

〝調理〟の概念が変わる可能性 主役になる厨房機器

厨房(ちゅうぼう)機器や調理機器の開発、市場拡大が目覚ましい。商談イベントで増えたと感じたのはおにぎり調理器だ。調理者の技術力に関係なく小規模でも展開でき、利便性が高い。また、電力や水を使わず水素で調理する環境に配慮した調理機器も話題となっている。
環境配慮も重要に
厨房機器は、人手不足や人件費削減の課題解決に期待されている。昨今では、機器で料理を作る様子をあえて見せて集客につなげる手法もあり、大阪・関西万博でも調理を支援するロボットが注目を集めている。
「大阪・関西万博」では、仕上げのソースをかけ客前にたこ焼きを提供する「たこ家道頓掘くくる」のお助けロボットが話題だ。落とさないように丁寧に持ち上げ提供する。ソースにむらもなく確実性が高い。スイス館では、金箔(ぱく)などの可食食材を動力に動くケーキが実現している。
テックマジックの調理ロボットも万博やスーパーマーケットで活躍している。同社開発の機器では、各お総菜メニューのレシピを機器に事前設定すると、ロボットが自動で調理する。人間はタッチパネルの指示に従い具材を投入するだけだ。火力や鍋やヘラの回転方向を自動調整してくれるため、誰が調理しても同じ味が再現可能だという。
そのほか、アスティナの食品向けAI(人工知能)異物除去装置は、AIが異物を発見し瞬時に除去する。人の目で選別するより確実で漏れが無いそうだ。中西製作所は、調理向け専用水素バーナーを用いた水素燃焼型の調理機器を開発。燃焼の際に酸素と結合して水蒸気が発生する水素燃焼の特徴を生かし、食材表面をカリッと中はジューシーに仕上げる。燃焼の際に二酸化炭素が発生しないため、環境配慮に優れ、更に無臭であるためガス調理より食材本来の香りや味を保持するとしている。
演出にも一役
昨今のトレンドとして、これまで裏方の役割であった厨房機器をあえて表舞台に出す傾向がある。飲食店では店内演出として〝調理〟を客席に見せている。前出のテックマジックの機器は、スーパーマーケットにも設置されており、客が購入した材料キットを自ら機器に入れてスイッチを押すと料理が完成。スーパ―内のイートインスペースで作りたての料理が食べられるというわけだ。平均調理時間は2~3分と、電子レンジ調理並みだ。
厨房機器は従来の「省力化」の目的にとどまらず、環境対応、エンターテインメント、集客戦略など役割を広げている。家庭料理の概念を変えつつ、食環食や私たちの食体験をも変える存在になっていくだろう。
(日本食糧新聞社/トータルフード・小倉朋子)
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