

不器用さんができないこと5つ
対人関係において、うまく立ち回って物事をスムーズに進める器用な人がいる一方で、なぜかよく問題を起こして周りに迷惑をかける不器用な人がいます。
器用な人と不器用な人は、一体どこが違うのでしょうか? 「私不器用かも……」と思う人が、少しでもラクに生きていけるようになるにはどうすればいいか、一緒に考えてみたいと思います。
■「不器用だよね」ってどういう意味?
対人関係に対して不器用さを感じる人は多いですが、具体的に「不器用」とはどういう意味なのかを解説します。
◇対人関係が不器用の意味
対人関係は、そもそも誰にとっても難しいものです。人それぞれ異なる考え方を持っていて、その人なりの事情や思惑があるのですから、対人関係でこじれてしまう時があるのは、どうしても仕方がないことなのです。
それでも器用な人は、うまくコミュニケーションを取って、波風を立てず円滑に物事を進められるのですが、中には毎回のようにトラブルを起こしてしまう不器用な人もいます。一言多かったり、逆に言葉が足りなかったりして、無用な揉め事を作り出してしまうのです。
つまり、対人関係が不器用とは、「コミュニケーションがうまく取れないことで、さまざまな問題を引き起こしてしまうこと」だといえるでしょう。
◇対人関係が不器用な人と器用な人の違いとは
対人関係が器用な人と不器用な人の違いは、コミュニケーションにハッキリ表れます。
不器用な人は、皆があえて触れない話題をポロッと口に出してしまい、場の空気を凍らせてしまうことがあります。
一方、器用な人は自分の発言によって地雷を踏むことはあまりありません。本音と建前をうまく使い分けることができて、世渡り上手なところがあります。
例えば、仕事で後輩に指摘する場合、器用な人は後輩の成長を思って指摘していることが伝わる工夫ができます。しかし、不器用な人は、相手の気持ちまで深く考えることができないので、伝えたいことをありのままに伝えてしまうのです。
これはほんの一例ですが、まとめると、器用な人は何をするにしても周りや先を見て行動するのに対し、不器用な人は周りが見えていないために、いろいろと要らぬ問題を起こしてしまいます。この点において、大きな違いがあるといえるでしょう。
■不器用な人の特徴
対人関係に不器用な人に見られる特徴を一言で表すと「読めない人」です。不器用な人が読めない5つのことについて解説しましょう。
◇(1)空気が読めない
その場の雰囲気や状況を察して、適切な言動ができないことを「空気が読めない」といいます。
対人関係に不器用な人は、空気が読めないために不用意な発言をしたり、皆が自重していた行動を平気でやってしまったりします。
◇(2)気持ちが読めない
対人関係において、相手の気持ちを読むことはとても重要です。相手の気持ちをくんで行動しないと、協力や賛同を得られないばかりか、距離を置かれてしまうことにもなりかねません。
不器用な人は、他人の気持ちが読めないために、知らず知らずのうちに周りとの関係性を壊してしまうことがあります。
◇(3)行間が読めない
対人関係では、いちいち全部言われなくても、察して行動しなければならない時があるものです。「暗黙の了解」のように、あえて言葉にしないケースもあれば、話す人の言葉が足りないケースもあります。
いずれにしろ、言葉になっていない部分を察して行動するのが「器用な対応」ということになりますが、不器用な人はそれができません。
明確に言葉になっていない部分、いわゆる「行間を読む」ことが不得手で、そのためトンチンカンな応答をしてみたり、しつこく問いただしてウザがられてしまったりすることが起きるのです。
◇(4)先が読めない
「これをしたらこうなる」「あれをするには、これを先にしておく必要がある」といったように、物事を円滑に進めるためには先を読むことが重要です。
しかし、不器用な人は、目先のことしか考えておらず、先を見越した対応をすることができません。起こり得るさまざまなことを想定して準備しておかなければいけないのに、それをやっていないので、当然ながら途中で行き詰まることになります。
そして、「あの人は不器用だから」とレッテルを貼られてしまうのです。
◇(5)裏が読めない
「おいしい話には裏がある」といいますが、他人の話の一面だけを信じて、後で大損してしまったなんて経験がある人もいることでしょう。
人は、こういう失敗から学習して慎重に決断するようになったり、物事の裏を考えたりするようになるものですが、不器用な人は何度も同じ過ちを繰り返します。
裏が読めないことで、「不器用な人」では片付けられない大問題となることもあるのです。
■不器用な人の心理
では、対人関係が不器用な人は、なぜそうなってしまうのでしょうか? 不器用な人には、次の3つの心理パターンがよく見られます。
◇(1)思い込みが強い
不器用な人は、いったんこうだと思い込んだら、それ以外の可能性を考えられなくなる傾向があります。思考の柔軟性が乏しく、物事の裏にどんな思惑が隠されているかを考える想像力が欠けていたり、先々どうなるかを意識したりすることをあまりしません。
頭が固くなっていて、自分の考えにしがみついていることが多いといえます。
◇(2)自分のことで頭がいっぱい
他人の気持ちが読めないのは、そこに意識が向いていないからです。その分、意識は自分に向いています。
「自分がこうしたい、自分はこう考えている、自分はこんな気持ちだ」といったように、自分のことで頭がいっぱいになっていて、他のことに気を配る余裕が無くなっているのです。
◇(3)直感で行動する
いろいろ深く考えるより、直感的にパッとひらめいたことを発言したり行動したりします。そのため、単純に物事を捉えてしまうことが多く、複雑で微妙な背景や事情を理解できない傾向が強いです。
単純に表面だけを見ているのですから、空気や行間が読めないのは仕方がないことかもしれません
■不器用であることのメリット・デメリット
ここまで、「不器用」の悪い面ばかりに触れてきましたが、何事も役に立つ時と問題となる時の2つの側面が必ずあります。
例えば、「優柔不断」は決断できないというデメリットもあれば、慎重に考えて間違いを犯しにくいというメリットもあるのです。
では、不器用であることには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
◇メリット
☆(1)仕事を正確にこなす
不器用さは、臨機応変な対応が苦手な反面、決まった手順を正確になぞる作業においては力を発揮します。
経理や事務処理など、きっちりルールを守らなければならない作業、同じことを正しく繰り返す必要のある作業などでは、不器用さがかえってプラス面に働くことが多いものです。
☆(2)細部への徹底的なこだわり
不器用な人は、全体を総合的に俯瞰して見るのは苦手ですが、その分細部にこだわる意識や、細かい作業を持続できる高い集中力を持つ人が多いです。
その資質は、研究やプログラミングなどには打って付けで、対人関係でいろいろ気を使いながら仕事をするよりも、高いパフォーマンスを発揮することでしょう。
◇デメリット
☆(1)コミュニケーションがうまく取れない
人間的には決して悪い人ではないのですが、対人関係の不器用さは、同じチームメンバーの足を引っ張ることになりがちです。
周りとのコミュニケーションがうまく取れないことで、仕事がスムーズに進まない原因をつくったり、トラブルを呼び寄せたりと、周りをイライラさせ余計な仕事を増やしてしまうことがデメリットの一つとなり得ます。
☆(2)人間関係がうまくいかない
不器用さゆえに、一緒に働くメンバーから疎んじられたり、チームの輪にうまく入れず孤独を感じたりするケースもあります。
自分なりに一生懸命やっても、かえって空回りして、周りから批判されてつらい思いをすることも少なくありません。
■器用に生きるコツ
不器用にもメリットが少なからずあるとはいえ、不器用なことで悩んでいる人にしてみれば、少しでも器用に生きたいと思うものでしょう。
それには一体どうすればいいのか、器用に生きるためのコツをご紹介します。
◇(1)不得意な部分を自覚する
まずは、不器用で損している場面を少しでも減らすことを考えましょう。
これまでに「あなたのここが不器用だ」と周りから指摘された部分、あるいは前述の不器用な人の5つの特徴を読んで思い当たる部分を常に忘れないようにします。そして、そういう場面になったら、なるべく自分が前面に出ないようにしてやり過ごしましょう。
何か言いたくなったり、何か行動したくなったりしても、いったんぐっと抑えて身を潜めるのです。消極的な対策だと思われるかもしれませんが、不得意なことをできるようになるには、相当な努力と時間が必要です。
当面は、うかつな言動によってトラブルを起こさないよう、自分の行動と他人の言動を観察するのが得策です。それだけでも、不器用さゆえに発生したストレスは、相当軽減されるはずです。
◇(2)器用な人のまねをする
自分の不器用な部分を克服するための最良の方法は、模範とする人を見つけて、そのまねをすることです。
そもそも不器用な部分を直そうと思っても、一体どのようにすればいいのか分からなければ直しようがありません。そこで、身近な人の中からモデルを探し、その人の発言の内容やタイミング、どんな行動をしているかといったことをよく観察し、日頃からまねるように心掛けてみてください。
人の心は外からは見えませんので、発言や行動がそつなくこなせていれば、それだけで周りから不器用な人だと思われなくなります。注意深く観察し、模範通りに忠実に実行するのは比較的得意なはずですので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
◇(3)理解者をつくる
少しでも器用になりたいと思うのは、他人から疎んじられないようになりたいからであって、いつでもどんな時でも器用に振る舞えるようになるところまでいかなくてもいいはずです。
要するに、たとえ今のままで変わらなくても、不器用さのデメリットが問題にならなければ良いわけです。
それにはどうすればいいかというと、自分の不器用さをフォローしてくれる人が必要です。ファローしてくれる人は、できるだけ発言力や影響力がある人であることが望ましいので、上司やチームのリーダー的な存在の人が理想です。
その人を起点に、「あの人は不器用だけど、仕事はしっかりするし悪い人じゃない」という評判が周りに伝われば、随分気持ちがラクになることでしょう。
身近に理解者をつくることで、たとえあなたが不器用なままでも、周囲との関係悪化を食い止めることができます。
不器用さも一つの個性として生かしていこう
誰にでも得手不得手があって、全てその人の個性だといえます。よって、不器用さも一つの個性であり、不器用だから悪いということはありません。
大切なのは、自分の個性をうまく生かすこと。それにはまず、自分の個性をしっかり理解し、マイナスに働く場面には用心して、プラスに働く場面を増やすように工夫していくといいでしょう。
(笹氣健治)
※画像はイメージです
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