

過酷な人生を歩む主人公の“手の外科医”としての第一歩…フランス医大の想像を絶する現実を目の当たりにし、読者も「デスゲームすぎないか」の声【作者インタビュー】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、週刊少年サンデーで連載中の『テノゲカ』からフランスの医大に来た日本人学生が、衝撃の現実を目の当たりにする『フランスの大学の医学部入学生は1年目で90%が消える話』(単行本6巻に収録)をピックアップ。
作者の新井隆広さんが12月18日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、2.7万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、原作・詩石灯さん、漫画・新井隆広さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
“手の外科医”を目指す主人公が、第一歩を踏み出した先は想像以上に殺伐としていて…
主人公・手塚一心は、世界一の手外科医を目指す第一歩としてフランス・アルザス大学に来ていた。「弱肉強食の地獄」「フランスの医学部一年で友人を作ることは不可能」と聞かされていたが、出会った先輩たちは親切で優しく、その話は信じられなかった。
そう思ったのはつかの間、ピリピリとした雰囲気を感じてきた。前を歩いていた学生がカバンから荷物を落としたので、拾ってあげたが彼は気づいていない様子だ。急いであとを追いかける。オリエンテーションの会場にて落ち合うことができた。
彼の隣の席に座ることにした。彼はパンを食べようとしたが、先ほど落としてしまったので中身がぐちゃぐちゃ。食べられそうにもなかった。その様子に気付いた一心が自分のパンを半分分けてやった。
オリエンテーションが終わるころ、彼に「お前、足は速いか?」と尋ねられた。まあまあと答えると「荷物しまって走る準備しな」と言われた。そしてオリエンテーション終了と同時に彼の「走れ!」の合図で走り出した。訳も分からず走る一心。
教室に辿り着くと、「教室が満席になった時点でその講義を受けられない」という衝撃の事実を知った。一心は、次の講義では完全に出遅れてしまい、教室に着いたころにはもう席は空いてなかった。
「おい」。声がする方に振り替えると先ほどの彼が隣の席を確保しておいてくれたのだ。財布と昼飯のお礼だそうだ。彼の名は、“ジャン・ジャック・バレ”。一心はこれも何かの縁と思い、友達になることを申し出るが、彼から再びフランスの医大に関する衝撃の事実を聞かされる。
フランスの医学部一年で友人を作ることは不可能…“医学部”の殺伐とした状況に「興味を惹かれた」「めちゃくちゃ興味わいた」と反響。“手の外科”をテーマとした本作に「手外科知らんかった!!勉強になる!!」「神漫画」「グッとくる漫画」と話題になっている。日本とは違うフランス医大の恐ろしすぎるシステムに、「こわすぎる」「ヒエっ」「デスゲームすぎないか」との声も。「こんな引き込まれる漫画いつぶりだろう」「おもしろいからみんな読んでほしい…」「めっちゃ面白い」とハマっている読者が続出している。フランスの医学部について意見を交わす読者もいた。また、実際のフランスの医大について知る読者からも「解像度高い」との声が寄せられている。
解像度の高さが話題に…フランスの医学生、研修医、戦場、日本での名医と駆け抜ける“手の外科医”を描く原作・詩石灯さん、漫画・新井隆広さんにインタビュー
――『テノゲカ』はどのようにして生まれたのでしょうか?きっかけをお教えください。
詩石灯 世の中に「手」を専門とするお医者さんがいると知ってとてもビックリしました。調べてみたらとても興味深いお仕事だと思ったからです。
新井 原作の詩石灯先生から作画のお話をいただきました。自身初の医療漫画だったので非常に魅力的な挑戦だと感じました。
――主人公・手塚一心のキャラクター性(性格や言葉、服装などのデザイン)へのこだわりをお教えください。加えて、“医療”を描く上で意識されていること、気を付けていることがございましたらお教えください。
詩石灯 絵に関してはキャラも手術シーンなども新井先生の力に頼りっぱなしです。
新井 一心は幼少期や、フランスでの学生、研修医であった時期、日本で名医として活躍している時期など様々な年代で作中登場しているので折々の年頃、心境にあわせた表情は意識し
て描いています。
――色々な国、大学・医学部がある中でフランスという国を漫画に鍵として登場させた理由がございましたら、お教えください。
詩石灯 「手外科」は日本ではまだまだマイナーで知名度が低いように思いますが、フランスではとても有名です。国際的にもフランスは手外科の世界でかなりの先進国だそうです。街中に「手外科専門病院」があったりもします。その文化の違いがとても面白いと思ったからです。
――今回の『フランスの大学の医学部入学生は1年目で90%が消える話』に関しまして、フランスの現役大学生やご家族からも「解像度が高い!」との声が寄せられているようですが、解像度の高さの理由をお教えください。実際の仕組み等だけでなく、作画部分のお話も含めてお伺いしたいです。
詩石灯 監修に入っていただいている順天堂浦安病院の市原准教授やその紹介でお会いした日本・フランスの手外科医さんたちを丹念に取材させてもらったおかげだと思います。実際にお会いする手外科の世界的レジェンドたちの話はやはり圧倒的にリアリティーと迫力がありますから。あとはもちろん新井先生の漫画表現力のおかげです。
新井 医療シーンでは監修の市原先生の資料提供やチェックが大変ありがたいです。作画面では
監修の市原先生の資料提供や先生ご自身がフランスで体験されたお話をうかがえたことが大変大きいです。
――『テノゲカ』に関することや、ご自身のことで今後の展望や目標をお教えください。
詩石灯 『テノゲカ』は連載開始から2年が経とうとしており、当初に僕が構想した物語の7合目あたりまで来ることができました。ゴールまであともう少しです。応援してくださる読者の皆さんの後押しのおかげできちんと連載を続けることができ最後まで自由に描かせていただけることに感謝しかありません。
新井 いよいよ戦場に向かう一心。これまでと一線を画す舞台をしっかり描けるよう頑張りたいです。現在の手外科の医療の現場、さらには近い未来一般的になるであろうロボットを用いた手術などを描いた医療シーンは勿論ですが詩石灯先生が紡ぐ手塚一心という人間の旅路に注目していただきたいです。人は一人では生きてはいけないということに一心が気付いた時読者の方々の心に何かが残ったら嬉しいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やフォロワーの皆さんへメッセージをお願いいたします。
詩石灯 いつも応援ありがとうございます。大団円まであともう少しですが最後までお付き合い頂ければ幸いです。
新井 両親を失った痛ましい過去、唯一の親友の死。喪失に満ちた一心の旅路がどのような結末を迎えるか、ぜひ最後まで見守っていただきたいです。
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