

《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》「トリコテ」 ニットの可能性を生活に広げる

ニットのテキスタイル雑貨を扱う「トリコテ」は、魚谷勇人さんが11年に設立したKnot(ノット)のブランドです。靴下や洋服にとどまらずバッグ、クッションやラグ、照明といったインテリア雑貨を商品化し、全国の百貨店やセレクトショップへの卸売り、自社直営店とECで販売しています。
「なぜ?」が原点
魚谷さんは武蔵野美術大学を卒業後、エイ・ネットに入社。デザイナーとして経験を積み、先輩や上司から「現場に行け」と繰り返し言われて足を運びました。職人と話して物が形作られることを直に学び、仕事に生かしてきました。職人の力をを信頼してクリエイションを組み立てる姿勢は、この頃に自然と身に着いたそうです。それは「自分にとっての財産」になりました。
自身を「何事にも『なぜ?』『どうして?』と考えるタイプ」という魚谷さんは、「川上から川下まで知りたい、色々な業務をやりたい」思いに駆られたそう。会社で担当する範囲は限られていたこと、いつか自分のブランドをやりたい思いもあり、退社。独立後に出会ったニット工場が魚谷さんのアイデアに賛同し、多品種少量生産に応じてくれ、ニットをテキスタイルとして届けるトリコテを立ち上げました。一般的にニットと聞くと、セーターをはじめ洋服の素材と捉えられます。しかし、魚谷さんは既成概念を越えて、ニットを生かしてライフスタイルプロダクトを作るスタンスで始めました。

顧客との関係深める
ブランドを認知してもらうにはリアルな場所が必要と考え、16年に直営店をオープンしました。さらに、お客をよく知らないとブランドが大きくなれないと考えて、19年に東京・祐天寺駅から徒歩10分の場所に「TRICOTÉ ONEROOM」として移転リニューアル。マクラメ編みのカップホルダー作り、靴下をカスタマイズするワークショップ、靴下展なども開催しています。顧客との接点を増やして関係を深め、ブランドのファンになってもらうこと、コミュニティー作りを大事にしています。物作りへのこだわりや、その背景を十分に伝えきれていないことを課題と捉え、ブログやメルマガでの発信にも力を入れています。


魚谷さんはデザイン企画にとどまらず、営業、生産、ウェブ、経営まで何でも自分でやってみて、得意ではないことは他の人の力も借りて、実現してきました。ブランドを続ける中で、現在はニット以外の素材を使った商品も制作しています。これからの自分たちの物作りを守るためにも、日本の産業や工場を支えたい、つながりを広げて盛り上げたい思いがあります。ブランドを超えた活動にも挑戦していきたいそうです。
■ベイビーアイラブユー代表取締役・小澤恵(おざわ・めぐみ)
デザイナーブランドを国内外で展開するアパレル企業に入社、主に新規事業開発の現場と経営で経験を積み、14年に独立、ベイビーアイラブユーを設立。アパレルブランドのウェブサイトやEC、SNSのコンサルティング、新規事業やイベントの企画立案を行っている。
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