＜Re:ゼロ＞レグルスの権能のカラクリを解き明かすも窮地に… レグルス戦の結末はいかに

TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(毎週水曜夜23:30ほか、TOKYO MX・AT-Xほかで放送／ABEMA・dアニメストア・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)の3rd season「反撃編」、第62話が2月26日に放送された。レグルスの権能のカラクリを解き明かしたスバルとエミリア。ついに最期を迎えたレグルスに、視聴者からは様々な別れの言葉が寄せられた。(※以下、ネタバレを含みます)

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「Re:ゼロから始める異世界生活」

「Re:ゼロから始める異世界生活」は、2012年4月からWeb小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が始まり、2014年1月からMF文庫J(KADOKAWA)で刊行されている長月達平による小説を原作としたアニメ。突如異世界に召喚された主人公のナツキ・スバルが、死ぬと時間が巻き戻る“死に戻り”の力を駆使して、大切な人々を守るために過酷な運命に立ち向かっていくダークファンタジーだ。

これまでに、1st season(全25話)が2016年4月から9月、2nd seasonの前半(全13話)が2020年7月から9月、後半(全12話)が2021年1月から3月にかけて放送されたほか、OVA2作品が劇場公開された。

2024年10月2日から始まった3rd seasonは、「聖域」の解放から1年が過ぎ、平穏な日々を送るスバルたちのもとに王選候補者の一人アナスタシアから水門都市プリステラへの招待状が届くところから始まる。アニメーション制作はWHITE FOXが担当。監督を「トラペジウム」などの篠原正寛、シリーズ構成を「Free！」「はたらく魔王様！」などの横谷昌宏が務める。

ついにあふれ出すレグルスへの”本音”にファンからも共感の声

ライオンの姿をした獅子座のちょうど胸のあたりで輝いている恒星、レグルスはラテン語で「小さな王」、別名のコル・レオニスは「獅子の心臓」を意味する。

レグルス(CV:石田彰)の心臓が動いていないことを確認したスバル(CV:小林裕介)は、レグルスの権能が“無敵化”ではなく、“時間停止”であることを突き止めた。体の時間が止まっているということは、体が変化をしないということ。レグルスがあらゆる攻撃を無傷でやりすごす理由は、それで説明がつく。さらには、そのカラクリにレグルスの花嫁たちが関係していると考えたスバルはエミリア(CV:高橋李依)を彼女たちのもとに向かわせるのだった。

エミリアが半壊した聖堂に戻ってくると、花嫁たちは未だ整然と座ったままだった。エミリアはレグルスを倒すための協力を仰ぐが、花嫁たちは力を貸そうとしない。レグルスに逆らえば、どうなるかを知っているからだ。故郷も、家族も、名前も、笑顔も奪われ、唯一残された大事なもの。それは命。彼女たちにとっては自らの命を守るため、レグルスに従順でいることそのものが戦いだった。それでも、エミリアは彼女たちが全身で発するSOSに気づいていた。

「だから助ける。そのために、あなたたちも、私を助けてほしいの」

エミリアの必死の説得に、それまで拒絶していた184番(CV:古賀葵)の心がついに動く。何かを決意したかのように、他の花嫁たちのもとへ行き、「――あの男のこと、好きな人はいる？」と問う。すると、花嫁たちは「嫌い」「ずっと嫌だった」「頭がおかしい」「話が長くて回りくどい」と口々にレグルスへの不満を爆発させるのだ。ついに本音を明かせた彼女たちに視聴者から「火力が高い」「ボロクソに言われてて笑っちゃった」「日頃の行いのせい」という共感の声が多数上がった。

184番は花嫁たちの気持ちが一致していることを確認し、エミリアに“シルフィ”という本当の名前を明かし、レグルスを倒すために協力すると告げる。そんな中、微精霊との会話であることに気づくエミリア。シルフィの心臓はレグルスの擬似心臓に寄生されていた。

エミリアの窮地を救った意外な人物

その頃、レグルスを相手に時間稼ぎしていたスバルは追い詰められていた。しかし、それはある種の作戦。スバルが予想していた通り、勝ちを確信したレグルスは「僕の大事な心臓は妻たちに預けてある。でも、妻たちが誰の心臓の所有者か、僕にも当の妻にも自覚がないのさ」と、権能のカラクリをベラベラと明かす。つまり、レグルスを倒すには花嫁全員の心臓を止めなければならない。花嫁たちは自らの命を犠牲にレグルスの心臓を止めようとするが、エミリアがそれを制止。氷の魔法で花嫁たちを氷漬けにし、その心臓を一時的に停止するのだった。

その後、スバルと合流したエミリアはすぐさまレグルスに攻撃を仕掛ける。だが、未だレグルスが無傷なことや心臓への違和感から、レグルスの擬似心臓の寄生先はエミリア自身の心臓だと確信。レグルスは勝ち誇り、エミリアを殺してみろとスバルに迫る。さらには、放送で魔女教大罪司教『怠惰』担当ペテルギウス・ロマネコンティを打ち破ったと話していたスバルに「あんな出来損ないを殺したぐらいで僕に勝てるとか勘違いしたんなら御愁傷様だよ」と言い放つレグルス。

その瞬間、スバルはペテルギウスを倒したことで継承し、2nd seasonで発現させたインビジブル・プロヴィデンス――「見えざる手」を思い出すのだった。そして、スバルは意を決し、その能力でエミリアの心臓に寄生するレグルスの擬似心臓だけを破壊しようと試みる。そんなスバルの後ろには、ジュースの幻影が。エミリアは「なんだ。そこにいたんだね、ジュース」と微笑みかける。まるでスバルとジュースが共にエミリアを助けようとしているようなシーンに、思わず涙が出そうになった。

最後はレグルスとラインハルトの“一騎打ち”に！

スバルはレグルスの擬似心臓だけを破壊することに見事成功。レグルスの『獅子の心臓』は心臓を止めている間、自分の体や触れた物の時間を停止させる権能だ。しかし、心臓を止めるのには限界があるため、もう一つの権能『小さな王』で擬似心臓を他者に預けることで制限を回避していた。つまり今は誰にも擬似心臓を預けていない状態のため、無制限に時間を停止することはできない。そのため、エミリアは際限なく攻撃を加え、レグルスをボコボコにする。

追い詰められたレグルスはエミリアとスバルに「2対1は卑怯だ」と主張。その必死ぶりにスバルは呆れながら空を仰ぐと、あるものが目につく。そしてスバルがニヤリと笑みを浮かべ、「そうだな。騎士が戦うのが道理だ。だから、またになっちまうが――最後は任せる」と告げると同時に、空の彼方へ投げ飛ばされたはずのラインハルト(CV:中村悠一)が登場。レグルスは抵抗する間もなく、ラインハルトの剣によって上空へ打ち上げられる。

そんな状況下でも頭の中で自己憐憫の言葉ばかりを並べていたレグルスはラインハルトに地上に叩き落とされ、そのまま地面へとめり込む形に。そこに大量の水が流れ込み、意識が徐々に遠のく中、幼い頃のエミリアに出会っていたことを思い出したレグルス。エミリアもどこかでレグルスに会ったような気はしていたが、ついには思い出すことなく、レグルスは溺死する。

最後の最後まで哀れだったレグルスに、視聴者からは「見ててスカッとした」「最後まで哀れで救いようのない男だったな」「因果応報」という感想が上がる一方、「ちょっとだけ可哀想って思ってしまった」という同情の声や、2nd seasonから振れ幅が大きいレグルスの感情を見事に表現してきた石田彰に「それにしても石田彰さんすごかった」「石田さん、お疲れ様でした」「レグルスの声優が石田彰で良かった」と労う言葉が寄せられた。

レグルスを倒した後、エミリアは氷漬けにした花嫁たちの元へ。氷が溶けると仮死状態だった花嫁たちは無事に目を覚まし、ようやくレグルスの支配から解放された喜びを分かち合う。場面が変わり、屍兵となった妻・テレシアと対峙するヴィルヘルム、そして肉塊から這い上がるガーフィール。残された戦いの決着はいかに。

■文／苫とり子