「ママレード・ボーイ」コミックス1巻(提供写真)

「ママレード・ボーイ」実写化決定!今、振り返りたい原作の魅力 なぜ“カリスマコミック”として支持され続けるのか?

2017.08.22 05:00

集英社「りぼん」で1992年5月号から1995年10月号まで連載された吉住渉氏の人気コミック『ママレード・ボーイ』を、桜井日奈子(20)と吉沢亮(23)のダブル主演で実写化することがわかった。ここでは、シリーズ累計1,000万部を記録し、今なお多くのファンを持つ原作の魅力を振り返る。


『ママレード・ボーイ』とは

『ママレード・ボーイ』は、大学時代の同級生だった両親同士が、お互いパートナーを交換し再婚したことで、2世帯6人の奇妙な共同生活を送ることになった高校生・光希と遊の恋を描いた青春ストーリー。これまでにない設定と2人のピュアで切ないラブストーリーが話題を呼び、テレビアニメ、劇場アニメ化、また台湾では実写でテレビドラマ化もされ、2013年からは、りぼん版の13年後を描いた「ママレード・ボーイ little」を「ココハナ」で連載開始。発表時には、大きな話題を集めた。

コミック、アニメとヒットを飛ばし、物語に登場する「ボイスメモ」が40万個以上販売されるなどした“カリスマ人気コミック”。「だけど気になる~」ではじまるアニメ版主題歌「笑顔に会いたい」(濱田理恵)は、一度は耳したことがあるという人も多いのではないだろうか。

共同生活にドキドキ

元気で少し子どもっぽい一面があるが、同居する遊に次第に惹かれていく主人公・光希。人あたりが良いため多くの女性に好意を持たれがちだが、冷めたところがあり、人と距離を置くようなそぶりを見せるクールなイケメン・遊。突拍子もない提案をする“両親S”に振り回されっぱなしの光希は、遊の存在に支えられながら、徐々に共同生活を受け入れていく。

今では多くの作品で見られる“イケメンな彼と同居する”という設定も、当時はセンセーショナルに映ったはず。何でも完璧にこなし、イケメンでノリが良く、でもどこかミステリアスな遊は絶大な支持を集め、「りぼんっ子」にとっては王子様的存在に。そんな彼とのドキドキ同居生活に、憧れを抱いた読者は数知れない。

シリアス展開にハラハラ

元気な光希、的確なツッコミを入れる遊、常にテンションの高い“両親S”の物語は、コメディタッチに進んでいくが、ときにシリアスな展開を迎える。

ネタバレになってしまうため、詳細は伏せるが、シリアスシーンは物語のスパイスとなり、飽きさせない展開の連続に。“恋愛は楽しいだけじゃない”という側面を魅力的なキャラクターの出現とともに描くことで、読者をハラハラさせ続けた。

イケメンな彼とのまさかの出会い、自分を好きだと言ってくれる同級生・美少女ライバルの存在、親友との感動物語、家族の絆、そして引き裂かれる2人…甘くて苦い『ママレード・ボーイ』は、少女コミックの王道であり、この先も読み継がれていくであろう名作である。

桜井日奈子&吉沢亮W主演×廣木隆一監督で実写化

『ママレード・ボーイ』実写映画化!W主演をつとめる(左から)桜井日奈子、吉沢亮(提供写真)
『ママレード・ボーイ』実写映画化!W主演をつとめる(左から)桜井日奈子、吉沢亮(提供写真)
実写版では、“岡山の奇跡”で一躍注目を集め、ドラマ、CM、舞台と幅広く活躍する桜井が光希を、今年『銀魂』をはじめ5本の映画に出演する吉沢が遊を演じる。

メガホンをとるのは、映画『ストロボ・エッジ』(2015)、『オオカミ少女と黒王子』(2016)、『PとJK』(2017)の廣木隆一監督。脚本はドラマ「ラブジェネレーション」(1997)、「神様、もう少しだけ」(1998)、映画『今日、恋をはじめます』(2012)の浅野妙子氏が担当し、プロデューサーは『銀魂』の小岩井宏悦氏・松橋真三氏と、『22年目の告白-私が殺人犯です-』『ちはやふる-上の句・下の句-』の北島直明氏という、ヒットメーカーが強力タッグを組む。

魅力的なキャラクターが多数 続報に注目

今回キャストが発表された光希・遊のほか、光希に想いを寄せる銀太、光希の親友でクラスの担任・なっちゃんと付き合っている茗子、遊の元彼女・亜梨実、六反田、三輪、蛍、すず…と個性豊かなキャラクターが揃う『ママレード・ボーイ』。

映画では、どこまで描かれ、どのキャラクターが登場するのか?光希が遊を、実は苦いママレードに例え“ママレード・ボーイ”とあだ名をつけるシーンは、再現されるのか…?続報に注目が集まる。(modelpress編集部)

映画『ママレード・ボーイ』あらすじ

女子高生の小石川光希は、ある日突然、両親から離婚することを告げられる。ハワイ旅行で出会った松浦夫妻と気が合い、母親がその夫と、父親がその妻と恋に落ちたためお互いパートナーを交換して再婚するのだと言う。しかも、松浦夫妻の1人息子で光希と同い年の遊も含めてみんなで一緒に暮らそうとまで言い出す始末…。

そんな常識はずれな両親たちのもと、一つ屋根の下で暮らし始める光希と遊。異常すぎる両親たちと一定の距離を保ちたい光希に対して、そんなことはまったく気にする様子のない遊。クールな中にも時折見せる遊の優しさに次第に惹かれていく光希。そんな中、中学の時、自分を振ったはずの銀太が光希に「ずっと好きだった」と告白!昔、遊の彼女だったと主張する亜梨実も現れて――。
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