「クジャクのダンス、誰が見た?」で検事・阿南由紀を演じる瀧内公美

瀧内公美が語る“展開が読めない役”の難しさ 広瀬すず“心麦”は「より芯が通った強い存在」<クジャクのダンス、誰が見た?>

2025.02.28 07:00
「クジャクのダンス、誰が見た?」で検事・阿南由紀を演じる瀧内公美

金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系/U-NEXT、Nettflixで配信)の第6話が、2月28日(金)に放送される。このほど、本作で検察庁“本部係”の検事・阿南由紀を演じる瀧内公美にインタビューを敢行。何やら裏がありそうな阿南を演じるにあたって心がけていることや、印象に残っているシーン、さらには“リュックの男”についても語ってもらった。

「このマンガがすごい!2024」ランクインの大人気漫画が待望のドラマ化

本作は、月刊漫画雑誌「Kiss」(講談社)にて連載中で、「このマンガがすごい!2024」(宝島社)オンナ編の第4位にランクインした浅見理都の同名漫画をドラマ化。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫る姿を描くヒューマンクライムサスペンスだ。

父が殺された理由を追う大学生・山下心麦を広瀬が演じるほか、心麦と共に事件の真相を追う弁護士・松風義輝役を松山ケンイチ、殺された心麦の父・山下春生役をリリー・フランキー、心麦を執拗に追う週刊誌の記者・神井孝役を磯村勇斗が務める。

さらに、心麦を取り巻く人物として松風の弁護士事務所の共同経営者・波佐見幸信役に森崎ウィン、心麦と春生が通う屋台ラーメン店の店主・染田進役に酒井敏也、心麦の母・山下静香役に仙道敦子、心麦の伯母・木村夏美役に原日出子、心麦の小学校時代からの友人・ありさ役に清乃あさ姫、春生の捜査一課時代の部下・赤沢正役に藤本隆宏、赤沢の妻・赤沢京子役に西田尚美、その息子・赤沢守役に野村康太が決定。

事件に関わる人物にも、検事・阿南由紀役の瀧内公美、捜査一課の若手刑事・秋貞隆雄役の絃瀬聡一、東賀山署の刑事・西陣誠役の斉藤優、22年前に起こった一家惨殺事件の犯人として逮捕された死刑囚・遠藤力郎役の酒向芳、遠藤の息子で春生を殺害した犯人として逮捕される遠藤友哉役の成田凌ら、豪華キャストが集結。謎が謎を呼ぶストーリーを盛り上げていく。

広瀬すずは「どんな場面でも安定感がある女優さん」

――阿南という役を演じるにあたって心がけていることは何でしょうか?

阿南は物語の中でキーマンの1人だと思っています。その中で、阿南が誰とつながっているのか、そしてその目的は何なのかが視聴者の皆さまにとって重要なポイントになっているのではないでしょうか。

最後はどんな展開になるのか、犯人は誰なのか、演者たちも隠されている作品なので私自身、最初に脚本を読んだときは、阿南と対峙する人物がどんな関係性なのか、どんな背景があるのか分からず戸惑いました。原作を読み込んでも物語の沼にはまるばかりで(笑)、そういった展開が読めない役を演じることが初めてだったので、どう演じようかと悩みました。

物語の全体を知っているのは制作陣だけなので、どう演じればいいのか、どういう役割を果たせばよいのか、相談させていただいています。通常、キャラクターの行動には理由があるはずですが、それが分からないところもあって。どういうトーンで話せばいいのか迷うことも多いので、演出を確認して、それに合わせていく作業をしています。

また、検事という役柄ですので、監修の先生にご指導いただいたり、実際に裁判を傍聴したりして、検察官の立ち振る舞いや弁護人と裁判官との関係性を学びました。他にも検事が登場する映像作品を見て研究しながら、役作りを進めています。

――向き合うことが大変な役柄だということが伝わってきます。

誰とどう関わっているのかが明確ではないので、役としての感情をどう作ればいいのか悩んでいますね。サスペンス味が強い作品ですので、視聴者の皆さまを引きつける要素が求められますが、私自身がキャラクターの全貌を知らないまま演じているので、そのあんばいが難しいですね。

――本作の主演を務める広瀬さんの印象を教えてください。

映画「海街diary」(2015年)の頃から広瀬さんを見ていますが、あの少女がこんなに成長するんだとお会いするたびに驚いています。さまざまな作品を経験する中で、年々存在感が増していて、どんな場面でも安定感がある女優さん。常にフラットで、物事を達観して見ている印象がありますね。

――阿南の目に心麦はどう映っていると思いますか?

原作では弱さの中に強さがあるキャラクターでしたが、広瀬さんの演じる心麦は、より芯が通った強い存在に見えました。

“リュックの男”は「まだよく分かっていないんです(笑)」

――藤本隆宏さん演じる刑事・赤沢正と対峙するシーンもありますが、藤本さんの印象は?

お芝居では渋みのある熱量が高い演技をされるんですが、「テディベア」みたいな方で、カットがかかると「ごめんなさい!」と恐縮されるので、その姿がかわいらしくてギャップが魅力的です。すごく真面目な方で、いつも一生懸命練習されている姿を見て、私も見習わなきゃと思いますね。

――ここまでの放送で印象に残っているシーンはありますか?

心麦と松山ケンイチさん演じる弁護士・松風義輝の丁々発止な掛け合いシーンが好きですね。サスペンス要素が強い作品だと全体的にトーンが暗くなりがちですが、2人の掛け合いシーンは軽快でポップなやりとりで、作品全体のバランスを取る役割をしていると感じました。

また、磯村勇斗さん演じる記者の神井孝が登場するとワクワクします。もともと磯村さんのファンで、彼の出演作はほぼ見ていますが、特に彼の身体の使い方がすごく好きなんです。動きを見ているだけでワクワクさせてくれる俳優さんですね。

――今のところ、神井が阿南と絡むことはなさそうですね。

どうでしょうね?(笑) もし共演するとしたら、神井さんにはあのなんとも言えない"いやらしさ"と"チャラい"雰囲気で登場してもらいたいなと思います。

――阿南は謎に包まれている“リュックの男”と接触していますが、どんな人物なのでしょうか?

実は私自身もまだよく分かっていないんです(笑)。今後も阿南とリュックの男が対峙するシーンが出てくると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。周りの友人や知人からも「あの男は誰なの?」と聞かれることが多いですね。

第6話は「阿南の生い立ちやなぜ検事になったのかが明らかに」

――「信じること」がキーポイントになっているドラマですが、瀧内さん自身が何かを信じるときに大切にしていることは?

「期待をしないこと」です。信じ抜いた先の裏切りって、結局は「期待」の問題だと思うんです。「こうなるはず」と期待すると、それが裏切られたときにショックを受ける。何も求めず、ただただ無垢な気持ちで信じていると、相手の選択を冷静に受け入れられるんですよね。

ですので、私は「自分が信じると決めたから信じる」ようにしています。そうすることで相手の行動に一喜一憂せず、ただその人の選択を尊重できるようになると思うので。もちろん自分に対しても期待はせず、結果を気にせず、あるがままを信じています。

――第6話の見どころを教えてください。

阿南の生い立ちやなぜ検事になったのかといった過去が分かる回になっています。そして他の登場人物に関しても過去が徐々に見えてきます。個人的には、心麦に事情聴取する前に、阿南が心麦と松風さんと対峙するシーンがありまして、松山さんとのやりとりが非常に面白く、楽しくお芝居をやらせてもらいましたので見どころの1つです。

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