舘ひろし「面白いですよ、これ」19人の恋模様を描く繊細な描写に「全く、愛ってやつは…」＜舘ひろしシネマラウンジ＞

2025.03.14 12:00

ナビゲーターの舘ひろしが映画評論家の伊藤さとりと名作映画を紹介していく「舘ひろしシネマラウンジ」(毎週土曜よる6:00-9:00、BS10)。第7回目となる3月8日の映画は、豪華俳優たちが紡ぐ愛の群像劇「ラブ・アクチュアリー」だ。19人の男女が織りなす群像ラブコメディは、さまざまな感情を揺さぶられる。

豪華俳優陣の演技に目が奪われる「ラブ・アクチュアリー」

番組冒頭、映画初心者にオススメする作品について伊藤に問われた舘。ストレートに「選べません」と返したのは、「すごい責任じゃない？それを見て『つまらないな』と思われたら嫌だし…」とストレートな気持ちを吐露する。しかし「万人受けしそうな映画」を聞かれたところ、「面白いですよ、これ」と今回の放送で紹介する名作映画「ラブ・アクチュアリー」を挙げた。

なかでも舘が注目するのはヒュー・グラントの“弾けた演技”。英国首相に扮したヒューによるダンスシーンに、「センスが光る」とコメントしている。秘書がいるのを目にした途端、スッと何気ない顔で仕事モードに切り替えるところもキュートなシーンだ。さらにカレン役であるエマ・トンプソンが旦那の浮気に気がついて、その場で泣いたりせず自分の寝室で涙する姿を好きなシーンとして挙げる。いずれも人間の繊細な気持ちを表現する、丁寧な演出と言えるだろう。

また舘は同僚カールに長い間片思いしているサラ(ローラー・リニー)が、ずっと好きだった男性・カールを部屋に招待した場面も気に入っているという。部屋に来てくれた彼への喜びと興奮が抑えられず、「1秒待って」と伝えるサラ。見えないところでほんの少しだけ大はしゃぎしてから、何気ない顔で戻ってくる…そんないじらしさがとても印象に残っているようだ。

一方で、伊藤は同シーンについて”泣ける”とコメント。1回目は笑い、2回目は切なくなるシーンだと語った。「電話取っちゃだめだよ！って思いません？」「あそこで取る？電話」と2人で大盛り上がりするなど、大いに印象的なシーンであることがわかる。

「ラブ・アクチュアリー」は観たあとにたくさん語りたくなる恋愛物語

「ラブ・アクチュアリー」は代表作「フォー・ウェディング」「ノッティングヒルの恋人」で知られるリチャード・カーティスの初監督作品。19人の男女が織りなすさまざまな愛の物語で、出演者にヒュー・グラントやリーアム・ニーソン、コリン・ファースやエマ・トンプソンなどといった豪華な顔ぶれに注目だ。

「どこにでもある、だからこそ大切なたくさんの愛の物語」と銘打たれた同作は、クリスマスを迎えるまでに起こる9つの愛の物語を描く。ヒュー・グラントが恋する英国首相をコミカルに演じたと思えば、コリン・ファースが言葉の通じない相手に恋をする小説家を、アラン・リックマンとエマ・トンプソンが長年連れ添いながら“問題”が起きる夫婦を演じた。

俳優がそれぞれのカラーですごく楽しいと評価している舘。本作がもう一度観たくなるとっておきの話の1つとしては、「あの俳優は当て書き」を選んだ。当て書きとは、「この人ありきで書かれた脚本」という意味。たとえばデヴィット役のヒュー・グラント、カレン役のエマ・トンプソン、ナタリー役のマルティン・マカッチョンを舘は「当て書き」と推理する。特に「エマ・トンプソンは難しいもんアの役どころは、すごく」「彼女でしかダメでしょうね」と称賛している。

多くの登場人物が登場する「ラブ・アクチュアリー」を一言でまとめて、「全く、愛ってやつは…」と記載した舘。「『…』に続くのは？」と伊藤に聞かれた舘は、“面倒くさい”や“かわいいな”、“素敵だな”、そしてそれが「ラブ・アクチュアリー」だと締め括った。

3月15日(土)は「鑑定士と顔のない依頼人」

第8回目となる次回の「舘ひろしシネマラウンジ」は、「ニューシネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の「鑑定士と顔のない依頼人」が登場する。天才的鑑定眼を持つ、一流鑑定士兼競売人のヴァージル。人間嫌いの彼に届いたのは、「1年前に亡くなった両親が遺した家具や絵画を鑑定してほしい」という依頼だった。しかし依頼者である女性は決して姿を見せず…。

＜「ラブ・アクチュアリー」あらすじ＞

舞台は12月のロンドン。クリスマスを控え、多くの人々が浮き足立つ季節。イギリス首相は一目惚れした秘書のことで頭がいっぱいになり、恋人に裏切られ傷心の作家は言葉の通じないポルトガル人家政婦に恋をするーー。三者三様の恋模様を見事にまとめあげた人気作の結末は…。