

ラーメンの厳しい実情 「千円の壁」の打破を

庶民の味方
国民食のラーメンだが、店舗運営は厳しいようだ。24年のラーメン店の倒産件数(負債1000万円以上、法的整理)は過去最高の72件(帝国データバンク)だった。人件費や光熱費、スープから麺、具材の全て原材料コストなど軒並み高騰する一方、値上げに踏み切れず閉店の道を選ぶ店も少なくない。
一方で、「ラーメンは庶民の味方」といった〝常識〟が根強く、千円は超えにくいという、いわゆる「千円の壁」がある。民間調査会社によると「千円超えのラーメン」には9割以上の人が高いと答えており、値上げしたら食べる頻度が減るとの回答は7割にのぼる。これでは店舗側は価格転換しにくいだろう。
しかし考えてみれば、同じ麺業界でも、蕎麦(そば)は、ワンコインの店から、お酒を楽しみながら過ごす客単価万単位の店もある。ハンバーガーも、ファーストフードからグルメバーガーまですみ分けができている。ラーメンだけが不可能な道理はない。実際海外ではラーメン一杯が日本円にして数千円は当たり前だ。日本でもインバウンド向けの店では数千円超もある。
定番からの脱却も
ラーメンが価格幅を広げにくい背景の一つがカップラーメンの存在ではないだろうか。クオリティーの高さに反比例して安価なため日常食化している人が多く、外食においても無意識に高値への抵抗が出ているのではないか。
また、ハンバーガーに関しては、一般的に「肉=高値」といった価値観があるのだと思う。さらにハンバーガーは、ボリュームや高級食材など、〝視覚的に〟豪華さを出しやすい。
さらに食べ方だ。蕎麦屋もハンバーガーも、料理、店舗の雰囲気、サービス形態などが価格帯で明らかに異なるため、価格幅に対して消費者の違和感は生まれにくい。
最近、1000円の壁の策として、店やコンビニで麺とスープだけでの「素ラーメン」を出し始めた。「かけそば」「かけうどん」があるのだから「かけラーメン」があっても良いのだ。ラーメン業界もバリエーションを増やして消費者の価格の選択肢を増やすことで互いの意識も変わってくるだろう。
また、コンサルタントの筆者の立場から見ると、これまでラーメン店は、ラーメンの中身にこだわって作る傾向にあり、外食産業としての店舗展開にあまり視野を広げていなかったように思う。「カウンター席」「丼ぶりと箸とレンゲ」「提供が早い」という定番スタイルから抜け出すことも必要ではないだろうか。
(日本食糧新聞社/トータルフード・小倉朋子)
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