《めてみみ》共生の大切さ
2024.06.05 06:24
提供:繊研plus
靴下の三笠は、25年秋の稼働を目指し、奈良県大和高田市に工場を開設する。現奈良工場の約2倍の規模で、新鋭編み機約100台を備える予定だ。靴下産地を取り巻く環境は厳しいが、数少ない明るいニュースとなった。
海外市場開拓などを狙いつつ、付加価値の高い靴下を生産するのが一番の狙い。加えて、地元での人材確保にも取り組む。新工場を拠点に靴下産業、地域経済全体を盛り上げていきたいとの思いを込める。隣接地で取り組む綿花畑と合わせてオープンファクトリーとして整備し、将来は観光の拠点へと夢が膨らむ。
綿花栽培に合わせて、「めんかちゃんプロジェクト」も本格化している。オリジナルソングを作り、今春の種まき祭では、めんかちゃんの着ぐるみもデビュー。集まった子供たちから大歓迎を受けた。くじ引きやゲームなど家族連れが楽しめるように趣向も凝らす。今後も春は種まき祭、秋は綿花収穫祭と、地域の人たちを含めたイベントを恒例化していく。
三笠が本社を置くのは横浜市である。社長の母親の実家が奈良の靴下工場だった縁はあるが、奈良の靴下業界のなかではアウトサイダーと見られがち。ただ、距離を置いて産地を見るからこそ、地域の人との〝共生〟の大切さがより意識できるのかもしれない。産地企業が生き残っていくポイントの一つだ。
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