

見て語る楽しみ、作品解説など、映画鑑賞の醍醐味が詰まった「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」の魅力

BS10で放送中の「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」(日曜夜6:00〜9:00)は、映画好きで知られるタレントの加藤浩次と映画ライターのよしひろまさみちがおススメの作品を紹介し、2人による解説も楽しめるトーク番組。よしひろも認める映画ファンである加藤とともに、それぞれが映画抱く想いを前後編にわたって語ってもらう。映画の楽しみ方を「見終わったあと」にも求めるなど、興味深い話が飛び出した。
「安心」できるお互いへの信頼
――お2人で番組をやるということを聞いた時、どう思われましたか?
加藤浩次(以下、加藤):僕はよしひろさんだったら安心だなと思いました。
よしひろまさみち(以下、よしひろ):えー、本当ですか!?ありがとうございます(笑)
加藤:安心感がありますよ。一番、安心感のある映画評論家の方ではないですか?
よしひろ:いやいやいや。この仕事をしている人はたくさんいるんですけどね、。
――先ほど「安心感がある」と仰っていましが、よしひろさんが加藤さんが良いんじゃないかと思ったのは何故だったのでしょうか。
加藤:朝の生放送を一緒にやっていてバンバン対応してくれたので。台本通りとかではなく…。
加藤:僕は台本なんか一切、読んでませんから。
一同:笑
よしひろ:すごいですよ。カンペが出ていても、一切見ないんですよ。進行がそこに書いてあるので私はそれを見ているんですけど、投げられた球を打ち返していると千本ノックみたいになってしまう(笑)
加藤:よしひろさんだったらできるだろう、聞いても応えられるだろうという前提ですよ。
――よしひろさんは映画好きの方と数多くお仕事をされていると思います。そのなかでも加藤さんを一番に挙げた理由はなんだったのでしょうか?
よしひろ:また朝の生放送の話になってしまうんですが、CM中に、オンエアで言えない事を絶対に聞いてくるんですよ。
加藤:あっはっは(笑)
よしひろ:未だに覚えているのが、番組の都合で紹介した映画を私は気に入ってなくて。
加藤さんがスッと寄ってきて、「よしひろさん、これ本当に面白いんですか?」とひと言。「あ、これはバレてる」と思いました。
加藤:ふふふ。
よしひろ:他にも「この前、紹介してくれた映画を劇場に見に行ったんですけど良かったですよ」みたいに仰っていただいて。本当に見に行ってくださったんだって言うのが、すごく多かったんですよ。だから「この人には嘘つけないな」と思いました。この人の前では嘘は通用しない、と。
台本そっちのけで夢中になることも
――先ほどの収録でも、お2人で意見を交わされていました。やはり映画好き同士、お2人でやっている手応えはいかがですか?
加藤:楽しいですね。単純に楽しいです。しかもいろいろな情報をよしひろさんからもらえて、僕はすごく勉強になって楽しいです。
よしひろ:こんなんでいいのかなって思いながら毎回話しているんですけどね(笑)
加藤:尺とか、段取りとかも正直、ほぼ気にしてないです。
よしひろ:一応台本というものは存在して、「これを言わないと先に進まない」というようなものがあるんです。しかし初回はそれが全然出てこなくて、ずっと先に進まないっていう「事故」が起きました。
加藤:(笑)それ、僕はあまり良くわかってなかったです。
よしひろ:大丈夫です。収拾はできていますので。
――その辺をよしひろさんが気を配りながらというコンビネーションなのでしょうか。
よしひろ:最初は「あれ、どうしよう?」と思ったのですが、2回目の収録からはなんとなく形が見えてきました。「こういう風にやれば大丈夫かな」という感じで…初回は本気で緊張しましたよ、私。
加藤:マジですか?
「“やるべきこと”が見えてきたなと思いました」番組の使命
――「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」の魅力や良さを、お2人の目線で教えてください。
よしひろ:高校時代の同級生がBS10さんが「BSJapanext」だった頃から知っていたようでして。番組を見てすぐにLINEをくれたんです。「すごいね、本編の前後に解説があるなんて斬新」と言ってくれました。
それで「斬新かな?淀川長治さんとか水野晴郎さんがやってたのってこれじゃん?」と言ったら、「最近そういうのないから」と返ってきたんです。いまこのスタイルの映画番組はほかにないのかと思ったら、“やるべきこと”が見えてきたなと思いましたね。
加藤:映画を見たあとは人としゃべりたくなるじゃないですか。みんなそうだと思うんですけど、この番組はそれがめちゃくちゃ解消できると思っているんです。
普通は「あれ見た?」と言って「見てない」と言われたら終わり。「あれ見た?面白かったよ」と言っても、「僕はあんまりだな」だとそれで終わりですよね。
でもしゃべりたいんですよ!あんまりだろうが面白かろうが、見たものに対してしゃべりたいという欲求がすごく強いんです。さらに、よしひろさんがさらに違う情報もくれる。しゃべっていて、すごく楽しい気持ちになれます。
――相手としてはこの上ない感じですね。
加藤:だから「番組のどういうところを見てほしい」というより、「映画を見て誰かとしゃべるって楽しそうだな」と思ってもらえれば嬉しいですね。
よしひろ:本当にそうですよ。さっき淀川長治さんや水野晴郎さんがいた頃の話をしましたが、我々の世代は地上波の映画番組で解説を聞いて、その面白さで映画にハマっていた人がすごく多かったはずなんです。
いまはそういう時代ではないのかも知れませんが、映画解説番組がなくなる理由はないなと思いました。だから「サンデーシネマ」は、良い“試し”になっているのかなと。
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