向井理主演映画「パリピ孔明 THE MOVIE」公開を前に、ドラマで見せた天才軍師の策略を振り返る

2025.04.02 15:42

2023年秋に放送された向井理主演ドラマ「パリピ孔明」(フジテレビ系)を映画化した「パリピ孔明 THE MOVIE」が4月25日(金)に公開される。そこで本記事では公開に備え、ドラマで見せた孔明の策略を振り返る。

音楽バトルフェス「ミュージックバトルアワーズ2025」が舞台、＆TEAMも出演

本作は、「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の累計発行部数240万部突破のコミックが原作。三国時代の天才軍師・諸葛孔明(しょかつ・こうめい／向井理)が、なぜか現代の渋谷に若かりし姿で転生、歌手を目指すアマチュアシンガー・月見英子(つきみ・えいこ／上白石萌歌)の軍師となり、立ちはだかる壁を巧みな計略でことごとく切り崩し成功に導くサクセスストーリー。

映画では、向井、上白石の他、孔明の主君・劉備役のディーン・フジオカ、現代に転生した孔明と意気投合するBBラウンジのオーナー小林役の森山未來もドラマから引き続き出演。また、新たに三国時代の孔明最大のライバル・司馬懿の末裔・司馬潤役の神尾楓珠とその妹でシンガー・shin役で詩羽が参加する。

今回の舞台は、日本を代表する3大音楽レーベル、KEY TIME、SSSミュージック、V-EXが頂点を競う音楽バトルフェス「ミュージックバトルアワーズ2025」。9人組グローバルグループ・＆TEAMをはじめ、岩田剛典、水森かおりなど、さまざまなアーティストが集う史上最大のフェス映画となっている。

孔明の策略(1)　石兵八陣(せきへいはちじん)

本作の魅力の一つが、孔明が見せる数々の策略。ドラマ版第1話で描かれた石兵八陣は、障害物を巧妙に配置し、敵軍を迷わせて混乱させるというもの。

ハイレベルなダンスパフォーマンスと歌唱で注目を集める、SNSフォロワー数10万人超えの人気シンガー・ミア西表(菅原小春)の視察に訪れた英子は、ミアから週末イベントに誘われることに。しかし、英子は当て馬として利用されようとしていた。

ミアのたくらみを知った孔明はこの機会を逆手に取り、石兵八陣の策を実行。英子のフロアに大量のスモークを焚き不明瞭感を演出、客の動線に合わせて照明を明滅させることで判断力を鈍らせては、出入口を混乱させるため同じ服の男の人2人を10分おきに入り口横、トイレ横、従業員入り口横に移動させた。さらに、会場内には同じオブジェを複数配置し、バーカウンターも複数あるかのように演出。仕上げにステージを回転させることで、客の方向感覚を狂わせ、出口に辿り着けなくした。次第に客は英子の歌に引き込まれ、結果的にミアのフロアより多くの観客を集めることに成功した。

孔明の策略(2)　無中生有(むちゅうしょうゆう)

第2話で見せた無中生有は、無いものをまるで有るように思わせ、敵を欺く策略。孔明が築いた人脈により、「アートフェスライブ」への出演が決まった英子。しかし、対バン相手は動画サイトにアップしたミュージックビデオが500万回再生を記録し、一躍人気バンドの仲間入りを果たした3人組のインディーズバンド・JET JACKETだった。

そこで孔明は無中生有の策を実行。まず、ギターボーカルのRYO(森崎ウィン)が様子を見に来たタイミングで機材トラブルを装い、油断させる。案の定、1曲目を披露したあとに余裕綽々でMCを始めたRYO。そのとき、会場に響き渡ったのは英子が歌うフェスで盛り上がる人気曲と大歓声だった。英子のステージ前には大勢の客が押し寄せているように見えるが、その実態は巨大な照明を下向きに照射し、地面を高温状態にすることで発生させた蜃気楼だった。こうして孔明は、観客があふれかえっているように錯覚させ、英子のステージへと人を引き寄せた。

孔明の策略(3)　調虎離山(ちょうこりざん)

第4話で登場した調虎離山は、敵を本拠地からおびき出し、味方に有利な戦場で戦う策略。英子をさらに有名にさせるため仲間を増やすことにした孔明は、表舞台から姿を消した若き天才ラッパー・KABE太人(宮世琉弥)に目を付ける。KABEはプレッシャーに弱く、過去のラップバトルで倒れてしまったことがトラウマとなり人前でパフォーマンスすることに恐怖を抱えていた。孔明はKABEがそれを克服できるよう、調虎離山の策を実行。まずはKABEの自宅を突き止め、数日張り込んで生活パターンを把握。KABEの地元と高校時代の親友も突き止め、思い出の曲を特定するなど徹底的に調べ上げた。

さらに、孔明はあえてプレッシャーを与えてKABEの腹痛を意図的に引き起こし、近くのトイレに先回りしては全てを封鎖。さまざまな手段を駆使し、最終的に英子が働くBBラウンジへと誘い込んだ。そこで自身の思い出の曲を歌う英子の歌声に引き込まれたKABEは、次に始まった孔明とのラップバトルの場にまんまと上げられてしまう。

孔明に煽られ、ステージに立つことを選ぶKABEだが、孔明が事前に腹痛薬を飲ませていたことから、プレッシャーによる腹痛もなく、思うままにリリックを披露することに成功する。過去のトラウマを克服し、表舞台に再び立てる喜びをかみ締めたKABEは、孔明と英子の仲間になることを決意した。

孔明の策略(4)　草船借箭(そうせんしゃくせん)

第6話の草船借箭は、敵の攻撃を逆手に取って利益を得る巧妙な策略。孔明の力を借り、超大型音楽フェス「サマーソニア」に出演するためのビックチャンスをつかみ取った英子。しかし、出演する条件はSNSで「10万イイネ」を獲得すること。

孔明は他の候補者の中でも最強のライバルである3人組アイドルユニット・AZALEAの10万イイネ企画を乗っ取るべく、草船借箭の策を実行。AZALEA側のレーベルが企てたのは、ゲリラライブ中に出現するQRコードを読み取ってイイネのボタンを押すと抽選で100人に100万円が当たるというものだった。孔明は密偵を使ってライブ会場を突き止めると、英子はAZALEAになりすまして歌い、KABE太人はQRコードを表示したドローンを操作。まさにAZALEAの企画を乗っ取ろうとする奇策を仕掛ける。

協力プレーの末に、AZALEAのQRコードだと勘違いした客たちは100万円を求め、次々にスマホをかざし、英子のSNSのイイネ数は爆発的に伸長。しかし、10万イイネ目前で本物のAZALEAが登場し、英子たちは客から大ブーイングを浴びてしまう。そんな中、英子は路上ライブで共に歌うほどに仲良くなったAZALEAのベースボーカル・久遠七海(八木莉可子)の後押しを受け、もがき苦しみながら生み出した楽曲「DREAMER」を披露することに。英子の歌は、自分たちのやりたい音楽ができずに悩んでいたAZALEAの心、そして観客の心をも突き動かす力があり、最終的に英子は自らの力で10万イイネを達成。見事「サマーソニア」への出場権をつかみ取った。