藤ヶ谷太輔の主演作、ビートルジュースもある!愛と謎解きと不思議がいっぱいの【9月の超厳選映画6選】
9月は日本映画の話題作がいっぱいで厳選するのに苦労しました! 洋画は超個性的な必見作を2本チョイス、邦画も合わせて全部で6作品、ぜひお楽しみください。※サムネイル画像:(C)2024「傲慢と善良」製作委員会
2024年9月公開作は謎解きやサスペンス、ラブストーリーなどさまざまなジャンルの映画が集まりました。映画ライターの筆者がおすすめしたい作品を超厳選して6本ご紹介します!
1:『スオミの話をしよう』(2024年9月13日公開)
三谷幸喜が監督を務める、長澤まさみ主演のミステリーコメディー。詩人の妻・スオミ(長澤まさみ)が行方不明に。詩人の屋敷に集まったのは、彼女の元夫たち。彼らはスオミの思い出を語りながら、彼女の居場所を突き止めようとしますが……。
舞台は詩人の屋敷で、夫たちの回想シーンにスオミが登場するという展開。舞台的な設定で実に三谷幸喜監督らしい作品といえます。
夫たちに合わせて自分を変身させていたスオミと夫たちの愛をめぐる物語が実にユニーク。ミステリーかと思いきや最後はミュージカル? 西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一など夫たちのキャストも豪華です!
監督:三谷幸喜
2:『あの人が消えた』(2024年9月20日公開)
人気ドラマ『ブラッシュアップライフ』の水野格監督が演出と脚本を担当したミステリーエンターテインメント。
配達員の丸子(高橋文哉)は、人が消えるとうわさの奇妙なマンションの担当に。ある日、WEB小説の作者・小宮(北香那)の部屋に配達をした際、彼女が同じマンションの男(染谷将太)にストーカーされているのではないかと疑いを持ちます。彼は会社の先輩(田中圭)と一緒に密かに調査を開始するのですが……。
丸子と職場の先輩とおかしな住人たちによるコミカルな展開に油断していたので、真相にびっくり! さまざまな要素がいっぱい詰め込まれているのに観客を混乱させずに乗せていく演出、数々のミステリーサスペンス映画のアイデアをいただきながらもオリジナルに昇華させた脚本がお見事! 水野監督の手腕に拍手です。
監督:水野格
3:『ビートルジュース ビートルジュース』(2024年9月27日公開)
ティム・バートン監督の大ヒット作『ビートルジュース』が36年ぶりに復活し、続編として登場!
死後の世界に住むビートルジュース(マイケル・キートン)はかつて愛したリディア(ウィノナ・ライダー)が忘れられずに悶々としていました。しかし、リディアの娘のアストリッド(ジェナ・オルテガ)が死後の世界にとらわれてしまったことをきっかけに、リディアはビートルジュースに助けを求めることに!
ティム・バートン監督の遊び心満載! キモかわいいキャラクター、ゴスな美術、闇の世界をおしゃれに楽しく魅了することについてバートン監督の右に出る者はいません。マイケル・キートンが嬉々としてビートルジュースを演じているのもほほ笑ましい限り。独特な世界観だけど、ホラー遊園地のような楽しさ。おすすめです!
監督:ティム・バートン
4:『Cloud クラウド』(2024年9月27日公開)
黒沢清監督と菅田将暉がタッグを組んだ映画『Cloud クラウド』。第97回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に選出された話題作。
町工場に勤務しながら転売ヤーとして働く吉井(菅田将暉)は、郊外の湖畔に家を借り、恋人の秋子(古川琴音)と暮らしながら、転売業に集中することに。しかし、不審な人物が吉井に近づいてくる……。
社会問題になっている転売ヤーの世界を描く本作。悪事と認識せず真面目に仕事として取り組んでいる吉井の奇妙なズレ加減が面白い。彼に近しい人物も狭い世界で要領よく幸福になろうとしている感じが薄気味悪く、全編不穏な雰囲気なのですが、どこかヨーロッパのサスペンス映画を見ているような“美”を感じます。
監督:黒沢清
5:『傲慢と善良』(2024年9月27日公開)
発行部数100万部を突破した辻村深月のベストセラー小説を藤ヶ谷太輔と奈緒主演で映画化したラブストーリー。
婚活マッチングアプリで知り合った架(藤ヶ谷太輔)と真実(奈緒)は交際をスタート。しかし、架はなかなか結婚に踏み切れない。そんなとき真実がストーカーに狙われ、その後、行方不明に……。彼女を探すうちに、彼女の過去から本当の姿が浮かび上がってくるのです。
架と真実の間に「愛」はあったのか、ストーカー&行方不明事件をきっかけに架が本当の真実を知っていくプロセスの中で、結婚相手探しにおける深層心理が語られていく。これが結構刺さるんですよ。婚活中の人が見るとドキッとするかもしれません。
監督:萩原健太郎
6:『憐れみの3章』(2024年9月27日公開)
『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』など作品を発表するたびに映画ファンに衝撃を与え続ける鬼才・ヨルゴス・ランティモスの最新作。
「選択肢を奪われ、人生を取り戻そうと格闘する男」「失踪から帰還したものの別人になった妻を恐れる警官」「教祖になる人物を探す女」の3つの物語。
エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、ジェシー・プレモンスなどのキャストが、3章すべてに出演しながら各話で違う役を演じるという1人3役に挑戦しています。物語は少々難解でしたが、分からないからこそ「知りたい」と、何度も見たくなる! 作品を発表するたびに映画ファンに衝撃を与えるランティモス監督の怪作です。
監督:ヨルゴス・ランティモス
上記の作品以外にも『エイリアン:ロムルス』、河合優実さん主演の『ナミビアの砂漠』、ろう者の両親と聴力のある息子の家族ドラマ『ぼくが生きてる、ふたつの世界』などもおすすめです。ぜひ映画館で見てくださいね!
執筆者:斎藤 香(映画ガイド)
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