

「ミヤゲン・トレイル・エンジニアリング」宮﨑正紀さん 実証の信頼で本格派の需要をつかむ

「ミヤゲン・トレイル・エンジニアリング」は宮﨑正紀さんが22年に立ち上げた〝強く、軽い〟が持ち味のアウトドアブランドだ。約4260キロにも及ぶ、米国の長距離自然歩道、PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)を歩き切った宮﨑さんのフィールドテストをベースに企画するギアが本格派の需要をつかんでいる。
(森田雄也)
4260キロ歩く
宮﨑さんは愛知県生まれ。実家は愛知県岡崎市の地域酒屋、宮源酒店。酒屋を営みながら父親がエンジニアをしていて、ロボコン大会にも出場。宮﨑さんはそれを手伝っていた。工業高校に行き、大学も理系に進学。応力の解析や材料力学などを学んでいた。
大学3年生の時に休学して、いわゆる〝ママチャリ〟で日本一周を目指す。愛知県を出発し、北海道をぐるっと一周して、沖縄、九州、四国まで行った。途中で漁師兼食堂で住み込みのバイトをするなどで旅費を稼ぎ、約8カ月かけて日本を一周した。
その後日本一周の時に知り合った大手アウトドアメーカーに縁があって就職。商品開発として7年程勤めて、夢だったPCTに出るため退職。22年4月に渡米した。食料や水が尽きたり、ピューマやヘビ、クマなどに遭遇し、死の危険を感じたこともあった。メキシコ国境からカナダ国境まで6カ月かけて横断。4260キロを歩き終え、夢をかなえての帰国後は、実家の宮源酒店を拠点に、ミヤゲン・トレイル・エンジニアリングを始動した。

2グラムのホイッスル
コンセプトは「より遠くへ行ける」。様々なトレイルで少しでも歩を進めるのをサポートするアイテムを展開する。人気の一つはホイッスルだ。

3Dプリンター製で、断面は飛行機の翼のような曲線を描き、空気の流れを整えて音を引っ張り出す。2気室にすることで、音が振動し聞き取りやすくなるのも特徴だ。2グラムと超軽量ながら、120デシベルの音が出る。「熊対策や遭難などエマージェンシー用に持ち歩く」などの需要があり、「消防士や山岳救助隊などが購入していくこともある」という。税込み1430円、蓄光タイプ1760円。
手ぬぐいもイチ押し。「TO TRAIL TO TOWN」という文字が浜松注染で入っている。PCTではヒッチハイクが必要になるため、視認性が高く、折りたたんで「山へ」「街へ」と使い分けられる手ぬぐいは非常に重宝したという。
PCTに自作して持って行った40リットルのバックパックをベースに開発したバックパック「クレスト40」(6万6000円)は24年に販売。3DCAD(コンピューターによる設計)による立体パターンで、高いフィット感を生み出す。体のねじれに追従する独自のフレーム構造は肩と腰回りの荷重を分散する。受注販売している。

現在は30リットルのバックパックを開発中で、今後量産するため調整中。20リットルは現在試作中だ。
ほかにも、隠れ5本指になっているセパレートタイプのウールや和紙糸使いの靴下は指同士の摩擦を軽減するので、指間の汗を効率的に拡散することで水膨れのリスクを抑える。
物作りはアイテムやロットによって自社生産と外注を使い分ける。
ブランドは現在国内・海外の小売りへの卸販売とEC販売の両軸で行っている。購入するエンドユーザーは30、40代の本格派のギアを求める男性が多い。
今後も「自分でフィールドテストして、ロングトレイルで信頼される道具を作っていきたい」と話す。新作アイテムとしてテントや冬道具などの開発を検討する。
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