失い2人だけに。そして、米軍の目を逃れるためにうっそうと葉が生い茂るガジュマルの木に登って身を潜め、想像を絶する樹上生活を始める。こうして始まった“たった2人の孤独な戦い”は、戦後の日本という時間軸に取り残されたまま、1947年まで続くことになる。

2人は木の枝を折り、葉を重ねて下から見えないように大きな“巣”を作った。地上に降りるのは夜のみで、食料は米軍が捨てた残飯やわずかに焼け残った野菜を探して命をつないだ。後に米軍のゴミ捨て場も見つけ、剃刀と鏡で髭を剃り、捨てられた軍服も着るようになる。佐次田さんは、破傷風にかかった山口さんのために砂糖水を探し与え、看病に尽力。極限状態の中でも、2人は夜な夜な空を見上げては家族の無事を祈り、郷里の方角に向かって敬礼することを欠かさなかったという。劇中の2人の生活も、史実に基づくエピソードが多く反映されている。

堤真一&山田裕貴、思い滲ませる

山田裕貴、堤真一(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
山田裕貴、堤真一(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
撮影中、実在した人物をモデルとした役柄を演じることに堤は「僕自身も知らなかったことが多く、この映画を通して実際にこういうことがあったんだと知り、学びました。時が経ったからこそ、細かいことまでつまびらかにしていかなくてはならないと改めて感じました」と語り、山田も「作品を通して僕も知らなかった沖縄の歴史を知ることができ、こういう時代があったから、生き抜いた人たちがいたから、今があるんだと再認識することができました」とその思いを滲ませた。

監督・脚本を手がけた平一紘は、沖縄出身。山口さんと佐次田さんの家族や戦争体験者への綿密な取材を何度も行い、その度に脚本の改稿を重ねて昇華させ、沖縄の空気や自然、そして戦争の記録と記憶までも、真正面から映し出している。

全編沖縄ロケ、実際のガジュマルの樹上でも撮影

左より:佐次田満さん(次男)、山口輝人さん(次男)、政子さん(山口さん次女)、春子さん(山口さん三女)、京子さん(佐次田さん長女)(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
左より:佐次田満さん(次男)、山口輝人さん(次男)、政子さん(山口さん次女)、春子さん(山口さん三女)、京子さん(佐次田さん長女)(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
山口さんと佐次田さんが当時身を隠したガジュマルの大木は「ニーバンガズィマール」と呼ばれ、今も伊江島に残されており、「命を救った神木」として語り継がれている。2023年の台風で倒木したが、島の人々の手によって土を入れ替えて再建され、再び力強く根を張っている。まさに“人間が生き抜いてきた歴史の象徴”とも言える存在だ。

「木の上の軍隊」撮影のガジュマル(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
「木の上の軍隊」撮影のガジュマル(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
本作のロケは全編沖縄で、舞台の主となる木の上のシーンは、本作のために数ヶ月かけて伊江島の公園に植樹したガジュマルの樹上で撮影された。撮影時には、山口さんの次男・山口輝人さん、次女・政子さん、三女・春子さんと、佐次田さんの次男・佐次田満さん、長女・京子さんが来島。ニーバンガズィマールの前で対面を果たし、揃って撮影現場にも訪れた。戦後生まれの春子さんは「ここで2人が出会って、頑張ってくれなかったらなかった命。子供たちとか孫とかに広がっていかなかった」と語っていた。

堤真一&山田裕貴W主演「木の上の軍隊」

堤真一、山田裕貴「木の上の軍隊」ポスタービジュアル(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
堤真一、山田裕貴「木の上の軍隊」ポスタービジュアル(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
太平洋戦争末期から戦後にかけての沖縄県・伊江島で、日本軍の敗戦を知らずに2年間、ガジュマルの樹上に身を潜めて生き抜いた2人の兵士がいた。その実話をもとに作られた舞台「木の上の軍隊」が映画化。戦争体験者が少なくなる今の時代に、あらためて語り継がれるべき「人間の尊厳と生への執念」を描く。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】

関連リンク

関連記事

  1. 山田裕貴、袴姿で“かつお節ダンス”「ココイチ」新CMで舌鼓打つ
    山田裕貴、袴姿で“かつお節ダンス”「ココイチ」新CMで舌鼓打つ
    モデルプレス
  2. 山田裕貴、下積み時代に支えられた作品告白「生きていく光をもらった」主演声優との交流も
    山田裕貴、下積み時代に支えられた作品告白「生きていく光をもらった」主演声優との交流も
    モデルプレス
  3. 山田裕貴、プライベートで意気投合したアーティストとは 初対面エピソード明かす
    山田裕貴、プライベートで意気投合したアーティストとは 初対面エピソード明かす
    モデルプレス
  4. 山田裕貴主演&バカリズム脚本で「ベートーヴェン捏造」映画化決定 古田新太が共演【コメント】
    山田裕貴主演&バカリズム脚本で「ベートーヴェン捏造」映画化決定 古田新太が共演【コメント】
    モデルプレス
  5. 山田裕貴、赤楚衛二に「大号泣事件」理由明かす「2人だけの世界になった瞬間」
    山田裕貴、赤楚衛二に「大号泣事件」理由明かす「2人だけの世界になった瞬間」
    モデルプレス
  6. 山田裕貴、赤楚衛二との意外な縁告白 MBTI全く違うも「感覚的なものはすごい似てる」
    山田裕貴、赤楚衛二との意外な縁告白 MBTI全く違うも「感覚的なものはすごい似てる」
    モデルプレス

「映画」カテゴリーの最新記事

  1. SixTONES京本大我、天然ぶり炸裂で監督から“公開説教”?「あなた何も知らないよね」【見える子ちゃん】
    SixTONES京本大我、天然ぶり炸裂で監督から“公開説教”?「あなた何も知らないよね」【見える子ちゃん】
    モデルプレス
  2. 風間俊介&MEGUMI、共演俳優を絶賛「水を飲むように芝居」「ベテランの謙遜の仕方」
    風間俊介&MEGUMI、共演俳優を絶賛「水を飲むように芝居」「ベテランの謙遜の仕方」
    モデルプレス
  3. MEGUMI、美デコルテ輝くキャミドレスで登場 風間俊介のクランクイン前の行動に感銘「やべえって思いました」
    MEGUMI、美デコルテ輝くキャミドレスで登場 風間俊介のクランクイン前の行動に感銘「やべえって思いました」
    モデルプレス
  4. 風間俊介&MEGUMI、息子役の嶋田鉄太を絶賛「水を飲むように芝居する」
    風間俊介&MEGUMI、息子役の嶋田鉄太を絶賛「水を飲むように芝居する」
    WEBザテレビジョン
  5. 公開から38年…若かりし頃の“シュワちゃん”が主演「プレデター」語り継ぎたいシリーズの“原点にして頂点” 最新作では初のアニメ化
    公開から38年…若かりし頃の“シュワちゃん”が主演「プレデター」語り継ぎたいシリーズの“原点にして頂点” 最新作では初のアニメ化
    WEBザテレビジョン
  6. 「爆泣き」「涙でぐしょぐしょ」映画『リロ&スティッチ』実写ならではのリアリティーある“家族愛”に号泣の声
    「爆泣き」「涙でぐしょぐしょ」映画『リロ&スティッチ』実写ならではのリアリティーある“家族愛”に号泣の声
    WEBザテレビジョン
  7. 森七菜、“チャンバラ”で吉沢亮とコミュニケーション「敬語で殴りかかったのは初めてでした」
    森七菜、“チャンバラ”で吉沢亮とコミュニケーション「敬語で殴りかかったのは初めてでした」
    WEBザテレビジョン
  8. 吉沢亮、“少年喜久雄”を演じた黒川想矢に驚嘆「色っぽ過ぎて…。プレッシャーも刺激ももらいました」
    吉沢亮、“少年喜久雄”を演じた黒川想矢に驚嘆「色っぽ過ぎて…。プレッシャーも刺激ももらいました」
    WEBザテレビジョン
  9. 鉄拳がリロ&ナニ&スティッチの深い絆を描く…オハナ“家族”のアニメーションが解禁<リロ&スティッチ>
    鉄拳がリロ&ナニ&スティッチの深い絆を描く…オハナ“家族”のアニメーションが解禁<リロ&スティッチ>
    WEBザテレビジョン

あなたにおすすめの記事