

初めての街で迷子になりたい『まいごのまーごめ』/テレビお久しぶり#148

長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『まいごのまーごめ』(SBS)をチョイス。
初めての街で迷子になりたい『まいごのまーごめ』
迷子になってしまった大鶴肥満を檜原洋平が探すという一風変わったバラエティ『まいごのまーごめ』。舞台は静岡県三島市、制作も静岡放送SBS。1年ぶり第3弾の放送で、私の鑑賞した4月15日放送分は2週目の放送であった。3月29日に放送された1週目については未鑑賞。去年のM-1以降ママタルトをひいきしているのに、この番組の存在に気付いていなかったのは痛恨だ。
さて、変な番組である。面白かったのだけど、久しぶりにこう、しっかり変な番組を見た気がする。まず気になったのが編集。本編では基本的に檜原の街ブラがメインとなるのだが、彼がボケのタイミングをはかるために通行人や車両などに気を遣う様子がカットされずに放送されているのは、一体何だろう。もしかしたら私が気にしすぎているのかもしれないが、芸人によるボケを、「ボケ始め」から収束するまでをセットで見られるのは貴重なんじゃないだろうか。ともかく、この独特なリズムによって、番組全体に奇妙な味わいが生まれている。
フェイク・ドキュメンタリーとはまた違った性質を持つ番組ながら、アプローチとしてはそれに近い作りである。たとえば、檜原がとあるカフェに訪れ、そこのテラス席で大鶴肥満の衣装の切れ端を見つける場面。切れ端を手に取り、手掛かりを探っていると、ラジオが聞こえてくる。このカフェは、テラス席にラジオが設置されていたのだ。すると、そのラジオからは、ある男の声が……なんて、いいじゃないですか。テンション上がります。変てこなテンションながら、ジャンルに特化した一頁が垣間見える、やっぱり不思議な番組なのである。
三島といえば、電車旅が好きな私にとってなじみ深い街。とは言っても、駅から出たことはなく、乗り換えに利用したり、車窓から駅前を眺めるばかりだ。遠出をするたびに必ずと言っていいほど通るので、番組内で町が広がっているのを見て、少し感慨深くなった。もちろん、三島は駅前以外にも存在しているなんて当たり前のことなのだが、私は、あらゆるものを、まず目にしなくてはならない。知っているだけでは足りないのだ。三島で迷子になった大鶴肥満が羨ましい。迷子になるというのは、その街との、究極のコミュニケーションだ。街と私が、地図も機器もなしに、身一つで向かい合う。その絆は、他のそれよりも当然、強いものになるだろう。
■文/城戸
関連記事
-
新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>WEBザテレビジョン
-
東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」WEBザテレビジョン
-
<BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現WEBザテレビジョン
-
松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」WEBザテレビジョン
-
ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かすWEBザテレビジョン
-
瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」WEBザテレビジョン
「ニュース」カテゴリーの最新記事
-
菊地亜美、娘に作った親子遠足用の弁当披露「喜ぶ顔が目に浮かぶ」「彩りが綺麗」の声モデルプレス
-
菊地亜美、第2子出産後初の公の場 子どもと現場入りで「すごいそわそわ」モデルプレス
-
”俳優デビュー25周年”上戸彩、多彩な魅力あふれる15年ぶりの写真集発売が決定ENTAME next
-
乃木坂46・海邉朱莉がソロ初グラビア『B.L.T.』に登場、海辺で魅せたピュアな姿ENTAME next
-
「今日好き」早坂ゆう、弟との2ショット公開「美男美女」「遺伝子すごい」と反響モデルプレス
-
希空(のあ)、自宅にウォーキングマシン設置 母・辻希美の「ポイント全部使いました」モデルプレス
-
「ミスマガジン2025」セミファイナリスト16人が多彩な特技披露 “先輩”菊地姫奈は「堂々としていて尊敬」と驚きENTAME next
-
坂口健太郎、韓国観光名誉広報⼤使に就任 観光ポスター初お披露目モデルプレス
-
<死ぬほど愛して>最終話に先駆け、主演・成宮寛貴&城定秀夫監督よりコメント到着「原作とは違う驚きがきっとあるはず」WEBザテレビジョン