桜井ユキが感じる作品の魅力「人付き合いはすてきだと、勇気をもらえました」＜しあわせは食べて寝て待て＞

2025.05.01 13:00

水凪トリの同名漫画が原作のドラマ「しあわせは食べて寝て待て」(NHK総合)。ある団地を舞台に、桜井ユキ演じる主人公・麦巻さとこが心身の健康を取り戻していく姿が優しく印象的に描かれている。

このたび、桜井にインタビューを敢行。自身の役どころや共演者の話、桜井の“パワーフード”について語ってもらった。

団地暮らしと薬膳ご飯。心が温かくなる物語

桜井ユキ(以下、桜井)：大きな事件が起きるわけでもなく、胸を打つような出来事も、大恋愛もありませんが、さとこが持っている不安にさりげなく寄り添う周りの人々の優しさが丁寧に描かれていて、その日常にすごく勇気をもらえる。人との付き合いってやっぱりすてきだなということを改めて感じられる作品だなと思っています。頑張らなくてもいいんだよと、そっと背中を押してくれるようなドラマです。

――さとこは団地で出会った鈴(加賀まりこ)、司(宮沢氷魚)から薬膳や丁寧な暮らしを学んでいく。

桜井：加賀さんは本当にパワフルで、チャーミングな印象を受けました。クランクインの日から「鈴さんだ！」と思ってしまうくらい、加賀さんを見ていると、さとこが鈴さんを頼りたくなった理由がよく分かります。司を演じる宮沢さんは、司の持つ透明感、柔らかな優しさが本当にぴったりだと思います。そういった雰囲気って、出そうと思って出せるものではないと思うんです。だけどその中にちょっとした憂いがある。その絶妙なあんばいで演じられている宮沢さんの司は、とても魅力的です。基本的に、さとこは自分から発信して物事を動かすより、周りから影響を受けて前に進んでいくキャラクター。お二人とのシーンは、場の空気や投げてくださる球をちゃんと受けて応えるというスタイルで演じようと心掛けています。

改めて食事の大切さを実感しています

――桜井にとって、さとこの薬膳ご飯のように気持ちがアガるパワーフードは？

桜井：カレーですね。毎日食べても飽きないくらい大好きで、ちょっと元気がないな、というときに食べると一気にパワーが湧いてきます。このドラマでも描かれていますが、食事がメンタルに与える影響は大きいですね。つい簡単に済ませてしまいがちですが、食事は自分の体をつくるものでもあり、改めてその大切さを実感しています。さとこは薬膳に出合い、この素材にはどんな効能があるのかということを意識しながら食事をするようになります。そんなさとこの姿から、視聴者の方にも、食事を通して自分をいたわることの大切さが伝わったらうれしいです。

――最後に、春スタートのドラマにちなみ、新たに始めたことなど何か“デビュー”したことは？

桜井：キックボクシングを再び始めました。何年もお休みしていたんですけど、激しく体を動かしたいなと久々に行ってみたら、すごく気持ちがすっきりしたんですよね。今は、薬膳と運動で心身共に健康まっしぐらです！

撮影=岡田健／取材・文=吉田光枝

※「月刊ザテレビジョン」2025年6月号より