2024年に見たB級映画について語る染谷俊之

“キラー”が付く作品にハズレなし? 染谷俊之がおすすめする「B級映画」

2025.02.27 19:00
2024年に見たB級映画について語る染谷俊之

俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第37回のテーマは「B級映画」。2024年に見た作品の中からベスト3を選んでもらいました。

定番の「サメ」を超える、海系モンスターパニックとは?

──今回のテーマは久々に「B級映画」です。本連載では過去に「サメ映画(第5回)」、「ゾンビ映画(第7回)」、「B級映画(第16回)」と3回実施しましたが、B級映画好きを公言している染谷さんにまたまた大いに語ってもらいます。早速ですが第3位を発表してください。

たくさんあって選ぶのが難しいんですが、『THE POOL ザ・プール』(2018年・タイ)にしましょう。あらすじは、翌日に閉鎖されるプールがあって、主人公はそこで浮き輪を付けて寝ていたんです。そうしたら誰かに水を抜かれてしまい、水深6mのプールに取り残されて出れなくなってしまうというサバイバル・スリラーです。

──バラエティ番組のドッキリ企画がリアルに起こったような内容ですね。

それだけではなくて、どこからか逃げ出してきたワニがプールに落ちてくるんです。脱出できないし、ワニもいるしで最悪のシチュエーションになります。

──プールに取り残されたのは主人公だけですか?

もう1人、主人公の彼女もいます。その登場シーンがすごくイライラさせられるんですよ! 彼女はプールの水がまだ少しあるタイミングで来るんですが、なぜかプールに飛び込もうとするんです。そこで主人公が大声で「やめろ、水がないぞ!」と教えるんですが、彼女は滑って後頭部を強打して、そのままプールに落ちちゃう。「お前、何やってんだよ!」って思わずツッコミました(笑)。

──B級映画によく登場する間抜けキャラですね(笑)。

そうなんですが、ストーリーとしては全然ふざけてなくていたって真面目。なのでB級映画と呼ぶとちょっと失礼になってしまうかもしれません。ただ、他にもちょいちょいイライラさせられます。例えば、まだ水がちょっとあるときになぜかピザの配達員が来るんです。でもちょうどそのときに運が悪く、主人公のウォレットチェーンみたいなものがプールの排水溝に絡まってほどけなくなって、その間に配達員は気付かずに帰っちゃう。そんなもどかしいシーンが多々あります。

──それでも3位に選んだ理由は?

とにかく主人公がツイてなくて、イライラさせられるんですが、常にツッコミを入れたくなるところです。ワニと対峙するシーンもいくつかあるんですが、どれもツッコミどころが満載なんですよ。あるシーンでは、主人公が脱出ルートを探してプールの排水溝の蓋を開けるんです。そうしたらなぜかワニが先にその中に入っていっちゃうんです。それってワニを閉じ込めるチャンスじゃないですか? すぐに蓋を閉めればいいのに、なぜかそうしない。終始そんなことばかりなんですよ。これまでタイ映画はあまり見たことがなくて、タイの人たちにとってこの作品はB級という認識はないかもしれませんが、おそらく彼らもイライラしながら見ていたと思います(笑)。

【染谷’s 3ツ星チェック】

ストーリー:★★☆

ハラハラドキドキ度:★★☆

ツッコミ度:★★★

──続いて第2位を教えてください。

『キラーカブトガニ』(2021年・アメリカ)です。B級映画といえばサメが定番で僕も好きなんですが、「サメの時代は終わった、ヤツらは海からやってきた…」というキャッチコピーに惹かれて、見てみようと思いました。

──どんな内容ですか?

廃炉になった原子力発電所が爆発しちゃって、カブトガニが放射線を浴びて変異して次々に人を襲っていくというストーリーです。ところが単純なモンスターパニックではないところがすごい。主人公は車椅子の少年なんですが、すごく頭が良くていろいろな発明をして、最後はカブトガニから逃げながらも自分で作った機械で歩けるようになるんです。そんな感動する要素も含まれていて、純粋に面白かったです。

──B級らしからぬ感動巨編ですか?

いや、そんな真面目でも巨編でもないですけど(笑)。ただ、見る前はくだらないB級映画だと思っていたんですが、いい意味で予想を裏切られました。もちろんくだらないシーンもあるんですが、役者がすごく真剣に芝居しています。しかも役者たちに華があって、カブトガニのCGのクオリティも悪くない。もちろん人はたくさん殺されるんですが、暗くならずポップに描かれていて、明るい作風に仕上がっています。

──カブトガニはどのくらいの大きさなんですか?

大量発生していて、大きさは3段階ぐらいあります。最初は小さいんですが、次に人型くらいになって、最終的には建物のビルほどの大きさになります。それで最後は超巨大なカブトガニと、車椅子の少年が作った巨大メカが戦うという展開になります。

──B級らしい、わけが分からなくなっていく展開ですね。

B級映画の雰囲気を残しつつも、少年がいろいろな困難を乗り越えていく過程の中に恋愛や兄弟愛といった要素も散りばめられていて、ストーリーとしてはすごくしっかりしています。B級映画初心者の方にぜひおすすめしたいです。

【染谷’s 3ツ星チェック】

ストーリー:★★★

ハラハラドキドキ度:★★★

ツッコミ度:★★★

1位は「ひたすら可愛い!」と染谷絶賛の殺人アニマル

──いよいよ第1位の発表です。染谷俊之が選ぶ、最近見たB級映画ベスト1は?

『キラー・ナマケモノ』(2023年・アメリカ)です。タイトルに“キラー”が付くB級映画ってけっこうあって、何気に良作も多いんですよ。こちらはそのままのタイトルで、殺人ナマケモノのお話です。作品の説明文を見ると、ホラーコメディって書かれているんですが、実際見てみるとコメディ要素は一切ありません。

──どういったストーリーでしょうか?

大学の女子寮が舞台で、そこに暮らしている女子学生が主人公です。彼女は生徒会長を目指しているんですが、その大学ではSNSを活用した投票によって生徒会長が決まります。要はいちばん有名な学生が生徒会長になれるという仕組みです。なので彼女は女子寮でナマケモノを飼ってSNSに投稿することで人気を集めようとするんですが、それが実は殺人ナマケモノだったというストーリーです。

──ナマケモノがどんどん学生を襲っていくんですか?

そうです、寮で暮らしている学生たちはほぼほぼ殺されます。とにかくツメが鋭くて、それで切り殺していきます。

──見どころはどのあたりでしょうか?

ナマケモノの見た目や動きがすごく可愛らしいんですが、CGやアニマトロニクスではなく、操り人形みたいなものを使って、7人もの人間で動かして撮影しているところです。そのクオリティの高さに驚かされます。あとはメッセージ性。単なるホラーではなく、現代のSNSの在り方や環境問題についても切り込んでいます。ただ、キラーナマケモノがなぜ生まれたのかは描かれていません。ジャングルで猟師に麻酔銃を撃たれて捕獲されてきたんですが、元からワニを倒すくらい強かったんです。さらに頭も良くて、パソコンを使いこなします。なぜそうなったのかをあえて描かないところに、何かメッセージが隠されているんだと思いました。

──1位に選んだポイントは?

ストーリーがすごくしっかりしていて、お金もかけていて製作陣の熱意がヒシヒシと伝わってきたところです。B級映画ならではのツッコミどころはあまりなく、純粋に良質な作品に仕上がっていました。そして何と言ってもキラーナマケモノがひたすら可愛いところですね。

──ネタバレしない程度に結末を教えてください。

あれ、最後どうなったんだっけ? 結末が思い出せないのがB級映画なんです(笑)。見ているときは楽しくて引き込まれていくけど、何も頭に残らない。これぞ、まさに1位にふさわしい作品です。B級映画にありがちなお色気シーンはなくて、殺人の描写もそこまで過激ではないので安心して見られる作品です。

【染谷’s 3ツ星チェック】

ストーリー:★★★以上

ハラハラドキドキ度:★★★

ツッコミ度:★☆☆

「世界が変わった」というプライベートでの一大転機とは?

──ここからは別の話題に移り、“染様”のプライベートに踏み込んでいきます。最近起こった個人的なニュースはありますか?

昨年末にICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けました。以前からずっと受けたいと思っていたんですが、なかなか時間が取れず、ようやく実現しました。子供のころから目が悪くて、中学生のときは授業中にメガネをかけていて、高校からはずっとコンタクトレンズを付けていました。視力は裸眼で両目ともに0.06だったんですが、ICL手術を受けて1.5になりました。

──どんな手術だったんですか?

手術自体はすぐに終わりました。右目5分、左5分ずつくらいで、眼球をメスで3ミリくらい切って、その中にレンズを入れるんです。目薬のような部分麻酔をするので痛くはないんですが、意識があるのでなんだか変な感じでした。ずっと光を当てられているので、眩しくて(手術の様子は)見えないんですが、宇宙人にさらわれて人体実験をされているような感覚でめっちゃ怖かったです(笑)。手術のあとはずっと視界がぼやけていたんですが、次の日の朝に目覚めたら視力が1.5になっていました。

──視力が良くなって、生活はだいぶ変わりましたか?

そうですね。これまでは朝起きたらまずメガネをかけて、その後にコンタクトレンズを付けて1日過ごして、夜寝る前に外すというのがずっと習慣だったので、それがなくなって最初は違和感がありました。でもコンタクトレンズを付けなくてもよく見えることにすごく感動しています。そんなことはもう何十年もなかったので。景色が全然違うんですよ。遠くの方までよく見えて、それこそ木の葉っぱ1枚1枚までくっきり判別できます。最近はジムに通っていて体を鍛えているんですが、景色がよく見えるので無駄に外に走りに行くようにもなりました。

──ファンの方たちの顔が1人1人よく見えるようになるなど、舞台上からの景色も変わりますかね?

今までもコンタクトレンズを付けていてよく見えていたのでそこは変わりませんが、役によってカラーコンタクトを付けることがあります。視力が悪かったときはレンズ(度)入りのものしかダメだったので、カラーの種類が限られていました。でも今後はいろいろなカラーを付けられるようになるので楽しみです。ファンの方に新たな一面を見せられるんじゃないかと思うので、そこにも注目してください!

取材・文=河合哲治郎

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