リーダーもチームの一員。メンバーと一緒によい組織風土を作る、大阪ガス資源海外事業部・山本 綾子さんの素顔
取材・文:ミクニシオリ
撮影:田中 大介
編集:中納俊/マイナビウーマン編集部
リーダーとは「チームを引っ張る特別な存在」……そう考えている人も多いかもしれませんが、いいリーダー像に正解はありません。だからこそ「特別感」こそがリーダーの素質とも限りません。
「むしろ、リーダーはチームの一員。リーダーも、チームやメンバーに支えられているんです」
そう語ってくれたのは、大阪ガス資源海外事業部課長・山本 綾子さん。
自身の幼少期を振り返り「負けず嫌いな子供だった」と話してくれましたが、学生時代の経験から、チームだからこそ、1人よりも大きな目標を成し遂げることができる楽しさに気がつきます。
そんな山本さんが目指すのは「リーダーもチームの一員」と考える、オープンなリーダー像。リーダーもメンバーと同じ目線で“支え合う組織風土”を作り上げることで「みんなが組織に所属している自信と実感が持てる」、そんなチームです。
山本 綾子さん
2005年、外資系メーカーに入社。経営企画本部に所属し、2013年にはシンガポールに赴任。2015年に大阪ガスに転職。財務部にて連結決算・法廷開示に携わったあと、2020年より子会社立上げメンバーとしてシンガポールに再度赴任し、経理・人事担当マネジャーに。2025年4月に帰任し、資源トレーディング部戦略企画チームマネジャーに就任。プライベートでは2児の母。
■負けず嫌いで行動派、やりたいことに一直線な性格
Q.1 幼少期はどんな性格でしたか?
小学校の朝の会で計算ドリルに取り組んだときに、友達と1秒単位で速さ・正確さを競いあっていたことを覚えています。勝てば嬉しく、負けると泣くほどに負けず嫌いでした。3つ下の妹とオセロやトランプで遊ぶ時も、負けたときにはそのままでは決して終わらせず、必ず勝ってから次の遊びを提案する、大人気のない姉でした。一方で読書好きな一面もあり、本を読みながら下校して、電柱にぶつかってメガネが曲がったことも……。
Q.2どのようなご家庭で育ちましたか?
父は営業職で単身赴任をしていた期間が長く、母は私たちが小さい頃から自宅で添削指導の仕事をしていました。家では母と過ごす時間が長かったこともあり、仕事をする母の姿が自然な風景として記憶に残っています。父の仕事の関係で、小さい頃は引っ越しや転校も多かったです。
Q.3 思春期は学校でどんな存在でしたか?
高校は大学の付属校に入学し、勉強よりもバレー部での活動や、学校行事に燃えていました。特にクラス対抗の演劇会では、初めて上級生の劇を見た時に感動で涙が止まりませんでした。そのことから、演劇会の実行委員長に憧れるようになり、3年生の時に立候補。生徒の自主性を重視する学校でしたので、演劇会の運営を実行委員会のメンバーみんなで一大行事を取り仕切ることができるということで、当選したときは嬉しかったですね。
演技の練習はもちろん、大道具・小道具・衣装作りのため毎日遅くまで残って皆ジャージ姿でなりふり構わず本気で取り組んでいました。今思うと、この時初めてチームで大きなことを成し遂げる面白さに気づいたんだと思います。
Q.4 学生時代にバイトはしていましたか?
高校生のときに自宅から徒歩5分の場所にパン屋さんが開業した時に「私は絶対にここで働くぞ」と、やる気まんまんで思い込んでしまったんですね。しかしバイト募集の張り紙はなかなか掲示されず、しびれを切らしてパンを買ったついでに、厨房にいた店長に「ここで私を雇ってください!」とゴリ押し(笑)。
もともと「やらない後悔よりやって反省 」が信条だったこともあり、とりあえずやってみるという行動力はあの頃からあったようです。
Q.5 大学時代はどのようなことを学んでいましたか?
進学当時はまだ自分のやりたいことが定まっていなかったので、広範囲に選択科目を履修できる法学部に進みました。けれど結局、授業よりも塾講師のバイトや、テニスサークルでの活動に時間を使っていました。
しかし、それ以上に熱中したのが簿記でした。バイトの先輩が勉強しているのを見てなんとなく初めてみたら、パズルを解くような楽しさにドハマり。のめり込むと他が見えなくなる性格もあって2級まで一気に取得しました。簿記の知識を活かした仕事がしたくて、就職活動では経理の職種別採用をしている会社を受けました。
■人が1人でできることは少ないからこそ、リーダーも「チームの一員」
Q.5 これまでのキャリア変遷を教えてください。
最初に入った外資系企業は、あの頃はまだ少なかった職種別採用がある企業で、経理職としてキャリアをスタートしました。平均年齢が若く、自主性を発揮できそうな社風も魅力的でした。外資だったこともあって、海外ビジネスにも関わるようになり、シンガポール赴任もさせていただきました。
そこでの経験が面白かったこともあり、日本企業の中で海外ビジネスに関わりたいと思うようになり、大阪ガスに転職しました。
Q.6 なぜ、リーダー職に就こうと思ったのですか?
はじめてリーダー職についたのは、都市ガスや発電の原燃料となるLNG(液化天然ガス)のトレーディング事業の拡大に伴って、シンガポールに子会社を立ち上げるメンバーに選抜いただいた時です。私は経理・人事を担当する駐在員として赴任したのですが、立ち上げ時は部下がおらず「トレーディング事業に必要な仕事を担うチームメンバーを現地で採用してプロセスを作ること」が最初のミッションでした。
人事や採用の経験はなかったのですが、上司と立ち上げメンバーとみんなで力を合わせて、手探りながらも一緒に働きたいと思える人を探しました。あの頃は使命感でいっぱいで、リーダーになることに対して気負っている余裕もありませんでした(笑)。
Q.7 リーダー職についてから大変だったことはありますか?
大きな組織の中で働いた経験しかなかったのでプロセスを1から作ったことがなく、上司や同僚と1つずつ相談しながら進めていきました。当時はコロナ真っただ中で、同僚全員が在宅勤務の中、朝から晩までオンライン会議が続いて、大小様々な議論を平行して進めていくことも大変でした。
ですが、いい意味では今も「自分はリーダーだから」と特別に考えることはあまりありません。むしろ、人が1人でできることはとても少ないと思っているので、足りない部分をお互いに補完し合いながら進めていけるチームメンバーには本当に感謝しています。
Q.8 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
経理職だった前職時代は、自分がこなす業務の範囲がきっちり決まっていましたが、大阪ガスはやりたい仕事に対して挙手できる組織風土があるので、任せてもらえる範囲が増えた時は嬉しいですね。
また、リーダーとしてはやはり「山本さんがいてくれて助かった」と言ってもらえた時にやりがいを感じます。私自身も言葉にして伝えることの大切さを現地のチームメンバーから教えてもらいました。お互い言葉にして伝えることで気付けることもあるし、喜びを感じられる時もあります。チームメンバーと一緒に成長していく感覚を持てるのは、リーダーならではの楽しさでもあるのかもしれませんね。
■挑戦が成果に繋がる組織風土が、よい循環を生む
Q.9 1日のタイムスケジュールを教えてください。
朝は子どもたちと一緒に出かけるので出社は早めです。資源トレーディング部のミッションは「広く国内外に競争力あるLNGを安定的に提供し、社会の環境性と利便性の向上に貢献する」こと。この大きな目標を実現するため、日本の本社とシンガポール、ロンドン、ヒューストンなど、海外の拠点で働くメンバーのみんなとリレーを繋いでいくような仕事をしています。
エネルギー業界は日々の価格変動も大きいので、基本的に毎日拠点間でのミーティングがあります。会計や税務の知識が活かせる瞬間も多く、楽しく働いています。金額が大きく動く事業でもありますので責任はありますが、ライフワークバランスも大切にしたいので、できるだけ19時台には帰宅して、家族みんなで夕ご飯を食べるようにしています。
Q.10 仕事で大切にしていることを教えてください。
日々、環境や状況が大きく変わる中で、 周囲のメンバーとしっかり情報共有をすることを特に大切にしています。みんなで同じ方向を向いてプロジェクトを進めるためにも、メンバーそれぞれが何を考えているのかを知ることは大切です。仕事の仕方も、考え方にも正解はないので、それぞれの意見を受け止めるようにしています。
ですが何よりも大切にしているのは、一緒に働く皆さんを大事にすること。「このひとと一緒に働きたい、一緒に何かを成し遂げたい」と感じられる人がまわりにたくさんいたらチームとしてのアウトプットも増えていくと思いますし、私自身もそう感じてもらえたら嬉しいです。
仕事の話ばかりではなく、ランチタイムにはメンバーと一緒に外に出て、時折プライベートな話も共有したりしています。
Q.11 お休みの日は何をされていますか?
子どもは高校生・中学生なのでそれぞれの予定があることも多く、一人で買い物にいったり、のんびりと時間がかかる料理をしたり、友達とランチに出かけたりしています。今も読書が好きで、図書館に行くことも多いです。読書を通して現実世界では体験することができない人生や出来事を知るのは、何歳になってもワクワクします。
Q.12 何歳まで仕事をしたいですか?
人生100年時代というほどですから、自分も長く働きたいなと思っています。父は70歳過ぎでも現役。仕事で求められる資格の勉強をコツコツと続けて取得しているのを見ていると、やる気があればなんでも続けられるんだなあと応援してもらっている気持ちになります。そのためには健康でいることも大切だと思うのですが、なかなか運動のための時間を確保できないので、今はとにかく歩数を稼ぐことに集中しています!
Q.13 今後の展望を教えてください。
リーダーの仕事をするようになってからは、チームで力を発揮するためにどんな環境を整えればいいのかについて考える時間が増えました。シンガポールで新しい組織をチーム一丸となって立ち上げたときに、安定した良い循環を生み出すのは組織風土であることを改めて実感したからです。
みんなの成果が集まって、ビジネスの結果に繋がるわけですから、社員1人1人が組織の一員であることを自覚できること、自信を持って自分のタスクに取り組める環境であることが大切です。
弊社の掲げるグループマインドの1つに、進取の気性という言葉があります。いつでも新しい挑戦ができるからこそ、自分の成長がそのまま組織とビジネスの成長に繋がる。そのことをみんなが実感できる組織を作っていきたいです。
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