天宮寺家の長男・努を演じる安井順平

<プライベートバンカー>遺言書巡るドロドロな攻防が展開した中、安井順平“努”のつぶやきに視聴者ツッコミ

2025.02.28 12:49
天宮寺家の長男・努を演じる安井順平

唐沢寿明が主演を務めるマネーサスペンスドラマ「プライベートバンカー」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第8話が2月27日に放送された。丈洋(橋爪功)の後継者争い。庵野(唐沢)が妻と長男の間で暗躍しながら、最後はまさかの展開が待っていた。(以下、ネタバレを含みます)

大富豪の資産を守るためなら“何でもやる”プライベートバンカーの活躍を描く

プライベートバンカーとは、富裕層を相手に資産管理や資産形成の助言を行うスペシャリスト、いわば“マネーのプロフェッショナル”。

唐澤は、圧倒的な金融知識と人脈を持つ“悪魔的”凄腕プライベートバンカーの庵野甲一を演じる。ビジネスの助言から家族間のもめごとまで、富や権力、名声を持つ富豪たちの資産や利益を守るためなら何でもやる存在。相続争いや愛人問題、裏金疑惑など、一家に渦巻く“金”にまつわる数々の問題を、卓越した金融スキルと、ときに罠や裏切り、巧妙な戦略など予測できない手法で鮮やかに打破していく。

庵野に一族のプライベートバンカーになることを依頼する資産7000億の大富豪で、外食業界のトップに君臨する「天宮寺アイナグループ」社長・天宮寺丈洋を橋爪功、経営の実権を握る副社長・天宮寺美琴を夏木マリ、天宮寺家の長男・努を安井順平、その妻・果澄をMEGUMI、天宮寺家の長女・沙織を土屋アンナ、次男・昴を吉田ウーロン太が演じる。また、庵野が信頼する助手・御子柴修に上杉柊平、庵野との出会いをきっかけに金融知識を身につけていくだんご店の二代目社長・飯田久美子に鈴木保奈美が扮(ふん)する。

遺言書での後継者争いが勃発

前回、美琴に対する沙織のクーデターは失敗。沙織は後継者争いから事実上脱落したが、今度は努が名乗り出た。丈洋が再び倒れ、命は取り留めたものの、認知症を発症。その診断が正式に下る前に決着をつけようというのだ。

ただ、美琴も動く。認知症の影響か、人が変わったかのように乱暴な物言いで経営に口を出す丈洋を見て、美琴は庵野に「今すべきはあの人に引導を渡すこと」と指示する。

努と妻の果澄は、丈洋が記憶を失っていることをいいことに、努を後継者に指名する内容のうその遺言書を書かせる。庵野はその一部始終を見ていたにも関わらず、努と果澄を後押しするように、遺言書は死後に効力を持つものであるからと、いますぐ取締役会での承認をとれるようにできる助言をする。

ところが、その取締役会に、出張中の美琴が天宮寺家の弁護士・加賀谷(近江谷太朗)を送り込んだ。加賀谷が託されていた丈洋が正式な手続きの元で作成したという遺言書には、美琴を後継者にする内容が書かれていた。

庵野は、遺言書が複数ある場合には、日付けの新しいものが有効とみなされると語った。

美琴と努の攻防は、驚くべき展開へ

久美子から「どっちの味方につくんです?」と聞かれた庵野は、「プライベートバンカーとしては…どっちもですね」と答えた。庵野が丈洋に託されたのは、天宮寺家の資産を守ることなのだ。

家族一同が集まった場で、昴が新たに遺言書を書いてもらったと見せるが、怒りに任せて努が破り捨てた。それを見た庵野は、民法891条で「相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、また隠匿したもの」は相続人の資格を失うと告げた。

実は美琴による巧妙な作戦であった。ところが、その後に庵野の指摘によって美琴が持っていた遺言書も不正であることが分かる。そこから、努と果澄の言い合いを含めて、それぞれが本心をさらけだしていく。美琴が「後継者としてふさわしいのは当然私よ」と言えば、沙織が「あなたは傲慢で、平気で人を食い物にして、ちっともふさわしくない!」と憤り、美琴が「私がどれだけ自分を犠牲にしてきたと思ってるの?」と返すと、努が「よく言うよ、犠牲になってたのは俺たち子ども」と言って昴もそれに賛成した。

丁々発止のやり取りが続いたあと、驚くべきことが起きた。「話はすべて聞かせてもらった」と丈洋が現われ、車いすからスッと立ち上がって歩き出したのだ。

この場面、「父さんが…立った…」と昴が思わず口にすると、努が「クララ」とボソッとつぶやいた。視聴者からは「クララ言うな」「いや、思ったけどさ~」「ジワる」などとツッコみが入り、笑いをもたらした。

それを経て、丈洋の認知症疑惑は、一族の本音を引き出そうと庵野が仕組んだ「家族の欲あぶり出しスキーム」だったと明らかに。会社の未来よりも自分の私欲を満たそうとしていることが分かった丈洋は、庵野と共にどんな決断をするのか楽しみだ。

次回、3月6日(木)放送の第9話が最終回となる。今回は遺言書について知ることができたが、庵野が繰り出す最終の“スキーム”に期待が募る。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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