

明かされた「ライオン・キング」の“前日譚”に驚き…“スカー”の過去が悲しすぎる<ライオン・キング:ムファサ>

ディズニーの超実写版映画「ライオン・キング:ムファサ」が4月9日に配信された。超実写版映画「ライオン・キング」(2019年)の続編にして、物語としては前日譚となる“始まりの物語”である。「ライオン・キング」ファンには驚きの事実も語られる本作をレビューする。(以下、ネタバレを含みます)
「ライオン・キング」始まりの物語
もともと「ライオン・キング」は、1994年に長編アニメーション映画として劇場公開された。プライドランドと呼ばれる王国を治めるライオンの王・ムファサに息子のシンバが誕生。しかし、王位を狙うムファサの弟・スカーの企みにより、ムファサは命を落とし、シンバは王国を追放されてしまう。打ちひしがれていた中で出会った愉快な仲間たちに励まされ、成長したシンバは自らの運命に立ち向かうことに。
動物たちの“命の輪”がつながる大地を舞台にした壮大なストーリーは、ミュージカルでの舞台化の成功を経て、2019年に映画としてあらためてよみがえった。
実写を基に3DCG技術によって製作され、ディズニーが名付けたのは“超実写版”。風にそよぐシンバたち動物の毛や草木の葉、舞い散るサバンナの砂、川の流れ、空や太陽の色など本物と見紛うほどで、“実写を超える”素晴らしさでアニメ以上に物語への没入感を高めてくれた。
「ライオン・キング:ムファサ」は、その超実写版でムファサとスカーの秘密が明かされる始まりの物語だ。
明らかになるムファサの生い立ち
物語は、シンバとナラの娘・キアラにプライドランドの祈祷師であるマンドリルのラフィキが、キアラにとっては祖父にあたるムファサについて語るスタイルで進む。キアラは、前作のラストでラフィキが王国の動物たちに抱き上げて見せた、あのかわいいモフモフの赤ちゃんだった子だ。
そして、始まって早々に明かされる秘密が、ムファサが孤児であったこと。洪水に巻き込まれて両親とはぐれてしまったムファサ。そんな彼を助けたのがタカ、のちのスカーだ。
なぜ“スカー”と呼ばれるようになったのか、その秘密も後半に明かされるのだが、「兄弟が欲しかったんだ!」と無邪気にはしゃぐ姿には、前作での狡猾なスカーなど見る影もない。2人に何が起きたのか、一気に引き付けられる。
ムファサとタカ、義兄弟の絆の行方
タカは、いわゆる王子だった。タカの父で群れを率いる王・オバシは、はぐれものを嫌ったが、タカとタカの母であり妃のエシェの説得でムファサの仲間入りを渋々許す。
ムファサとタカは兄弟のように遊び回ったり、一緒にいたずらをして大人ライオンを困らせたりして楽しく過ごす。しかし、オバシはムファサのことは基本的にエシェたちメスライオンに任せ、タカには後継者として帝王学を教える。といっても、「オス(王)は群れを守りながら眠るんだ。それが力の証」という具体性のないものだ。その間にムファサは、もともと優れていた観察力に加えてエシェから狩りを学び、育っていく。ムファサとタカの対比に不穏なものがよぎる。
そんなとき、ある出来事でムファサに恨みを抱いた冷酷なホワイトライオン・キロスがオバシの群れに攻め入る。オバシは王家の血筋を絶やすわけにはいかないと、タカに逃げるよう命じる。タカを支えるためと、ムファサも一緒に。
ムファサの母が言っていた“楽園”のミレーレを目指すムファサとタカ。やっと居場所ができたと思っていたのに、また旅立たなければいけない寂しさが襲うムファサ。一方、タカはムファサの“ある出来事”でのひそかな後ろめたさと、もう両親に会えないだろうという思いを抱えながらの旅立ちだ。
キロスが追ってくる恐怖の中で新たな居場所に向かう旅路。助け合いながら進むも、途中で出会ったメスライオン・サラビとの三角関係により、2人の絆に決定的な亀裂が入ってしまう。時に愛は残酷なのだ。
偉大な王とヴィランの誕生
闇落ちするタカと、ミレーレにたどり着くもキロスの襲撃に遭い、動揺する他の動物たちの心をとらえつつ、勇敢に戦いに挑んだムファサ。“ヴィラン(悪役)”と“キング(王)”の誕生だ。
自分は王の血筋ではないからと王座を固辞するムファサに、ラフィキが「大事なのは何者だったかではない。何者になるのか」と告げるのはタカを思えば切ない。だが、ムファサの持ち前の資質や学びで培った、勇敢さ、正しさ、思慮深さ、統率力はかっこよく、偉大な王になる片鱗がうかがえる。
そんな中で、ヴィランになったタカを完全に憎めなかったりもする。アニメ版&前作でスカーファンもいるが、例えばニヒルさや、そこはかとなく色っぽかったりというのが推しポイントだったりするだろう。本作で引き付けられるのは、幼いときの無邪気なかわいさに加えて、その左目に傷がついた理由にも葛藤と苦悩の奥にある捨てきれない彼の心がチラリと見えるところ。
スカーとは「傷」を意味するのだが、ムファサが本名を呼ばなくなった一方で、王国から追い出すことはできない理由でもある。ただ、それが前作で描かれた悲劇につながってしまうのだが…。
「ライオン・キング」の大きなテーマは命の輪だが、“はぐれもの”だったムファサがその輪をつなぐ一国の王として認められる過程が胸を熱くする。ムファサと同じように親と離れ離れになったタカやサラビ、見た目で爪弾きにされるホワイトライオンのキロスたち、ラフィキもはぐれもので、そんな彼らから始まった物語だ。
本作と前作が“輪”のようにつながっているのも見どころ。前作で衝撃的だったスカーがムファサを見捨てるシーン。崖に前足だけでかろうじてぶら下がっている状態のムファサの手にスカーは爪を立てた。それが本作の冒頭、幼いムファサを幼いタカが救うシーンでリフレイン的演出に。
さらに、クライマックスでも再びその状況が描かれる。また、前作でスカーがシンバに、あるうわさを耳打ちして「今の話は秘密だ、国王陛下」とうやうやしく言うシーンがあったが、本作ではラストでタカから名前を変えたスカーが、王に認められたムファサに向かって言う。そんなつながりを過去作との一気見で確かめるのも面白いだろう。
アニメ版「ライオン・キング」、超実写版「ライオン・キング」「ライオン・キング:ムファサ」はディズニープラスで見放題独占配信中。
◆文=ザテレビジョンシネマ部
関連記事
-
新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>WEBザテレビジョン
-
東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」WEBザテレビジョン
-
<BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現WEBザテレビジョン
-
松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」WEBザテレビジョン
-
ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かすWEBザテレビジョン
-
瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」WEBザテレビジョン
「映画」カテゴリーの最新記事
-
原菜乃華、心霊体験告白「さすがにスルーできなかった」堀田茜からアドバイスも【見える子ちゃん】モデルプレス
-
原菜乃華、変形ドレスから美脚のぞく 久間田琳加はミニ丈…キャスト4人個性溢れる着こなしで美スタイル披露【見える子ちゃん】モデルプレス
-
SixTONES京本大我、ジェシーのボケをスルーし過ぎて反省も「またスルーし始めちゃっています」WEBザテレビジョン
-
滝藤賢一、子供4人との寿司屋で10万円支払い 会場ざわつく「勉強できなくても元気で学校行ってるからいい」【見える子ちゃん】モデルプレス
-
山下幸輝、驚きの“言い間違い”暴露される SixTONES京本大我も反応「完全に天然ですね」【見える子ちゃん】モデルプレス
-
原菜乃華、山下幸輝の天然エピソードを暴露「“きもかわ”うどんっておっしゃっていて…」WEBザテレビジョン
-
なえなの、人生初の舞台挨拶に緊張 SixTONES京本大我から素顔明かされる「僕よりもわんぱくな子いた」【見える子ちゃん】モデルプレス
-
美空ひばり出演映画6作品を特集放送「ひばりの春は唄から」「東京キッド」など<衛星劇場>WEBザテレビジョン
-
SixTONES京本大我、グループ内での“エンドレスの悩み”告白「10年の仲なので」【見える子ちゃん】モデルプレス