

ミズイロインド 誰もが着られる服 「区分けがない」にこだわる理由

「アパレルの新しいスタンダードを作っていきたい」。そんな思いでマザーズインダストリーが立ち上げたのが「ミズイロインド」。シーズンレス、サイズレス、エイジレス、ジェンダーレスを掲げる。23年8月からの半年の売上高は前年同期比16%増、経常利益は10%増と勢いづく。
顧客の意見生かす
売りは、無駄を省いたミニマルなデザインだ。季節や着る場所を問わないブラウスやワンピースなどをほとんどワンサイズで揃える。サイズを絞ることで消化率が高まり、廃棄など無駄なコストの削減につながっている。中心顧客層は40、50代で、最近は20、30代も増え、コンセプト通りにエイジレスなブランドになってきた。
笹野信明代表は、売り上げを伸ばしている理由を「商品、価格、販売力などを見た時にバランスが取れているからでは」と見る。
長期で売れ続けているものをスタンダード商品と呼ぶ。決してシンプルなものだけではない。店舗の販売員が日報で顧客の意見を共有し、デザイナーは商品作りに生かす。1人の顧客を購買モデルとして分析する「N1分析」を取り入れ、離反客や新客など各セグメントへのマーケティングや世代別でのアプローチも進めている。静かな雰囲気のブランドだが、その裏には緻密(ちみつ)な改善努力が潜む。
見せ方に変化を
ブランディングをやり直している。「20代と50代ではミズイロインドに対する見え方が異なる」(笹野代表)ためだ。10~20代のモデル起用や親子3世代をイメージしたプロモーションを積極的に取り入れている。以前使っていた「大人」という単語も使わないようにした。デジタルやマスメディアを活用し、より多くの人に知ってもらう機会も作っている。

23年12月にはブランドの新しい側面を伝えるため写真集を発売した。7人のクリエイターと協業し、それぞれが解釈するミズイロインドを表現した。伊勢丹新宿本店の本館4階で2月から3月にかけて開いた期間限定店では、写真集の作品の一部を展示し、買い物しながらブランドを体感できる空間にした。
商品やブランドコンセプトをオフラインで伝えられるよう、売り場の拡大や出店を進めている。海外での認知度やブランド価値を高めるため、新たな卸先の開拓や展示会も継続する。トレンドや派手さより、着る人に寄り添う服。それがミズイロインドの価値だ。
(藤本祥子)
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