アニメ『怪獣8号』第1話が放送

<怪獣8号>「どう転がるんだこれ?」圧巻の怪獣描写と二転三転のドラマで鷲掴み。ラストではTARAKOさんの声も「うるっときちゃったよ」

2024.04.15 16:33
アニメ『怪獣8号』第1話が放送

アニメ「怪獣8号」(毎週土曜夜11:00-11:30ほか、テレ東系列ほかにて放送/X(Twitter)にて全世界リアルタイム配信/ABEMA・ディズニープラス・TVerほかで配信)の第1話「怪獣になった男」が4月13日に放送された。アニメ化発表時から話題をさらい、今期注目タイトルの1つに数えられている本作。放送後にはさっそくXのトレンドに入り、初回からファンの期待度の高さを見せつけた。(以下、ネタバレが含まれます)

「少年ジャンプ+」の看板作品が待望のアニメ化

「怪獣8号」は漫画アプリ「少年ジャンプ+」(集英社)で2020年から連載されている松本直也のバトルアクション漫画のアニメ化作品。日常的に怪獣が出現する世界で32歳の主人公・日比野カフカ(CV.福西勝也)が一度は諦めた日本防衛隊員になる夢を再び追い、怪獣災害に立ち向かう姿を描く。

コミックは連載開始と同時に大きな反響を呼び、瞬く間に「少年ジャンプ+」の看板作品に。「次にくるマンガ大賞2021」WEB部門で1位に選出され、累計閲覧回数は3億回超えを記録。アメリカ、フランスをはじめ海外のコミックファンからも熱い支持を受けている。

スタジオカラーが作る圧巻の怪獣シーン

待望の放送スタートとなったが、まず多くの視聴者が気になっていたのが怪獣の描かれ方だろう。Production I.G制作の本作には怪獣デザイン&ワークスで「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」のスタジオカラーが参加しており、冒頭の怪獣襲来シーンは一気に掴みにくるものだった。特撮とはまた違う巨大感の演出とぬるっとした動き。生物感のある異形の生々しさは圧巻。

SNSでは、「スタジオカラー×Production I.Gは伊達じゃない。冒頭なんかカラー新作の怪獣アニメのようだった」「怪獣作画、TVシリーズのクオリティじゃないよ!」「色が付いたおかげで原作より不気味さがマシマシに出てる」といった感嘆のコメントが続出した。また、その後の解体シーンもリアルに描かれ、「絵が本気すぎてエグッ!」「ヤケドしたの胃酸か? あれだけデカいと胃も凶器だな」などの感想が相次いでいた。

そして、この怪獣を倒したのは怪獣討伐のために組織された日本防衛隊の隊員たち。彼らが対怪獣の特殊武器を手にして巨大で凶悪な怪獣に白兵戦を挑むダイナミックでヒリヒリした戦闘にも、特撮系とは違った醍醐味がある。アニメ第1話ではまだ防衛隊の出番はほんの触り程度のものだったが、PVではゴリゴリのバトルシーンが流れ、これからの期待につながる映像を見せてくれている。

夢に破れた32歳の主人公。今は日の当たらない死骸処理が怪獣との戦い

そんな防衛隊と怪獣の戦いを描く本作だが、主人公のカフカは怪獣専門の清掃業者モンスタースイーパー(株)で働く32歳の古参社員。少年時代に憧れていた防衛隊入隊の夢を諦め、今は防衛隊が討伐した怪獣の死骸処理が彼にとっての怪獣との戦いだった。死骸処理も市民、街のための大切な仕事に違いないが、やはり断ち切れない思いがあるのだろう。テレビに映る防衛隊の活躍を見て、カフカは「なんでこっち側にいるんだろ、俺…」と、やるせない気持ちを吐露する。

しかし、そんなカフカに意外な形で転機が訪れる。少子化のあおりを受けて、入隊試驗の年齢制限が33歳未満に引き上げられたというのだ。カフカは昔の自分と同じように防衛隊を目指す新人後輩・市川レノ(CV.加藤渉)の言葉に背中を押され、くすぶっていた夢への情熱を再び燃え上がらせる。

漫画の「怪獣8号」は30代、40代から人気を集めているというが、それはカフカが少年ではなく、このような一度は夢を諦めた中年男性だからだろう。子どもの頃に抱いた夢を叶えるというのは誰しもが難しく、カフカと同じような気持ちを抱いている人は世の中に少なくないはずだ。そうした世代が受ける共感性と、かといってリアリティーが過ぎないバランス感はとてもちょうど良い。

こうした中で動くヒューマンドラマが気になるところだが、第1話で意味深に匂わされたのが防衛隊第3部隊隊長の亜白ミナ(CV.瀬戸麻沙美)との関係だ。カフカが回想していたように、カフカとミナは幼なじみだ。今では防衛隊のエースとして活躍するミナとの間にどんな過去があったのか。再び夢を追いはじめたカフカに彼女はなにを思うのか。今回はニアミスで終わったが、先々にあるだろう2人の再会は注目したいポイントだ。

まさか主人公が怪獣に!? カフカの夢はどうなるのか

第1話後半では、生き残っていた余獣(本獣と呼ばれる巨大怪獣から生まれる小型の怪獣)に襲われ、間一髪のところをミナに救われたカフカとレノ。2人ともども入院するハメになってしまったが、カフカは今回の一件でもう一度防衛隊を目指すと決意する。その意気込みを言い切る寸前、カフカの目の前にいつの間にか小さな幼獣が…。

「ミツケタ」と喋ったかと思った瞬間、その幼獣はカフカの口からまるで侵食するかのように体の中に入り込んでいく。異変を察知したレノがカーテンを弾いたとき、そこには異形の怪獣になったカフカの姿があった。

防衛隊員になろうという男が、しかも怪獣と戦うはずの主人公が討伐される側の怪獣に!? カフカの夢はどうなってしまうのか。二転三転した展開に、「防衛隊目指して頑張るよくある導入パターンか…と思っていたらどう転がるんだこれ?」「怪獣倒すアニメじゃないの?えっ!?」「これはオモロイ!リアタイ決定」など、様々なコメントが殺到。SNSでは早くも鷲掴みにされた視聴者の様子が浮き彫りになっている。

なお、最後に現れた謎の幼獣の声優は、先月に逝去されたTARAKOさんであったことがエンドロールで明かされた。「怪獣8号」の公式Xにはご冥福と感謝のメッセージが綴られ、ファンからも「まさかここで新しい声が聴けるなんて…うるっときちゃったよ」「嬉しいな、TARAKOさんの声はこうして残っていく」など、感謝や感激の声が相次いでいる。

■文/鈴木康道

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