撮影/大野代樹

航空自衛官⇒CYBERJAPAN加入のAIKA「8kgの荷物で山道30km行軍の経験が活きてます」

2026.05.06 08:03
提供:ENTAME next

規律と訓練に明け暮れる自衛隊の世界から、華やかなステージで人々を魅了するダンスの世界へ――。ダンサー集団「CYBERJAPAN DANCERS」に、元航空自衛官という異色の経歴を持つAIKAが加入した。彼女が挑んだのは、出身県でわずか1名という女性採用枠。超難関を突破し、約6年3か月にわたる勤務を経て今に至るまでの歩み、そして自衛隊で培われた不屈の精神に迫った(前後編の前編)。

――元航空自衛隊ということですが、そもそもなぜ自衛隊に入ろうと思ったのですか?

AIKA 父が元陸上自衛官だったのが大きいですね。小さい頃、父と一緒に基地のお祭りに行ったり、ヘリコプターに乗せてもらったりする機会があって、そこで見た自衛官の方々の制服姿がすごくかっこよくて、ずっと憧れの存在だったんです。

――お父様と同じ陸上自衛隊ではなく、航空自衛隊を選んだのには理由が?

AIKA 進路の相談を父にしたときに「陸上じゃなくて航空自衛隊のほうがいいよ」って勧められたんです。父自身が陸自を経験して、メディアで見るような山中での過酷な訓練などを知っていたから、娘にはそこまで過酷な思いをさせたくなかったみたいで。

――航空自衛隊の試験は、かなりの難関だったと伺いました。

AIKA そうなんです。まず陸・海・空で共通の筆記試験があるのですが、航空自衛隊は特に倍率がすごく高くて。それに、女性となるとさらに倍率が跳ね上がるんです。私の出身は群馬県なのですが、その当時の女性の採用枠が、県で1つしかなくて。

――たった1枠…。

AIKA 本当に「奇跡的に受かりました」としか言えないです。同期は北海道から沖縄まで全国で80人しかいませんでした。東京や大阪のような大都市は5枠くらいあるんですけど、それ以外の都道府県は基本的に1枠ずつ。男性でも群馬の枠は10もなかったと思います。

――周りからは「無理だ」と言われたそうですね。

AIKA 私、商業高校出身で、周りの友だちはみんな美容系の専門学校に進学するような環境だったんです。それに、正直に言うと学生時代の成績は全然良くなくて、テストでは最下位のほうでした。だから、先生や周りの人たちからは「その学力じゃ絶対に無理だよ」って言われていましたね。でも、それが逆に悔しくて「絶対に見返してやる」っていう気持ちがバネになりました。

――その悔しさをどうやって勉強へのエネルギーに変えたんですか?

AIKA 当時、中学3年生で受験生の妹がいたんですけど、その妹と一緒に塾に通って、中学生に混じって勉強していました。自衛隊の試験は筆記試験を突破しないと面接に進めないので、とにかく必死でしたね。どうしてもなりたかったので。

――すごい執念ですね。自衛隊の訓練は厳しいイメージがあるのですが、いかがでしたか?

AIKA 最初の3カ月は山口県の基地で、航空自衛隊の同期全員が集まって基礎教育を受けました。朝6時に起床ラッパで起きて、すぐに外を走る。生活のすべてが規則正しく管理されていました。銃を撃つ訓練もしましたし、山の中を30km歩く「行軍」も経験しましたね。

――30km行軍…!具体的にはどのような訓練なのでしょうか。

AIKA 3.5kgくらいある小銃を担いで、リュックには水などを入れて、合計で8kgくらいの荷物を背負って山道を30km歩き続けます。朝出発して、夕方に帰ってくる感じですね。10時間くらいかかったと思います。

――体力的にかなりきつそうですね。眠くなったりは…?

AIKA もう、眠気どころじゃなかったです(笑)。アドレナリンも出ていますし、何より足が痛くて。血豆ができたりして、とにかく前に進むことで精一杯でした。でも、体力的な辛さよりも大変だったことがあるんです。

――体力面よりも大変だったこと、とは?

AIKA 精神的な部分です。寮生活が6人部屋で、常に気を使わなければいけない環境が一番大変でした。自衛隊はチームワークがすべてで、12人くらいのグループで行動するのですが、誰か一人が規律を乱すとグループ全体の連帯責任になるんです。だから、意見が食い違って揉めたりすることもあって…。いろんな人がいる中で、一つの目標に向かって心を一つにする過程が一番の試練だったかもしれません。

――意外にも、体力面ではあまり苦労しなかったんですね。

AIKA 中学の3年間、ソフトボール部で結構しごかれていたので、その経験が活きたのかもしれないです。体力には自信がありました。訓練自体も、つらいことはつらいんですけど、なんだか「部活の延長線上」みたいな感覚もあって。同期しかいない環境で、訓練外ではわちゃわちゃしたりして、結構楽しかった思い出です。

――基礎教育後には、希望の基地に配属されたんだとか。

AIKA 私は群馬出身なので、一番近い埼玉県の入間基地を希望しました。関東の基地は「都会手当」がついてお給料が少し高くなるので、すごく人気で争奪戦なんです。だからダメ元だったんですけど、幸運にも希望が通って。辞めるまでの6年間、ずっと入間基地にいました。

――入間基地ではどのようなお仕事をされていたのですか?

AIKA 私は後方支援の部署で、自衛隊で使う備品や衣類などを調達する事務の仕事をしていました。現場で体を動かすより、デスクワークがしたいなと思って希望したんです。

――体力に自信があるのに、デスクワークを希望したのはなぜですか?

AIKA 体を動かすのは得意ですが、好きというわけではなくて(笑)。いくつか選択肢がある中で、一番自分に向いていると思ったのが、この調達の仕事でした。

▽AIKA(あいか)8月15日生まれ、群馬県出身。 約6年3か月にわたり航空自衛隊で勤務した経歴を持つ、CYBERJAPAN DANCERSのメンバー。スペイン系フィリピンにルーツを持ち、オーディションを経て加入。現在はダンサー活動を軸に、モデル、グラビア、YouTubeなど多方面で活躍中。

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