

【ファッションとサステイナビリティー】丸井グループのパンプス「ケソウ」 循環型の物作りと履き心地を両立

丸井グループが目指す姿は「社会課題解決企業への進化」にある。社会貢献と利益の二項対立を乗り越えるというビジョンを掲げて、企業文化の変革によってイノベーションを創出する。「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」というインパクト(社会への影響)の実践であり、それを実現するために、すべてのステークホルダーとの共創を通じて、社会課題解決型ビジネスの芽を育て、全社的に推進する。
社会課題の解決へ共創
循環型の物作りの代表例となるのがパンプス「ケソウ」だ。プロジェクトがスタートしたのは19年10月で、「履きやすく、疲れにくいおしゃれなパンプスが欲しい」という顧客の声から着想した。既存のPBラクチンきれいシューズ「ヴェリココ」の顧客座談会やモニター会の声を起点に、サステイナビリティーと履き心地を両立させた。「初めにサステイナビリティーありきでなく、当社グループが培ってきたアセットをバージョンアップさせて、社会課題の解決に向けて共創することで、これまで存在していなかった新たなビジネスモデルの創出を目指した」(塩田裕子丸井グループ執行役員サステナビリティ部長兼ESG推進部長)という。21年秋にクラウドファンディングで立ち上げた。

最大の特徴はアッパー(甲の部分)にペットボトルの再生糸100%を使用したこと。再生糸をニット地にし、足を優しく包み込むようにした。さらに立体形状のカップインソールでフィット感を高めたほか、アウトソールに天然発泡ゴム、中敷きにリサイクルポリウレタンを使う。一般的なスニーカーの約半分の重さで、疲れにくい履き心地を実現した。再生糸は北千住マルイ(東京)で使用済みペットボトルを回収して原料としている。
使われている素材はサステイナブル率が75%に達する。強度を維持するための一部パーツなどを除くと、ほぼ100%の水準になるが、さらに取引先と改善を続ける。物作りはデザイナー、製造委託先、さらにペットボトル回収、試着などに協力してもらった顧客との共創で成立した。

オンラインをベースに
ヴェリココと同様に19.5~27センチの16サイズで選択肢を広げる。ヒールは1センチ、1.5センチ、4センチ、ブーツの計7型を揃える。1万2800円、1万3500円(税込み)。ほぼ100%の日本人女性の足をカバーし、サイズが大きい人も小さい人も全ての人に楽しんでもらえるインクルーシブな靴を提供する。
生産から販売までの全てのプロセスを見直し、「在庫は出来る限り持たない」(塩田執行役員)というビジネスモデルを構築した。販売はオンラインがベースで、自社ECが7~8割を占める。店頭在庫を持たないことで、多サイズによる在庫ロスなど効率の課題を解決した。SNSでの情報発信が主体で、単なる販促ではなく、ブランドのストーリーやサステイナブルな暮らし方を顧客と共有する。

実店舗は有楽町マルイ(東京)だけで、丸井の他の店舗や、他社のSC、百貨店などで期間限定店を積極的に出店する。全サイズを自由に試し履きでき、足形を計測するサービスを提供する。新規のタッチポイントや顧客の体験価値の向上につなげている。

ケソウが目指す社会に与えるインパクトは脱炭素社会とサーキュラーエコノミーの実現であり、「お客様一人ひとりの『好き』や自己実現を応援すること」(塩田執行役員)と新しいライフスタイルの創造、拡大につなげる。
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(繊研新聞本紙25年1月28日付)
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