文化服装学院とSHIBUYA109エンタテイメント 社会課題をアップサイクルで発信 優秀作品を渋谷109に展示

2024.02.05 06:29
提供:繊研plus

文化服装学院とSHIBUYA109エンタテイメントは、古着店「西海岸」を運営する日本ファイバーの協力を得て学生がアップサイクルを行い、社会的な課題をファッションで表現する産学連携を行った。両者は21年から、若者に寄り添ったSDGs(持続可能な開発目標)活動を実施してきた。今回はZ世代が身近に感じる社会課題を発信し、選ばれた14作品を2月27日から2週間、SHIBUYA109渋谷(渋谷109)の館内で展示する。

(河邑陽子)

両者による産学連携では、21年にSDGsをテーマに学生が企画した複数ブランドの期間限定店を渋谷109に開設。22年度はアップサイクルファッションを通じ、学生が感じる社会課題を発信する取り組みを実施した。今回は、社会課題の背景や派生して起こる問題の理解を深めながら、未来に向けた思いを込めたアップサイクルファッションを制作した。公開審査会と渋谷109での展示で、作品と問題意識を発表する場を設けた。

昨年度に続き今回も、同校ファッション流通専門課程1年の授業の一環で実施した。学生320人が52チームに分かれ、各チームで考えた社会課題をテーマに、日本ファイバーが提供した古着550点をアップサイクルして衣料品を制作。コーディネート作品の発表審査会を公開で1月下旬に同校で行い、代表に選ばれた14チームが動画も使って作品を紹介。今回の産学連携授業に関わった2社とデザイナー、同校の相原幸子学院長が審査を行い、上位3チームを選んだ。

1位の作品は〝若者の自殺〟をテーマに、約20着の古着をはさみで細かく切ったテープ状の布片で生地から作り、積み重なった負の感情を暗い色めで表したドレス。肩から胸元に付けた明るい色の装飾でバックハグを表現し、「一人じゃない」とラブ&ピースの気持ちを訴えた。2位は〝SNSでの芸能界への誹謗(ひぼう)中傷〟がテーマ。ラインストーンと赤いバラの装飾が華やかだが、火で穴を開けたベロアトップ、悪口を落書きした革スカートなど、背中側で傷ついた心を表した。3位は〝男女差別〟をテーマに、固定観念を壊したい思いから、トップ素材に靴を使ったアシンメトリーな作品が選ばれた。

52チーム中1位に選ばれたチーム。若者の自殺という課題に対し、「ラブ&ピース」をコンセプトに作品を制作

社会課題としてジェンダーや貧困による差別や格差、心の健康を取り上げたチームが目立った。

展示は、上位3チームは3月4日までの1週間が2階ココスポット、同5日から1週間は残りの11チームと一緒に3~5階エレベーターホールで実施。コンセプトや背景の説明文も一緒に掲示する。次年度も取り組みを続ける計画だ。

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