

舘ひろしが「名作の方程式」と評した映画「グリーンブック」実話を元に描かれた1960年代の妙味<舘ひろしのシネマラウンジ>

舘ひろしがナビゲーターを務める「舘ひろしのシネマラウンジ」(毎週土曜よる6:00-9:00)。映画評論家の伊藤さとりと共に、さまざまな名作映画の見どころや秘話などを紹介していく。5回目となる2月22日の映画はピーター・ファレリー監督の「グリーン・ブック」を放送した。第91回アカデミー賞で作品賞・脚本賞・助演男優賞を受賞した名作で、実話を元にした同映画。舞台は1960年代人種差別が残るアメリカ南部、演奏ツアーを行う黒人ピアニストと用心棒兼運転手として雇われたイタリア系アメリカ人のロードムービーとなっている。
魅力がたくさん詰まった名作「グリーンブック」
3月といえばアメリカのアカデミー賞など、映画賞の発表が近づいてくる季節。舘自身も映画「終わった人」(2018年)で第42回モントリオール世界映画祭で最優秀男優賞、第42回日本アカデミー賞で優秀主演男優賞などさまざまな賞を獲得している。そんな話が伊藤から振られると、舘は「あれはもう、たまたまというか」「字幕でやるじゃないですか。そうすると、僕の活舌の悪さのがあんまり目立たない…」と謙虚なジョークで笑いを誘う。
同作を放送するにあたり、「グリーンブック」の注目ポイントをいくつか挙げた舘。「細かい伏線がしっかりと回収されている」「ラストシーンの奥さんの表情が最高」など列挙するなかで、自身が役者だからこそ気がついた「カメラを意識した繊細な芝居」を解説する。特にわかりやすいのは、車の中でチキンを食べていた運転手のトニー・リップがゴミを外に投げ捨てた際、後ろに乗っている黒人ピアニストのドクター・シャーリーが信じられないといった表情でゴミの行方を目で追うシーンだ。
本来であればシャーリーはゴミが投げ捨てられた側=左ハンドルのため左手の窓側に振り向くのが自然なはず。しかしシャーリーは助手席側から撮影しているカメラの位置を考慮して、あえて“右を向いて車の後方を見る”のである。窓側に顔を向けてしまうと表情が見えなくなることから「監督がそういう風に求めるんですよ」と考察する舘は、そうしたささやかだがこだわり抜いたアクションの1つひとつに「映画的だな」と感想を述べる。
またもう一度観たくなるとっておきの話には「オープニングのマル秘演出」「息子が映画化」「演奏シーンは合成」「合計20キロの増量」「爆笑の食事シーン」といった裏話が紹介していく。
そのなかで話題が舘が“俳優を目指したきっかけ”に移った際は、「最初にかわいがってくれた先輩」として「今の僕があるのはやっぱり、渡さんのおかげ」と渡哲也の名前が挙がる。「西部警察」のチーム入りをする前、初めて顔を合わせた渡は大先輩であることを鼻にかけず立ち上がって握手してくれたという。その丁寧な姿勢に感銘を受け、「ひろし、お前には華がある」という渡の言葉を信じて俳優活動を続けてきたと尊敬の念を明かした。
「グリーンブック」は名作の方程式
監督はコメディ映画の名手で、「メリーに首ったけ」や「ジム・キャリーはMr.ダマー」、「愛しのローズマリー」などを手がけたピーター・ファレリー。メインキャストはトニー・リップ役にヴィゴ・モーテンセン、ドクター・シャーリー役にマハーシャラ・アリとアカデミー賞俳優たちがそろう。
用心棒を務めるトニーは無学でガサツ、対してシャーリーはホワイトハウスでも演奏したことのある著名な天才ピアニスト。住む世界の違う2人がある縁で旅をともにするのだが、道中のさまざまなタイミングで見られる“ズレ”が面白い。舘も挙げていたが、手紙を書くトニーが「追伸はどうする」と聞くシーンが象徴的。「交響曲の最後にブリキの太鼓を?」というシャーリーの高尚な皮肉に、まったくピンと来ないトニーは「“いい”ってことか?」と返す。それを聞いたシャーリーは、顔にじんわりと笑顔を浮かべて「完璧だトニー」とこぼす。トニーの雑な大らかさに感銘を受けるシャーリー、シャーリーの知性に触れて世界を広げるトニー。2人だからこそのやり取りが、同作最大の魅力だ。
名セリフも数多くある「グリーンブック」だけに、一言で「グリーンブックは名作の方程式」とまとめた舘。映像が良い、シチュエーションが良い、脚本が素晴らしいと手放しに絶賛する。1960年代の人種差別が色濃く残る当時のようすが描かれている本作を、「ぜひ観てほしいですね。本当に」と締め括った。
3月1日(土)放送の戦争ドラマ「U・ボート」
次回の「舘ひろしのシネマラウンジ」は、「ネバーエンディング・ストーリ」や「ポセイドン」、「ザ・シークレット・サービス」で知られるウォルフガング・ペーターゼン監督の「U・ボート」をお届けする。第二次世界大戦下、一隻の潜水艦が連合軍の輸送船を撃沈するために出航。道中で起きるさまざまなトラブルや戦闘の緊迫感を、息苦しい潜水艦のなかというシチュエーションで描く。
<あらすじ>
第二次世界大戦下の1941年、ドイツ占領下の北フランスにあるラ・ロシェル港から1隻の潜水艦(U・ボート)U96号が出航した。大西洋を航行する連合軍輸送船の撃沈を任務とし、実践経験の乏しい若者たちを乗せて出撃する。閉塞感のある艦内や、気候をはじめとしたさまざまなトラブル、過酷な戦闘シーンに注目してほしい。
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