＜薬屋のひとりごと＞「たくさんのキノコに囲まれて幸せそう…」毒茸の調査にウキウキが止まらない猫猫に視聴者もほっこり

2025.02.28 10:00

日向夏の小説を原作とする後宮謎解きエンターテインメント、アニメ「薬屋のひとりごと」(毎週金曜夜11:00-11:30ほか、日本テレビ系／ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第27話「冬人夏草」が1月24日に放送された。今話では、中級妃の死の真相を突き止めるため、壬氏(CV.大塚剛央)の命を受けた猫猫(CV.悠木碧)が毒茸の調査を開始。茸に囲まれ幸せそうな猫猫に、多くの視聴者が癒やされていた。物語終盤には「カエンタケ」と思しき毒茸が登場し、Xでは一時カエンタケがトレンド入り。リアルタイム視聴するファンの熱量の高さがうかがわれた。(以下、ネタバレを含みます)

茸調査の依頼に胸を高鳴らせる猫猫

年季明けと結婚を間近にした女官が行方不明になったと、やぶ医者／虞淵(CV.かぬか光明)から聞いた猫猫。そんなおり、猫猫は壬氏から後宮に生えている毒茸を調査するように依頼を受ける――。

人の手があまり入っていない北側の雑木林へ向かった猫猫は、たくさんの茸が生えているのを見て大興奮。ふと、周辺にツンとする異臭が漂っていることに気づくが、汚水が漏れ出て茸の栄養になっているのだろうと考える。カゴがいっぱいになるほどの茸を収穫し、翡翠宮に戻った猫猫。汚れきった服とひどい臭いは侍女たちが顔をしかめるほどだったが、猫猫の表情にはどこか満足感がにじんでいた。

ふだんは冷静だが、興味のある物事に対しては、人並み外れた純粋さと集中力を発揮する猫猫。茸に囲まれて歓喜する姿に視聴者も癒やされたようで、SNSには「たくさんのキノコに囲まれて幸せそうな猫猫かわいい」「猫猫ちゃんが楽しそうで何より」と温かいコメントが寄せられた。

女官の失踪と中級妃の死を繋げるもの

茸調査を終えた猫猫は、紅娘(CV.豊口めぐみ)に同行し、食中毒で亡くなった中級妃・静妃(CV.熊谷海麗)の葬儀へ向かう。紅娘によれば、静妃は他の妃や女官への嫉妬が激しく、立場の低い相手には暴力を振るうこともあったという。公主(ひめ)を身ごもった玉葉妃(CV.種崎敦美)が毒を盛られた際も、静妃に疑いの目が向けられたとのこと。

静妃の言動、食中毒での死、壬氏からの毒茸調査の依頼。その依頼を玉葉妃と紅娘から離れた場所で受けたことも思い出し、猫猫は壬氏が「静妃を毒茸で殺害した犯人が翡翠宮の人間ではないか」と疑っているのではないかと考えるのだった。

葬儀では宗妃(CV.赤崎千夏)が乱入し、静妃の顔を覆っていた布をはぎ取るという騒ぎが起こる。下級妃だった宗妃は、裕福な商家の娘で気立てがよく帝からのお通りもあったそう。しかし、謎の病にかかり妃の座を降ろされた。宗妃は病の原因が静妃にあると考えていたようだ。これらの背景と静妃の遺体の様子から、壬氏が探し求めていたものを悟った猫猫は、ふたたび後宮北側の雑木林へ向かうのだった。

雑木林で見つけた赤い茸は、触れただけで肌がただれ、ひと口食べれば致死量に達する危険な代物だ。その出所を探していたのではないかと問われた壬氏は、猫猫の察しの良さに感心する。壬氏は、静妃は誰かに毒を盛ろうとして誤って触れ病にかかり、気位が高い妃ゆえ、耐え切れずに毒茸を口にして自殺したのだろうというが、葬儀場で見た静妃の遺体の腫れがまだ新しく、毒茸に触れたはずの手がきれいだったことに疑問を抱き、壬氏に再調査を申し出る。

ドロドロの愛憎劇の中で猫猫と壬氏のやり取りが癒しに

それから数日後。猫猫は後宮内で聞き込みを行ったのち、高順たちを連れて雑木林へ向かう。においと茸を頼りに地面を掘ってみると、布に包まれ白骨化した“静妃”と思われる人物の遺体が現れた。殺害か事故かはわからないが静妃はすでに死んでいたのだ。本物は林に埋められ、別人が静妃になりすましをしていた可能性を話す猫猫。行方不明になった女官と静妃は、顔も背格好もよく似ていたという。静妃の侍女たちと共謀し、妃の身代わりをしていた女官は、なぜ殺されたのか。猫猫の頭に憶測がよぎるが、動機づけはお偉いさんに任せればいいとその考えを打ち消すのだった。

行方不明になった女官、食中毒による静妃の死、壬氏の思惑、葬儀での騒ぎ。いくつもの点が繋がって線となり、真相にたどり着く巧妙な展開が話題を呼んだ今話。後宮という女の園で繰り広げられる泥沼劇に戦慄した視聴者も多く、SNSには「妃同士や妃と女官の人間関係の闇が深い」「後宮ドロドロしてるよ～、こわいよ～」「宮廷の華やかさと権力争いはやっぱりセットなんだな」などの声が上がっていた。

後宮の闇の深さが描かれる中で、視聴者の癒しとなったのが、猫猫が壬氏に収穫した茸を没収される場面だ。死体に生えた茸を食べるのかと壬氏に冷ややかな視線を向けられ、猫猫はあわてて釈明するも、壬氏は茸を全て没収。このユーモラスなやり取りに、SNSも「猫猫の扱いがどんどんなれていく壬氏様」「きのこを没収された猫猫もかわいかった」と大いに盛り上がっていた。

※種崎敦美、赤崎千夏の崎は、正しくは「たつさき」

◆文＝帆刈理恵(スタジオエクレア)