親友だけど本当は…ワイルド系のエリート社員に想いを寄せる青年の話が「距離感が最高」と話題に【BL漫画】

2025.04.15 12:00

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、単行本発売中の『チューズオンリーミー！』(竹書房刊)の第1話を紹介する。作者の高橋なめ子さんが、2月16日にX(旧Twitter)で『人たらしな親友に「好き」が隠せない』と添えて本作を投稿したところ、2万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、高橋なめ子さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

社内で大きな人気を持つ花形の2人のもどかしい距離

エリートであり花形の外商部に勤務する海老坂渡と猪野歩は、それぞれ女性からの人気が非常に高い人物。“ワイルド系”の渡、“王子系”の歩として知られる2人だが実際は異なり、互いの前でだけは素の姿を見せていた。

プライベートでも仲の良い渡のことを歩は好いており、彼と付き合いたいわけではないものの、少しでも長く1番の友人で居られたら良いと淡い恋心を抱いている。一方誰にでも愛想がよく非常にモテる渡。

歩は自身のポジションを守るために渡に好意を寄せる者の芽を摘むことを決めていた。今のままで十分だと考えていた歩だったが、ある日上司から渡とともに呼び出される。顧客からの話だと聞き、クレームかと思いきやお嬢様とのお見合い話が持ち掛けられ…。

この両片思いの2人を描いた漫画を読んだ人たちからは、「かわいすぎて笑顔になる」「両片思いの描き方が上手すぎる」「絵も物語もあまりに良過ぎた」「距離感が最高」など、多くのコメントが寄せられている。

個人的な願望をもとに描かれた傑作の両片思い

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？

私の個人的な癖なのですが…運命で固く結ばれているカップルの当て馬にされたいと言う願望が前々からありまして身近に将来有望で見目も麗しい男性がふたりもいて、「頑張れば自分にもチャンスがあるかも…!?」と淡い期待を抱いてキャーキャーしてる内に歩みたいな嫉妬深い子に敵視されて知らず知らずのうちに邪魔をされてたりフラグを折られたり…、そんな感じで結局恋も叶わないまま結局その2人がくっつく…みたいな妄想をお話にまとめてみたら面白くなるかもと思い今作を作りました。

――本作では、渡の言動に意識して頬を赤らめる歩の表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

ありがとうございます！表情は苦手意識が前々からあり敢えてアップの大コマを増やして描くようにしてきたので、そう言っていただけてとてもうれしいです！その他は、それぞれの住んでる部屋の内装にこだわりました。渡ならこだわりがゼロ故に母ちゃんが買ってきたであろう謎に派手な布団カバーの柄、小学生の頃に電気紐に取り付けたキーホルダー等…歩は家具にこだわりたいけど東京の狭いワンルームでは家具のサイズが合わないことが多いので妥協してこの辺りの家具メーカーで買ってるだろうな…など想像してお部屋を描きました。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

6話で歩が渡に「考えるに決まってるだろ、ずっと好きだったんだから」と言うシーンです！ずっと片思いしていた歩が渡に翻弄されるシーンが続く中で、ついに渡に一杯食わせてやったぞ！と描いていて私もスカッとしたのを覚えています。笑また普段素直になれない子がここ1番で真っ直ぐに気持ちを伝えるシーンってとてもグッとくるので、読者の方も「グッ」ときてくれたらうれしいなと思いながら描きました。さらにこのページは元々のネームにはなかったシーンで、ページの都合上急遽足したシーンだったのですが今となっては元々のネームが思い出せないくらいこの作品に欠かせないお気に入りのシーンとなりました。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

キャラクターの発する言葉が、ストーリを進めるために言わせているセリフになっていないか気をつけています。本当はこういう展開になった方が都合が良いんだけどこのキャラクターはこのセリフ言いそうにないな、という場合は予定と変わってしまってもストーリーの方を諦めます。

――本作では爽やかで王子系の歩のビジュアルに惹かれました。人物を描くうえで意識していることをお教えください。

ありがとうございます！意識してることですか…！キャラクターの造形を考える際にどんな服を好んで、どんな物を持っているのかを決めてからキャラクターの見た目を決めていきます。例えば渡は高収入モテ男ですが高級腕時計ではなくてアップ〇ウォッチを着けているのですが上司から「もっと良い時計買いなよ〜！」などの会話に巻き込まれるのが面倒だからこの人はガジェッター派なんだと思わせるためにアッ〇ルウォッチを着けてる…などのその小物を購入した理由などを想像しながら設定を決めつつキャラクターを作っています。

――今後の展望や目標をお教えください。

ふとした時にあの漫画読みたくなるな〜と思ってもらえるような、何度か引越しを繰り返しても本棚に置き続けてもらえる作品を作っていきたいです！あと人と話すことが大好きなのでいつか読者様とお話しさせていただけるような機会があったら嬉しいなあと思っております。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

こんにちは！初めまして！作品を読んでいただき誠にありがとうございます！いつも読者の方々の応援のおかげで漫画を描くことだけではなく、元気に漫画を描き続けるために苦手だけど運動しよう！バランスに気をつけて食事を摂ろう！など、生活面の意識も読者の皆様のおかげで支えられており、ここ数年は皆様のおかげでとても健やかに執筆活動をさせていただいております。これからも皆様に萌えたり楽しんでいただける作品を作るために精進して参りますので応援していただけますととても嬉しいです！この度は本当にありがとうございました！