池松壮亮、チョコを「空き地に投げた」バレンタインの思い出告白<ちょっと思い出しただけ>
2022.02.12 16:34
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俳優の池松壮亮が12日、東京・渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷にて開催された映画『ちょっと思い出しただけ』の公開記念舞台挨拶に、伊藤沙莉、永瀬正敏、屋敷裕政(ニューヨーク)、松居大悟監督と登壇。バレンタインの思い出を明かした。
映画「ちょっと思い出しただけ」
本作は、ロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げるジム・ジャームッシュ監督の映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げた新曲「ナイトオンザプラネット」をもとに松居監督が書き上げたオリジナル作品で、初の完全オリジナルラブストーリーとなる。怪我でダンサーの道を諦めた照生(てるお)とタクシードライバーの葉(よう)。2人を中心に関わる登場人物たちとの会話を通じて、都会の夜に無数に輝く人生たちの機微を繊細かつユーモラスに映し出した。年に一度訪れるある1日だけ遡り、現代を反映させつつ描いた松居監督独自の物語だ。
池松壮亮&伊藤沙莉、松居大悟監督への思い語る
コロナ禍にあって、無事に公開を迎えたことに一同ホッとした様子。本作は海外のアジア各国の映画祭への出品、および香港、台湾、シンガポール、マレーシアでの公開も決定しており、松居監督は「コロナというものは世界共通のもので、そういう中で僕らは去年、この映画を撮ったんですが、いろんなことを思い出したりしながらも前に進める――『昔はよかったけど、いまも悪くないな』という思いになってくれたらいいなと思います」と思いを口にする。池松と松居監督は十年来の付き合いとなるが、池松は「最初に会ったのが20歳の頃で、松居さんも20代でした。毎回、新しいことを一緒に挑戦できていて、お互いにアップデートした上でやれている」と互いに“進化”しながら一緒にものづくりができる喜びを語った。
伊藤にとっては、初の松居組となったが「みんなですごく松居さんを支えている感じがしました。松居さんの独特の世界観をいかに実現させ、叶えるか?みんなが一生懸命、寄り添ってやっているのを感じました」と撮影を振り返った。
池松壮亮&伊藤沙莉、バレンタインの思い出告白
また、この日はバレンタインが近いということで、登壇陣が「バレンタインのちょっと思い出すエピソード」を披露。池松は、小学生低学年の頃にチョコをプレゼントされるも「物心がつき始めて、恥ずかし過ぎて、帰り道に空き地に投げました…(苦笑)」と告白。「親にも説明できないし、食べるのも恥ずかしいし…」と申し訳なさそうに、チョコを投げ捨ててしまった当時の心境を明かしていたが「その空き地にその後、キレイな家が建ったんですよね。茶色い家が…」としっかりオチまでつけて笑いを誘っていた。
一方、伊藤は「素直な性格じゃなくて、『好き』って言いたいけど、バレたくないっていう気持ちがあった」と自身の心境をふり返り、本心をカムフラージュするために「全員分のチョコを作って、本命のひとりだけ、中身を変えた」と複雑な乙女心を明かす。
その本命の男子が先に帰ってしまったため、わざわざ家まで赴き「これ、みんなに渡してるから」と言いつつ、無事にプレゼントすることができたそうだが「次の日に、その子が『俺だけ中身違った?』と聞いてきたので『お前だけ残り物で作った』と言って終わった…(苦笑)」と素直になれない女子の切なすぎる思い出を明かした。
ニューヨーク屋敷裕政「エゴサしかしてない」
ちなみにMCを務めた屋敷は、現場で共演したのは伊藤のみで、池松、永瀬とはこの日が「はじめまして」。屋敷は「昨日からエゴサしかしてない(笑)」と自身の演技への評価が気になるようだが「いまんとこ、『屋敷がダメだった』っていうのがなくてホッとしてます」と安堵の表情。池松は完成した映画について「(伊藤と屋敷の)2人のシーンが良かったですよ」と称え、伊藤は「すごく自然でした。アドリブもガンガン来て、余裕だなぁって思ってました」と称賛を送る。これに気を良くしたのか、屋敷は「俺は普段のまま、“ただしゃべってるだけ”」と映画タイトルにかけてボケるが、会場は静寂に包まれる。これに屋敷は「映画の客はお笑いと違ってやりづれぇな!」と八つ当たり気味に毒づき、池松や伊藤らからも大きな笑いが起こった。
池松壮亮&伊藤沙莉ら、映画の見どころ明かす
イベントではそのほか、同作の制作秘話公開や永瀬へ39年前の俳優デビューを記念した花束贈呈などが行われ、最後の挨拶で永瀬は花束を手に「いろいろ、思い出しちゃって…動揺しています(笑)。39年前の情景は、あまりに緊張していて覚えていないのを思い出しました」と語り、さらにこの日、劇場に足を運んだ観客に「こうした状況の中で、みなさんに映画館に座っていただける喜びを噛みしめています。(池松と伊藤の)お2人が素晴らしいので、ぜひそれを噛みしめてください。僕にとっては監督、尾崎さんへの感謝の映画なので、その思いがひとりでも多くの人に届くといいなと思っています」と語りかけた。伊藤は「いま、何気ない日常を思い出して、その大事さや愛おしさを多くの人が感じているんじゃないかと勝手に思ってるんですが、この映画は『前は良かったな』と思い出すことで、逆に前に進めたり、前を向けたりするんじゃないかと思います。希望を感じる作品だと思うので、この映画を観てみなさんが人生を前向きに捉えたり、肯定していただけたらいいなとひそかに願っています」と語る。
池松は「切ない映画であり、ビターで、あまり(過去を)ふり返りたくない人もいて、そういう(センチメンタルな)映画にカテゴライズされがちですが、決してそうではなく、自分たちが今、生きていること、これから生きていくことにまつわる映画です。2時間、どっぷりと浸って帰っていただけたら嬉しいです」と呼びかけた。
そして松居監督は「いま、苦しいとかイヤだって感じることが多いと思うけど、当たり前だったことが当たり前じゃなくなったことで、こうやって映画館に来れるとか、人と話せることが昔よりも嬉しく思えるようになったと思います。そうやって、失ったものではなくて、手に入ったものを愛おしく、抱きしめられるようにこの映画を作りました。そんな些細な日常を、いまの僕らが生きているコロナ禍から遡っていって、愛おしい感覚を持っていただけたら嬉しいです」と挨拶し、会場は温かい拍手に包まれた。
最後の最後に屋敷は、松居監督から締めの挨拶を求められ、突然のフリに困惑しながらも「大どんでん返しに期待してください(笑)」と冗談で返し、舞台挨拶は幕を閉じた。(modelpress編集部)
あらすじ
照明スタッフの照生と、タクシードライバーの葉。物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日…。コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。そんな日々を“ちょっと思い出しただけ”。
【Not Sponsored 記事】
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