

「自分の声が嫌いだった」――原菜乃華が明かすネガティブと再生、3年ぶり声優挑戦の舞台裏
『どうする家康』千姫、『【推しの子】』有馬かな、『あんぱん』朝田メイコ――毎年のように話題の作品に出演している俳優・原菜乃華が、3年ぶりに声優として主演する。8月29日公開の劇場アニメ『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』で、久々に声の演技に臨んだ抱負や、自身の性格を「ネガティブ」と話しながらも役者を続けてきた思いを語った。(前後編の前編)
『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』は、原にとって、2022年に19歳で挑んだ『すずめの戸締まり』以来、3年ぶりのアニメ映画での主演。就職活動中で人生に迷っていた大学生の安曇野りせ(原)が、亡き祖母が遺した招待状に導かれて“不思議の国”に入り込んでしまう。「不思議の国のアリス」さながらのこの空間で、りせとアリス(マイカ・ピュ)が奇妙な冒険を繰り広げるというストーリーだ。
――まずは、今作のオファーを受けた時の気持ちを教えてください。
原 シンプルに、驚きでした。『すずめの戸締まり』の時に、プロの声優さんのすごさやアフレコの難しさを体感して、「きっともう声のお仕事はないかもしれないな」って思っていたんです。だから嬉しかったですし、同時に「大丈夫なのかな」っていう大きな不安もありました。
ただ『すずめの戸締まり』でお世話になった音響監督の山田陽さんと今回もご一緒することができて。「私にできるでしょうか?」と色々相談したら、山田さんが本当にさらっと「いや、原さんは大丈夫でしょう」って言ってくださって。私の良いところも悪いところも全部見てくださっている方なのですごく安心できて、いい意味で肩の力が抜けたのを覚えています。
――『不思議の国のアリス』や、安曇野りせへの印象はいかがですか。
原 (主役が)「アリスじゃないんだ」でまたびっくりでした(笑)。『不思議の国のアリス』も実家の絵本でよく読んでいました。いわゆる飛び出す絵本ですごくカラフルだったんですが、当時は「何を食べたらこんな展開を思いつくんだろう」って不思議に思っていました。そして今回のオファーが来てアリスをやるのかなと思っていたら、りせっていう新しい大学生のキャラクターですと聞いて。今の私と同世代でもあるので、親近感がわきました。
――りせとしては、ラップで気持ち吐露するシーンもあります。
原 りせは流されやすい子で、自分に自信がなくて、SNSに囲まれながら生活しているからこそ、いつの間にか自分の本当の気持ちがわからなくなってしまう――私の周りの友達からも就活のリアルな話も聞くので、りせのことは若い人にはいっぱい共感してもらえると思います。彼女のセリフに「みんなと同じようにやってるのに、うまくいかないんだよね」というものがあって、すごく共感しました。
――原さん自身も、芝居などで「うまくいかない」という経験は多かったのでしょうか。
原 「困難を克服してきた」「乗り越えられた」という感覚もないんですよね。オーディションに落ちたり、お芝居が上手くいかなかった時も、りせのように「もうわかんない!どうしよう!」ともがきながら生きてきたと思います。基本的にネガティブです(苦笑)。
――ネガティブというと、以前のインタビューで「自分の声が嫌いだった」と話されていました。
原 小さい頃から、自分の声が特徴的ですぐにわかってしまう子でした。「なんか人と違うのかもしれない」って、ずっとコンプレックスで、邪魔だなって思うことすらありましたね。でも、『すずめの戸締まり』の時に新海誠監督が私の声をすごく褒めてくださって、それがきっかけで、「特徴があるってことは個性なんだ」とポジティブに思えるようになりました。アニメもたくさん見て発声を勉強して、お芝居の現場に活かしてみたら「この声、悪くないかも」と思えてきて。ようやく自分の声を好きになれた気がします。
――するとこの作品でも、りせとしての芝居を楽しめたと。
原 そうですね。私の声は少し高い声で早口で話す癖があるので若く思われるのですが、基本的に自由にやりつつ、山田さんから「『すずめの戸締まり』とは違う原さんの声が聞きたいです」とお話があって、大人の女性っぽくゆっくり低い声で演じてみました。りせが身体を激しく動かすシーンでは話すスピードや息づかいも速くしてみたり、3年前の経験を活かせたと思います。
――声優と俳優、それぞれの現場を経験して気づいたことはありますか?
原 私、アフレコの空間が好きなんだなって気づきました。子役の頃から現場ではカメラに囲まれて、たくさんの人がいるのが当たり前で、それはいい意味で緊張感を与えてくれていたんですが、アフレコではマイクの前に私1人だけです。目の前には台本とモニターとマイクしかなくて、指示もイヤホンで聞きます。人の目を気にせずに、ひたすら密室で自分のお芝居に向き合えるのが楽しかったですし、陶芸に打ち込んでいるような気分でした。
――陶芸のよう、というのは?
原 集中していると、自分で自分のお芝居の細かな違いにも気づけます。「今、さっきと若干ニュアンス違ったかも」とかも気づいて、ブースの中でもああでもない、こうでもないと試してみるのが、陶芸でお皿を作っているかのようでした。こんな風にりせの声やキャラクターを大切に作りこめて、何より大好きなアニメの現場に久しぶりに携われたことが幸せです。技術もまだまだですが、これからも声優をさせていただけるのであれば、精一杯準備して臨みたいなと思ってます。
――そしてアニメ好きな原さんとしても、この作品の見どころをお聞きします。
原 篠原俊哉監督が描くアリスのワンダーランドの世界がとにかくかわいくて、魅力的で、大迫力です。おなじみの白ウサギがタイパを気にしていたり、VRゴーグルをつけたキャラクターがいたりと、現代的なアレンジもすごく面白いんですよ。子どもから大人まで、観る人の心に寄り添ってくれるような、温かい作品です。りせを通して、皆さんも一緒にワンダーランドの世界に飛び込んでいただけたら嬉しいです。
▽原菜乃華 はら・なのか2003年8月26日、東京都生まれ。子役で芸能界入りし、2017年に『はらはらなのか。』で長編映画初主演。その後も映画・ドラマに出演し、2022年にアニメ映画『すずめの戸締まり』で声優として初主演。2023年にNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演し、2024年は映画『恋わずらいのエリー』『【推しの子】-The Final Act-』などに出演する。2025年は6月公開の映画『見える子ちゃん』に霊が見える高校生の四谷みこ役で主演し、NHK連続テレビ小説『あんぱん』朝田メイコ、日本テレビ系ドラマ『ちはやふる-めぐり-』月浦凪などを演じている。
関連記事
-
毎回”朝7時”に孫を訪ねる義両親!?さらに…図々しい”決まり文句”で迷惑ばかりかけられる話Grapps
-
夏休み中…遠方の義実家まで6時間ドライブ!しかし、帰り際に渡された【予想外のお土産】で”車内”はパニック状態!?愛カツ
-
温厚で”理想的な彼”と結婚!しかし半年後→「財布は俺が握る」この言葉から始まった彼の”大変化”にゾッとした話Grapps
-
夫の浮気が発覚し…浮気女に“復讐”完了!しかし「奥さんこんにちは♡私…」浮気女から電話がかかってきた話。愛カツ
-
深夜に【ガサガサ】と庭から不気味な音!?夫婦がライトを当てて確認すると⇒「きゃああああ」音の正体が判明した話。愛カツ
-
【閉幕間際】シニア向け「ちょこっと万博」のススメ。観光も含めた万博親孝行プランとは?All About
「ニュース」カテゴリーの最新記事
-
鈴木保奈美、ホルターネックで美背中大胆開放「あちこち重力に負けてきてるけど、背中はけっこうイケてると思うの」モデルプレス
-
『あんぱん』さようなら東海林さん、視聴者「予感的中」も“命を削る“アンパンマン誕生へENTAME next
-
「御上先生」吉柳咲良、手作りミネストローネ&レタスの豚バラ巻き公開「レシピ知りたい」「健康的で素敵」モデルプレス
-
「虎に翼」土居志央梨&ハ・ヨンス、ブロッコリー&カリフラワーヘアで雰囲気一変「別人みたい」「楽しそう」の声モデルプレス
-
芳根京子「髪を赤にしてみた」イメチェンヘアが話題「夏限定なのもったいない」「似合いすぎ」モデルプレス
-
Mrs. GREEN APPLEの3人が小さな妖精ミニミセスに変身!「淡麗グリーンラベル」 新WebCMが公開!WWS channel
-
りんごちゃん、ミニスカ制服で美脚スラリ “ガングロ”ショットに「インパクトすごい」「制服ギャル似合う」の声モデルプレス
-
堀北真希の妹・NANAMI、ピーマンの肉詰め・チャプチェ…手料理4品公開「驚くほど美味しい」レシピ紹介モデルプレス
-
AKB48平田侑希、ミニスカY2Kコーデに熱視線「ギャル感あって可愛い」「ビジュ強い」モデルプレス