橋本梨菜にグラビア10周年を迎えた心境などを聞いた

橋本梨菜“日本一黒いグラドル”から新たなステージへ…今のグラビア業界は「良くも悪くも無料で出過ぎ」と警鐘

2025.03.18 12:41
橋本梨菜にグラビア10周年を迎えた心境などを聞いた

グラビアアイドルの橋本梨菜が、3月20日(木)にグラビア活動10周年を迎える。健康的な黒い肌を武器に、“なにわのブラックダイヤモンド”、そして“日本一黒いグラビアアイドル”として活躍してきたが、2024年に“日本一黒いグラビアアイドル”卒業を宣言した。“日本一”の看板を下ろすことを決めたのは、コロナ禍に今後の活動を考えたのがきっかけだったという。今後は自然体の“なにわのブラックダイヤモンド”として活動していくという橋本に、10年間を振り返ってもらった他、今後の活動、さらに今のグラビア業界についても語ってもらった。

子役、アイドルグループを経てグラビアアイドルへ

――グラビア活動10周年となる橋本さんですが、芸歴はもっと長いんですよね。

子役をやっていて、その後に大阪でアイドルグループもやっていたので、芸歴で言うとめっちゃ長いんですけど、グラビアデビューからは10周年って感じです。あっという間でしたね。めっちゃあっという間です、本当に。

――グラビアを始めてすぐに人気になったので、もっと長く活躍しているようなイメージもあります。

いや、そんなこともないですけど。早かったかもしれないですね。(初めて)表紙をやらせてもらったりとか、写真集を出させてもらうのは結構早い方かなとは思います。楽しかったですね。どの作品も楽しかったし、10年間「どうしても嫌」って思うことはあまりなかったので。

――日本テレビ主催の「汐留グラビア甲子園2014」で準グランプリ&審査員特別賞を受賞したのが、グラビアを始めるきっかけですよね。

そうですね。特別賞でDVDを出せるっていうRIP賞というのがあって、それを3月20日に出したのがデビュー作で。そこから10年になるんですけど、DVDを出したのが初めて水着になるお仕事だったので。

初撮影は小さな水着に驚き「こんな布ペラペラの…」

――初めての撮影は覚えてますか?

まず衣装合わせをしたんですけど、テーブルに並んでいる水着を見た時に、「こんなちっちゃくて、こんな布ペラペラの水着があるんや!」と思いました(笑)。プライベートで海とかプールに行く水着って結構しっかり形がある水着じゃないですか。だからびっくりしました。「なに? このペラペラのやつ」みたいな。「こんなんで胸って隠れるんですか?」みたいな感じでした(笑)。

――最初は緊張があったと思いますが、撮影を楽しめるようになったのはいつ頃でしたか?

ファーストDVDの撮影で沖縄に行って、「じゃあ、これから撮影始めます」「じゃあ、そこに座ってください」って言われた時には、足が震えて腰が抜けるんじゃないかってぐらいの緊張感ではあったんですよ。「あれ? ポーズってどうやって取るんだっけ?」みたいな感じではあったんですけど、もう何カットか撮っているうちに、「こういう感じで撮れてるよ」って写真を見せてもらったら、すごく写真がきれいで。結構すぐに「また次のDVDで沖縄とかに来れるんやったら、やってみたいな」とは思いました。

――やっぱりきれいに撮ってもらった写真や映像を見るとテンションが上がるんですね。

上がりましたね。あとは、グラビアの現場ってみんなが自分のために動いてくれて、自分ファーストですごい、なんかお姫さま扱いされているような気持ちになった時に、すごく居心地の良さを感じました。

――つらかったこと、大変だったこともあると思います。

つらかったこともめっちゃありますね。撮影やったら、とにかく虫がめっちゃ苦手で(笑)。虫がめっちゃいる所に「寝転がってください」とかもあるし、あとは暑いは割と得意なんですけど、寒いはめっちゃつらいですね。なのに、「鳥肌立たないでください」とか言われても「いや無理でしょ!」みたいな(笑)。

――雪の中での撮影は?

やりました。長野の雪。2月かな? 撮影に行ったことがあります。あそこまで行くと気合というか。撮影自体もつらいのが分かっているから、結構サクサク進むというか、撮影自体は短いんですよ。室内、学校とかの廃墟みたいな所とかで寒いっていうのが一番つらいですね。

辞めようと思って受けたオーディションがグラビア活動のきっかけに

――10年前、グラビアを始めた頃は、どれくらい続けるとか、こうなりたいみたいな目標はありましたか?

全くないです。当時は普通に大阪で大学に通っていたんですよ。大学生をやりつつ、海外に興味があったので留学したいなと思ってて。そんな時に、「グラビア甲子園に出てみないか?」って言われて。そこでダメだったら留学して、普通に就活して、芸能は辞めちゃおうと思っていたんです。

「グラビア甲子園」は毎週(オーディションで)東京に来ていたんですが、どんどん人が減っていくんです。受かったらまた次の週も東京に来なきゃいけない。大学生やったから夜行バスで来ていたんですけど、もう夜行バスに乗るのがめっちゃ苦痛で。「絶対落ちよう!」と思って、「東京まで行って受かりたくないよ」と思いながらやったら、また残ってしまった…って。で、また来週の夜行バスも予約しないとみたいな。

帰り道は「ほんまにもう、来週は来やんとこ。東京嫌や」と思っていたけど、気付いたら最後まで残って、準グランプリとRIP賞をもらってしまったので、DVDを出さなきゃいけないっていうところが始まりです。

――「もらってしまった」なんですね(笑)。グラビアも嫌だったんですか?

嫌だというか、「人前で水着なんて無理!」って思っていましたね。自分の体に自信もなかったですし。で,ファーストの撮影で「あれ? なんか楽しいかも」と思って。ただ、当時はグラビアアイドルっていう職業になるとは思ってなかったし、グラビアアイドルっていう職業があることも知らなかったです。

始めてすぐはそれほど仕事がなかったので、平日は結構大阪に帰ってました。東京に住むつもりも最初なかったので、ホテルを取ってもらって、週末に撮影会とかやって、ちょっと月曜日とかお仕事を入れてもらって、火曜日ぐらいからまた大阪に帰って。で、また週末は東京に出てきて…みたいなことやっていたんですけど、「ホテル代も新幹線代もすごく高いから」って事務所に言われて。気付いたら勝手に家を借りられてました(笑)。ともちゃん(森咲智美)と一緒に住む家を借りられてて、気付いたら東京に移住していました。

撮影で海外へ…好きなことが重なって前向きに

――グラビアに対して前向きになったのはいつ頃ですか?

でも、海外に行きたいっていう元々の願望があったので、グラビアをやっている中で海外で撮影をしてみたいとか、ハワイに撮影で行きたいっていうのがあったので、「写真集をハワイで撮影したいです」っていう目標を持ってやり始めたんですよね。

そしたら、ファースト写真集でハワイに連れてってもらって、好きなことがこういうふうに合わさった仕事を自分はしているんだと思った時に、「あ、めちゃくちゃ天職だし、すごく楽しいことばっかりだな」みたいな感じでした。

――思いとは違った方向に進みながらも、結果的には良かったという感じですね。

そうですね、最初は流されるがままに来た感じもします。でも、すごく嫌な衣装を着せられたりとか、すごく嫌なシチュエーションで撮影されたりっていうのは、ちゃんと「NO!」って、そこは自分で言えてきたので、そういうことは振り返ってもなかったです。

事務所に反対されるも“なにわのブラックダイヤモンド”として人気を獲得

――橋本さんといえば“なにわのブラックダイヤモンド”ですが、タレントになる前から黒かったんですか?

もともと地黒なので、人よりは黒いって感じです。どっちかっていうと、最初は“部活焼け”みたいな感じだったと思います。なんか黒くて、田舎の大阪から来た子みたいな感じやったとは思うんですけど。いや、でも東京の人から見ると大阪のギャルのヤンキーのみたいなイメージだったかもしれないですね。私的にはギャルっていうイメージはなかったんですけど。家族みんな黒いんで、たぶん日焼けしてる家系というか黒い家系ですね。

――では、“なにわのブラックダイヤモンド”として注目されるのはうれしかった?

うれしかったですね。最初は「白くなってください」って事務所には言われていたんです。日焼け止めとか日傘を家に送られてきたりとか、旅行に行く時も「絶対焼けて帰ってこないで」って言われてたんですよ。

でも、日焼け止めがとにかく嫌いだし、海が好きだから、真っ黒になって帰ってくるんですよね(笑)。そしたらめっちゃ怒られるっていうことの繰り返しやったんですけど、逆に周りが「黒いのいいね」「あの黒い子、何?」って注目の仕方をしてくださったので、だったらこっちの方が目立つやんと思って。そしたら、「じゃあ、黒極めろ」って言われて、“なにわのブラックダイヤモンド”になりました。結果、好きなことがキャッチになったので良かったです。

日焼けサロンに行って「日本一黒い」は誰でもできる

――日焼けマシーンを使わない“天然”にこだわる理由は?

日サロに行って「日本一黒いグラビアアイドルでやろう」と思ったら誰でもできる気がするので、あくまでも天然っていうのじゃないとできないっていう、なんか勝手にポリシーを持っていました。

でも、焼けてる時って編集者の方とかから「黒く来てください」とか、「水着跡つけて撮影に着てください」とか、「今までで一番黒い感じで来てください」とか結構言われるんですけど、マシーンに入らないから難易度が高くて。

だから、事務所からは「お願いやから、もう日サロに行ってくれ」と「そのポリシーを曲げてくれ」って言われてたんですけど、「いや、ここで曲げたら意味がないです」って言ってグアムに日焼けに行ったりとか、沖縄の撮影だったら一日前乗りして水着の日焼け跡を作ったりとか、大変なことも多かったですね。

ただ、好きなことだったので、日焼けすることも、南国に行くことも。なので、周りからは「すごい優遇されてうらやましいね」っていうふうには言ってもらってました。

――当時もおっしゃってましたが、コロナ禍は大変でしたよね。

きつかったですね。もちろん外に出られないので、どんどん白くもなっていくし。でも、その時にこのまま仕事が減ったらって考えたら、「自分はこの黒いがなくなった時に何が残ってるんやろ?」っていうふうにも思ったので、黒くなくても何かできるようにならないとこの世界では残っていけないんだろうなと思って、その時期は悩みましたね。それで、コロナが開けたぐらいから、そこまで黒くない自分に変わりました。

――2024年1月に「方向転換しようかな」みたいな発言があって、年末には「“日本一黒いグラビアアイドル”は卒業します」と宣言されました。やっぱり“日本一”は重いですよね。

重いんですよ。取材の人とかに「この間、◯◯さん取材したら黒かったよ」とか言われたりするから、「いや、そうよね」とか思うし。自分の中ではもう2年ぐらい「日本一黒い」って言ってないんですけど、やっぱりついてるんですよね。番組とかでも「日本一黒いグラビアアイドル」って紹介されて「そんなに黒くないやん」っていう声が多いから、“なにわのブラックダイヤモンド”は自分のキャッチコピーとして置いときたいけど、“日本一”っていうのはもう別にいらないかなっていう感じです。

あと、あれだけ黒いとやっぱり街中でめっちゃバレるんですよ。「電車に乗ってた」とかSNSに書かれてたり。黒いって、やっぱり帽子被ってても、マスクしてて、眼鏡しててもバレるんですよね。夏なんて特に。だから、今はちょうどいい小麦肌ぐらいが一番いいかなと思っています。

「良くも悪くも無料で出過ぎ」ネットがグラドルを苦しめる

――この10年間で変わったことを教えてください。

グラビア始めたての時は、自分がお金を稼ぎたいとか、そういう気持ちってあんまりなくって、勝手なイメージで「女性はお金持ちの人と結婚すればお金持ちになれる」みたいに思ってたんですけど、自分がお仕事を頑張ってお給料が増えていったり、家賃の高い所に住んでみたりとか、自分の貯めたお金で旅行に行ったりとか、好きなものを買い物したりとかした時に、自分で自分にご褒美をあげて、自立するってすごい充実してるし、いいことなんやなと思って。

20代前半ぐらいから、たぶん周りの(同世代の)男の子とかよりはお金を稼いでたんじゃないかなってなった時に、こういうパターンもあるんやみたいに思って。どんどんお金を稼ぐ楽しさみたいなのも知りましたね。お金を稼ぐのも好きなんですけど、お金を使うのも好きなタイプなので。うん、経済を回してると思います(笑)。

――では、この10年間でのグラビア業界の変化ってどう感じていますか?

グラビアアイドルがテレビに出れなさすぎますよね。全く出てないので。私がグラビアを始めたての時もちょこちょこバラエティーに出させてもらったりもあったけど、それでもグラドルのテレビの枠がないってめっちゃ言われてたんです。それがコロナ明けぐらいから特にないというか。水着で出れなくなったから、服を着た時にすごいトーク力があるとか、何かがないとやっぱり残れないので。

それと、ネットで知ってもらうことも多くなったじゃないですか。こういうふうにニュースにしてもらって知ってもらうことも多いし、SNSをいっぱい更新して知らない海外の人とかに注目してもらうっていうのももちろんいいことやし、強みやとは思うけど、逆に言うとそこでしか応援してくれてない人がめっちゃ多い。フォロワーが90万人いようと、現場に足を運ぶ人は数割しかいない、数パーセントしかいない。(ネットで)無料でいろんなことが見れるからこそ、直接お金につながるっていうのがなかなか難しい。

それに、無料で提供してるものに対しての不満とかもどんどん出てくるんですよ。「なんで最近、服着てるんですか?」とか、「なんでもっとちっちゃい水着の写真あげてくれないんですか?」とか。「無料で提供してるものにそういう意見が生まれてくるんや」って思った時に、良くも悪くもネットにいろんなものが無料で出過ぎてるのかなと思いましたね。

――無料が当たり前と思われて、見ている人の当たり前がさらに変わってしまっていると。

変わってますね。現場にやっぱり来ないから。うん、なかなか難しい…。

例えばファンクラブとか、有料会員の方しか見れないものっていうのはもちろんあるんですけど、有料会員に入ってくれてる方々って現場に足を運んでくれるぐらい好きな人とかが多いので、そこじゃない層の人たちに対してはやっぱり難しいですね。

でも、そういう時代なんで。逆に言うとフォロワーが多い子が呼ばれる仕事っていうのもめっちゃ多いですし、フォロワーを伸ばすのももちろん意味のあることやとは思うんですけどね。

女性に憧れてもらえるように…「今の時代めっちゃ大事」

――そういう変化を求められている今、そして今後の活動はどう考えていますか?

10周年を迎えるんですけど、例えば黒ギャルみたいなグラビアだったり、若いからこそこ体がムチムチしてたりとか、そういうのも全て許されてた部分が、どんどん自分が大人になってきて、そこにプラスαで求められる何かがあるなとも思うし、何かがないと若い子たち、次々出てくる子たちに負けてしまいますよね。

なので、今まで以上にボディーメークを気を付けたりとか、男性だけじゃなくて女性に憧れてもらえるっていうのも今の時代めっちゃ大事なのかなって思うんで、男性にもずっと「年取ってもこの子いいよね」って思ってもらいたいし、女性には「こういうふうになりたい」って憧れてもらえるような対象になりたいなとは思っています。

――10周年の節目でイベントを開催するそうですね。

はい、デビュー日当日の3月20日にイベントを渋谷の「SHIBUYA SCRAMBLE S」でやるんですよ。例えば友達代表で天木じゅんちゃんが来てくれたりとか、東京に出てきて一番古い戦友のみのりん(犬童美乃梨さん)が3年ぶりにお客さんの前に出てくれたりとか、後輩枠で三田悠貴ちゃんが出てくれたりとか。

ゲストがいろいろ変わりつつ、トークしながら10年を振り返っていけたらなっていうイベントをやります。ぜひ来ていただきたいです!

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