

《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》「THURIUM」 得意を生かし、苦手は力借りて

デザイナーが中心になって少人数で運営するブランドは、物作りと経営面の両立が課題と聞きます。レディスウェア「THURIUM」(スリウム)は、デザイナーの及川絵美さんが16年春夏にスタート。国内20店の卸売先と、百貨店などの催事や自社ECで販売しています。一人で運営し、事業を成長させている要因を聞きました。
外部の協力を得る
及川さんは、自分が得意なことと苦手なことを明確にして周囲に伝えます。できないことをくよくよ悩まずに周りの人に話し、人や企業を紹介してもらいながら協力者を得ているそうです。経理や生産管理は苦手分野と認識して外部委託しています。当初は生産管理も自分で担いましたが、発注量のミスで工場に迷惑をかけた経験を機に、外部の企業と協力して二重チェック体制を整え、ミスを削減しました。また、PRや営業の一部を専門家に任せ、商品の発送業務も委託しています。
こうした工夫でより多くの時間を商品企画や市場調査に充てられ、結果的に売り上げも伸ばすことができました。ブランドの運営に何が大事かを考え、経費の負担は増えても社外の力を借りる選択肢を選びます。
商品作りでは、お客のニーズに合わせること、ブランドの成長と及川さんがやりたいことをエッセンスとして取り入れるバランスが大事だと考えています。
立ち上げ当初は、サテンを使用したドレープ感のあるドレッシーなアイテムが中心でした。市場の変化に加え、及川さん自身が結婚と出産を経て、自分の年齢に合った背伸びをしなくて良いブランドにしたいと思うようになりました。普段使いしやすい綿100%の生地を使うことが増え、ウールや麻といった天然素材も使います。
価格帯と品質を維持しながら適正価格を実現するため、サンプル制作時に効率化できるところを見極めることも大事な要素です。

原動力はお客の声
事業継続のモチベーションの一つはお客の声です。アパレルブランドの販売員の経験がある及川さんは、接客や営業が好きという強みがあります。取引先の店舗で接客し、バイヤーと直接話すことで、足りていない点や評価されている点をしっかりと理解し、次の商品企画につなげます。また、工場や生地屋の担当者から提案される素材や技術に対して、アイデアをキャッチボールすることも刺激になって、作りたい意欲にかられるそうです。

今後10年でやりたいことは子供服です。子供が生まれたことがきっかけでその魅力に気付きました。また、事務所兼ショップの開設を目標に掲げています。
■ベイビーアイラブユー代表取締役・小澤恵(おざわ・めぐみ)
デザイナーブランドを国内外で展開するアパレル企業に入社、主に新規事業開発の現場と経営で経験を積み、14年に独立、ベイビーアイラブユーを設立。アパレルブランドのウェブサイトやEC、SNSのコンサルティング、新規事業やイベントの企画立案を行っている。
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