連続テレビ小説「あんぱん」に出演する河合優実にインタビューを実施

河合優実が『あんぱん』に込める思い 座長・今田美桜の姿には「大きな作品で主演をすることの希望をいただいた」

2025.05.21 08:15
連続テレビ小説「あんぱん」に出演する河合優実にインタビューを実施

今田美桜が主演を務める連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。同作は、「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしと妻・暢をモデルにしたオリジナル作品。戦前から戦後と激動の時代を生きた“ハチキンおのぶ”こと朝田のぶと、夫となる柳井嵩があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を描いた愛と勇気の物語。

「あんぱん」の物語も第8週に入り、第38回の放送では豪(細田佳央太)の死に直面した朝田家それぞれの動揺と悲しみが描かれた。WEBザテレビジョンでは、朝田家の次女で豪を愛した朝田蘭子を演じる河合優実にインタビューを実施。作品・共演者・役柄への思いを語ってもらった。

“朝ドラ”は特別なドラマだと思っていました

――“朝ドラ”初出演。“朝ドラ”にはどのような思いがありましたか?

過去に他の作品でオーディションを受けたこともありましたし、毎日放送され、日本中の多くの方が見ている特別なドラマだとずっと思っていました。

――“朝ドラ”に出演されての反響はいかがですか?

他の現場に行っても見て下さっている方がたくさんいらっしゃいますし、何より家族・親戚がすごく楽しみにしてくれています。そういうところから、毎朝お茶の間に流れている“朝ドラ”に出演していることを実感し、うれしさが身に染みます。この先お話が進んでいった際に、いろんな方の感想をどんどん聞きたいなと思っています。

今後の自分の糧となる経験になると感じています

――倉崎CPから「河合さんは10代を演じるときは10代に、20代のときは20代にと、映像を通じてその時代を生きているように見えるすさまじさを感じる」というお話もありました。役作りについてはどのように向き合っていますか?

それぞれの作品で異なる作業もありますが、まずは台本を読んで受け取るイメージを大切にしていますね。例えば具体的にこの人は何歳から何歳までこういう時間を過ごして…と、履歴書のように作っていくというよりは、台本を読んだときに、画として浮かんでくる出で立ちや佇まいからヒントを得ている気がします。具体的なものよりも、抽象的なイメージから膨らませていきますね。

――一人の人物をここまで長く演じることは、他にない経験かと思います。河合さんにとってどのような経験となっていますか?

本当に他にはないと思いますし、“朝ドラ”だからこそだと思います。必ず私にとってはハードルになると思いますし、今後の自分の糧となる経験になると感じています。まだ現段階では実年齢くらいまでしか演じていないのですが、これから年齢を重ねていく蘭子を演じ、新しい表現を探していけることが楽しみです。

阿部サダヲさんから粋なプレゼントをいただきました

――朝田家のキャストの皆さんの印象はいかがですか?

セットの中がいつもにぎやかで、誰も肩肘張らず、自然にマイペースに過ごすことができる現場で本当に楽しいです。たくさんの俳優さんの作品への取り組み方、シーンへの臨み方を見られることも勉強になりますし、リハーサルを通して先輩方の姿から学ぶことも多くとても面白いです。

朝田家は皆さんお茶目です(笑)。母親役の江口(のりこ)さんはとても楽しくて、ずっとお喋りしていたいなと思うくらい。(今田)美桜さんは「あんぱん」に参加して良かったと思わせてくださるヒロインですし、美桜さんがいることで「あんぱん」の現場が柔らかく楽しくなるパワーを持っている方だなと思います。(原)菜乃華ちゃんも本当に面白いですし、すごくかわいいんです。いつも楽しく一緒にお菓子を食べています(笑)。

――屋村草吉を演じる阿部サダヲさんとはドラマ「不適切にもほどがある!」(2024年)以来の再共演ですね。

阿部さんは舞台で初めてご一緒させていただき、その後“不適切”と、ずっとお世話になってきた大先輩なので「あんぱん」でも皆を安心させてくださる力を感じています。阿部さんがいらっしゃるとすごく楽しいですね。

――特に印象に残っていることはありますか?

「あんぱん」の撮影期間中に日本アカデミー賞で賞をいただき、現場の皆さんにあたたかくお祝いしてもらい、阿部さんにもシャンパンをいただきました。すごく粋で優しいすてきな方です。

細田佳央太さんとのお芝居はとてもいい時間でした

――豪と思いが通じ合った第29回(5/8放送)について、印象に残っていることはありますか?

細田さんとは3回目の共演で、役、そしてシーン一つ一つに、すごく真っすぐ取り組んでくださるという信頼がありました。第29回の撮影でも、演じる前に自然とぐっと力が入り、どういうふうに心を通わせ合おうかと本番前のテスト段階からお互いに探っているような感覚がありましたね。演じていて背筋が伸びましたし、とてもいい時間でした。

また撮影中、よさこい節を歌う場面があったのですが、私は歌い、豪ちゃんはそれを聞いているという時に、言葉は交わさないけれどずっと目線を合わせながら、“交換”している感覚がありました。私がにこっと笑ったら、豪ちゃんもにこっと笑ってくれた瞬間をすごく覚えています。

蘭子を演じられて良かったと思っています

――第38回では、豪の死を受け、のぶとぶつかり合う場面がありました。

私は「あんぱん」に参加させていただく際、この戦後80年という年に戦争のことをしっかりと描こうとしている作品だと感じたんです。そんな中で、当時、蘭子のように戦争に対しはっきりと「NO」を言い、反戦という立場を貫いていく人を今演じられることはすごく意義があるように感じましたし、大切に演じなければと思っていました。

だからこそ、第38回でのぶとぶつかるシーンは、蘭子を演じられて良かったなと改めて思うシーンでもありました。

――豪を失うことになる展開についてはどのように思われましたか?

蘭子の人生において、人を愛するということを知り、そして戦争によってその人を失うということを知る、とても大きな出来事で。今後の蘭子の人生、倫理観にものすごく大きな影響を与えると思いますし、豪の死により蘭子の中の正義が逆転することもあり、蘭子にとってもドラマにとっても大切な軸の一つだと思って演じていました。

――豪の戦死を立派だとすることに対し「そんなの嘘っぱちや!」と感情をぶつけるシーンも印象的です。

とても大切なせりふだと思いましたし、とにかくちゃんとその言葉を言うことを一番大事にしていました。もう豪ちゃんはいなくて、豪ちゃんは何も言えなくて…。世の中が軍国主義の思想に傾いていく中、私が強い気持ちでこれを伝えないと、と。もう豪ちゃんが言うことはできないから私が言わないと、という気持ちでしたね。

少しでも戦争について考えるきっかけになればうれしいです

――中園ミホさんの脚本を読んで感じる魅力を教えてください。

「あんぱん」を読んでいて感じるのは、すごくハッとする言葉やせりふが多いんです。やなせたかしさんの実際の言葉からのせりふも多くあり、すごくすてきだなと。嵩に人生をなぞってもらうだけではなく、お話全体にやなせさんの考え方や、「アンパンマン」の要素がふんわりと散りばめられていてとても楽しいですし、このドラマの一つの大きな味になっているような気がして。そして命や人の生き死にという部分が真っすぐに描かれていて、それは戦争だけに限らず通底するテーマなので、切実さを強く感じています。

――「あんぱん」に参加されて改めて気付いたやなせたかしさんの作品の魅力はありますか?

やなせさんの作品にはやはり哲学があり、それは戦争体験や幼少の頃の体験があったから生まれているのだなということを強く感じました。やなせさんご自身の言葉やドラマの台本を読んでいても、例えば「逆転しない正義とは飢えた人にパンをあげることだ」という実感を伴った言葉は、現代に生きる私からは決して出てこないものだと思うんです。やなせさんが身をもって体感されたからこそ「アンパンマン」は生まれていますし、言葉の一つ一つにうそがなくて。やなせさんが書かれる“正義”はすごい強度だと思います。

――戦後80年となる2025年。脚本の中園ミホさんもやなせたかしさんを描くことは戦争を描くことだとおっしゃるように、真正面から“戦争”というものも描かれていきます。河合さんをはじめ、戦争を知らない世代で今作を作り上げる思いをお聞かせください。

戦後80年の年に皆さんに届く作品なので、「反戦」の声をもう一度しっかりと伝えるべきだと思いますし、蘭子を通してその部分を担えて良かったと思っています。戦後70年のときにはなかった戦争が今、現実に起きています。それでもやはり日本に生きる私には実感があまりないですし、よく分からないことの方が多い。ですが、「あんぱん」の時代の人たちもそうだったかもしれないですよね。よく分からない大きなものに気付かないうちに絡め取られていくようなことだったのではないかと想像しています。気付いたら、赤紙が来たら戦争にいかなければならないシステムになっていて、気付いたら、のぶも愛国心を教える役割を担わされていて…。

「あんぱん」を見て下さっている方が少しでも豪と蘭子のことを思ってくれて、そこから戦争についてもう一度考えるきっかけにつながったらうれしいです。

美桜さんの在り方が、とてもポジティブな影響を与えてくれました

――最後に、今田さんだからこその現場の空気感があるとのお話もありましたが、河合さんからみて、今作の座長を務める今田さんの姿はどのように映っていますか?

本当に“朝ドラ”の座長として素晴らしいと思います。私からは想像もできないくらいに、身体的に疲れていくと思うスケジュールをこなされていますが、疲れた顔を私たちに全く見せないんです。美桜さんがすごく自然にずっと楽しく現場にいてくれるからこそ、スタッフ、キャストにとてもポジティブな影響を与えて下さっているのだと感じています。

――その姿を見て、河合さんの中でいつか“朝ドラ”ヒロインをというお気持ちはいかがですか?

怖くなりました(笑)。本当に美桜さんの取り組み方が素晴らしくて。私だったらこんなふうに1年間走り抜けられるだろうかと思うくらいに大変なことだと思うのですが、希望もいただきました。美桜さんと一緒にお芝居をさせていただき、その姿を見て、大きな作品で主演をすることへの希望をいただいた気持ちです。

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