世界中で愛される“ミッキー&ミニー”が96回目の誕生日 ディズニーとともに歩んだミッキーマウスの軌跡をたどる
ディズニーを代表するキャラクター・ミッキーマウスとミニーマウスが、2024年11月18日に96歳の誕生日を迎えた。彼らのスクリーンデビューとなった短編作品「蒸気船ウィリー」が公開された1928年から約1世紀にわたって世界中の老若男女に愛され続けている“ミッキー&ミニー”。特にミッキーは、2023年に創立100周年を迎えたディズニーを常にけん引してきたリーダーだ。今回はいくつかの作品に触れながらあらためてミッキーの歴史を紹介する。(以下、ネタバレを含みます)
軽やかな口笛でおなじみの「蒸気船ウィリー」で映画デビュー
1923年10月16日に設立されたディズニー・カンパニー。ミッキーマウスの“原点”であり、日本では「しあわせウサギのオズワルド」の愛称でも親しまれる、オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットが1927年にウォルト・ディズニーとアメリカ出身のアニメーター、アブ・アイワークスによって描かれ、1928年にかけて全26本の短編シリーズがサイレント映画として製作された。
その後、誕生したのがミッキーマウスだ。陽気な口笛のメロディーがおなじみの短編モノクロ映画「蒸気船ウィリー」(1928年)で、スクリーンデビューを飾った。同作でミニーマウスも映画初登場しており、当時から恋人同士であり同期でもある彼らは二人三脚でディズニー作品をけん引していき、世界中から愛される存在へとなっていく。
名作ぞろいと言われる短編作品の中には、ミッキーマウスのバースデーをおなじみのキャラクターたちがお祝いする様子が描かれた「ミッキーの誕生日」(1942年)も。ミニーマウスはもちろん定番の仲間たちからも愛されているミッキーマウスの素顔ものぞくことができる。ミニーマウスの愛らしい姿、おっちょこちょいのグーフィーや怒りっぽいドナルド・ダックなど、ミッキーマウスの活躍には欠かせない彼らの魅力もギュッと詰まった作品だ。
また、ミッキーマウスの短編映画が約30年ぶりにスクリーンで上映されたことで当時大きな話題となった「ミッキーのクリスマスキャロル」(1983年)も忘れられない名作だろう。
同作はチャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」を原作としており、ミッキーマウスはドナルドダックの伯父であるスクルージ・マクダックと共演している。クリスマスが大嫌いで冷徹な大金持ちエベニーザ・スクルージ(スクルージ・マクダック)がクリスマスイブの夜の不思議な体験を通し、段々と優しさを取り戻していく物語がベースとなっており、ミッキーマウスは彼の事務所に勤める従業員ボブ・クラチットを演じた。
主役ではないものの、ミッキーマウスはスクルージ・マクダックをしっかりとアシストした形で登場する名脇役の役割をしっかりと担っている。一方でミニーマウスもミッキーマウス演じるボブの妻役として登場しており、彼らが“夫婦役”として共演している貴重な場面も見られる。
ディズニー100周年では生みの親“ウォルト”に感謝する場面も
時代とともにミッキーマウスの姿が変遷していったことは彼の歴史をたどる度に感じることができるのだが、現在のタッチに近いミッキーマウスに初めて変化した作品といえば長編アニメーション作品「ファンタジア」(1940年)だろう。
クラシックの名曲とアニメーションを融合させた画期的な作風で構成された8つの物語で展開される同作は、今もなお高い人気を誇る。その中でミッキーマウスが魔法使いの衣装で登場する「魔法使いの弟子」を制作するにあたって、ミッキーマウスのデザイン担当をしていたアニメーターのフレッド・ムーアは、ミッキーマウスのデザインを一新させた。
頭を大きくさせ、体は洋なし形に変わり、瞳の部分は切れ込みが入った“パイカット・アイ”から人間的な目へと変貌をとげた“新”ミッキーマウスの活躍が楽しめる作品だ。
ミッキーマウスとともに世界に夢と希望を与え続けてきたディズニーは2023年10月16日に創立100周年を迎えた。
アニバーサリー記念として製作されたオリジナル短編映画「ワンス・アポン・ア・スタジオ-100年の思い出-」(2023年)では、物語の途中でアメリカ・カリフォルニア州にあるウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの廊下に飾られたウォルトの写真を見ながらミッキーマウスが愛おしそうに感謝の意を伝える様子が描かれている。ほんの数秒のシーンだったが“生みの親”とミッキーマウスの絆を感じ取ることのできる感動作だ。
紹介しきれない作品がまだ多く存在しているのだが、誕生日をきっかけにミッキーマウスの歴史、ディズニーの歴史を振り返りながらお気に入りの作品を見つけるのも楽しそうだ。そして100周年という大きな節目の“年”に向かってさらなる夢を与えてくれるミッキーマウスの活躍が楽しみだ。
記事内の作品はすべてディズニープラスで配信中。
◆文=suzuki
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