《めてみみ》堅調だった商社の25年度業績
2026.05.28 06:24
提供:繊研plus

「利益が伴わない売り上げは1円もいらない」。10年ほど前、英「ダックス」などを手掛ける三共生興の川﨑賢祥元社長が事業リストラをするたびに言っていたのを思い出す。不採算事業の売却や撤退、店舗の大量閉鎖などを断行。売り上げは減ったが利益体質に生まれ変わった。
当時記者は「経営全体で見ると健全な赤字部門も必要では」と考えていたが、間違っていたようだ。
繊維事業を手掛ける商社の25年度業績は、事業環境が芳しくない中でも比較的堅調だった。コロナ禍を乗り越え、ステージが変わったと感じる。「何が起きても対応できるようにする」と経営の考え方が変わり、環境に左右されにくい耐性と柔軟性が付いてきた。同時に赤字事業からの撤退など構造改革、再編を進め、収益力が高まってきた。
前期過去最高の基礎収益をたたき出した伊藤忠商事繊維カンパニーにも課題はある。アパレル事業会社の本格回復だ。武内秀人上席執行役員繊維カンパニープレジデントは、「商社の事業運営の基本中の基本は低重心経営。これは得意だが難しいのはそこから。売り上げを伸ばし、再成長できれば利益は伸びる」と立て直しを急ぐ。
収益改善に注力してきた企業にとってはここからが本番だ。守るだけでは勝てない。構造改革を続けながら新たな成長ストーリーを描けるか、経営手腕が問われる。
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