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世界規模で白熱 植物性ミルクの成長要因(日本食糧新聞社・貞苅江梨子)
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植物性ミルク市場が世界規模で白熱している。国内でも24年春、新製品がいくつも発売された。世界の植物性ミルク市場の規模は22年で126億2401万ドル、28年までの年平均成長率は6.38%と、力強い成長を予測するリポートもあるほどだ。
植物性ミルクが台頭してきたのは20年ごろ。豆乳に加えてアーモンドミルクやマカダミアミルク、オーツ麦など、比較的甘味を加えて飲みやすさも重視した商品が多かった。当時は、健康意識の高い消費者が好む程度に留まっていた。しかし24年からの流れは、それらとは異なるようだ。
乳業メーカーも注目
24年の傾向で特筆すべきは、乳業メーカーが植物性ミルク市場に参入した点だろう。森永乳業は日本で初めて5種類の植物素材をブレンドした「Plants&Me」を4月に発売した。温室効果ガス排出量が牛乳の3分の1で、健康や環境への意識が高い消費者に向けた提案だ。雪印メグミルクも「Plant Label」ブランドを3月に立ち上げ、本格的にプラントベースフード市場に参入。今後日本でも成長が見込まれる〝エンドウ豆〟由来の原料を使用している。生乳で経営を続けてきたこうしたメーカーが、時流に乗って植物性ミルク市場に介入せざるを得なかった理由は何か。
市場の成長要因
コロナ以降、健康志向が加速し食の選択の自由度も高まった。より健康的であるために飽和脂肪やコレステロール、カロリー減への願望から牛乳でなく植物性ミルクが求められ、また乳糖不耐症やアレルギーへの意識も高まった。そして環境面でのメリットをより認識するようにもなった。乳牛を育てる際のメタンガス問題はもとより、乳業メーカー自身が〝アニマルウェルフェア〟への取り組みを加速させている。日本の消費者の間でも、積極的な姿勢をみせるメーカーを支持する動きが起こり始めているようだ。
世界中の消費者が従来の乳製品を使用したミルクよりも、植物性ミルクを選ぶ傾向にシフトし始めた今、この流れをより確固たるものにするには、何よりも〝製品の入手しやすさ〟が極めて重要な役割を果たしている。価格面は元より、選択肢が増え、多様な嗜好(しこう)や食生活の要求に応えることができ、消費者は自分の好みに合った製品を見つけやすくなったのだ。
しかし乳業メーカーは乳を否定して植物性を薦めるのではなく、共存する姿勢として24年の方針を固めているはずだ。すでに好例としてあるバターとマーガリンのような展開こそ望ましいと思うのである。
(日本食糧新聞社・貞苅江梨子)
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