日曜劇場「御上先生」への出演で話題の新原泰佑にインタビュー

“御上先生の兄”新原泰佑インタビュー「御上孝が生徒たちに何を教授していくのか見届けてほしいというのが、兄としての思い」

2025.02.23 07:00
日曜劇場「御上先生」への出演で話題の新原泰佑にインタビュー

毎週日曜、TBS系にて放送中の日曜劇場「御上先生」(夜9:00-9:54)。本作で松坂桃李演じる“官僚教師”御上孝の目の前に亡霊となって現れるのが、彼の兄である御上宏太だ。本作では中学生の御上と生前の宏太のシーンも描かれてきたが、2月23日(日)放送の第6話では御上の過去、そして宏太の身に何が起きたのかがついに明かされる。今回、御上宏太を演じる新原泰佑にインタビューを敢行。自身の役どころや本作への思い、さらには自身の大切にしていることなどについて語ってもらった。

「日常の部分を濃くすることで、宏太の不在が大きな“穴”となるように」

――今回ご出演されている「御上先生」について、オファーを頂いた際の印象はいかがでしたか。

オーディションを受けさせていただいたんですが、その中で御上宏太というキャラクターをオファーしていただきました。最初は松坂桃李さん演じる孝のお兄さん役ということだけ伺っていたので、「松坂桃李さんのお兄さんとは年齢的にもどういう状況だろう?」と思っていました。

それから役柄の設定や企画書、脚本を読ませていただいて、「これは重要な役だな」と。自分に任せていただけたのであれば、僕で良かったと思ってもらえるようなお芝居をしなければならないという、責任感のようなものがとても生じています。

――今回新原さんが演じられている御上宏太という役どころの印象について教えてください。

宏太は人より視野が広いというか、「見えすぎちゃった人」だなっていうイメージがありました。本来なら見えなくてもいいところまで見えてしまう人って、実際にもいると思うんです。

宏太の場合は、そこに「知りたい」という知識欲があって、「なんでこうなってしまうのか」という疑問をそのままにしておけず、それを正したくなってしまう、自分の中で正解を見つけたくなってしまう人で、さらに加えて強い正義感の持ち主だったという。この三つが重なったことで悪い方向に行ってしまったキャラクターなんだろうなと思っています。

――宏太は高校時代にあることに絶望し自ら命を断ってしまうという難しい役どころだと思いますが、一方で生前の宏太の生き生きとしたシーンも登場します。そうした生前の宏太のシーンは演じていていかがでしたか。

僕は宏太としての最期を迎えてしまうシーンではない、普段のシーンの密度をすごく濃くしたいと思って撮影していました。初めの密度を濃くすればするほど、火が消える直前に激しく燃えるように最後の一瞬の激しさが際立って、最期が大きな「穴」になって終わっていくんじゃないかなと思って。

宏太がいなくなったという事実が、残された人たちの心に大きな穴をもたらしたことの説得力が増すように、1話で描かれたような日常の部分を濃くすることでその後の非日常というか、シリアスになっていく感じとのギャップを作りたいなと思って演じていました。

「宏太の人生を最後まで全うしてあげないといけない義務感が生じた」

――現代では松坂桃李さん演じる御上孝にしか目視できない存在として、遠目から弟を見つめているというシーンがほとんどかと思いますが、このシーンで共演された松坂さんとはどんなお話しをされましたか。

演技についてお話しする機会はあまりなかったんですが、第6話の撮影の休憩時間に僕が現場で1人演技プランを考えている時に松坂さんがちょうどいらして、その後のシーンのプランについて相談させていただきました。

「ここはこうだよね」「ここはこうしたらここで止まったほうがいいよね」「でもここで止まったら逆にカメラ動かしにくいよね」とか、役者として演技の話をするだけではなくて、もう一つ先の作り手側のことまで見据えた話を伺えたことが、僕はすごく嬉しかったです。

「より良く、より効果的に撮れるのは何か」みたいなところを松坂さんとお話しできたのは、そんなに長い時間ではなかったんですが、僕の中ではとても濃密で良い時間に感じました。

――第6話では宏太に関する事実がついに明かされますが、台本を読んだ時はどのように感じましたか。

変にウッとなるわけではなく、理解できないわけでもなく、どちらかというとスッと入ってくるというか。それは宏太の言動がスッと入ってしまうような自分のマインドが存在したからなのか、それとも新原泰佑として宏太に対する愛情や優しさから来る受け入れ方なのか、自分でも定かではないんですが、拒否反応みたいなものは全く無くて。むしろ宏太の人生を最後まで全うしてあげないといけない義務感のようなものが生じました。

――第6話ではついに宏太が孝と関わるシーンも出てきますが、その場面を演じる際はどのような意識で演じられましたか。

亡霊のように現れる存在ではあるんですけど、宏太本人には多分亡霊という自覚がないというか、御上先生の見る幻なのかもしれないし。ドラマとしてはすごく面白い展開だと思うんですが、いざやるとなった時に、「もうこの世にいない存在が現実世界にいるというSF的な存在だけどそうは見せない」みたいなこの感じってすごく難しくて。ホラー映画とはまた違うんですよね。

(物語上は)現実ではあるんだけど、歯車が噛み合ってそうでギリギリ噛み合ってない感じを表現するために、自分の中でも何回もやらせていただいたシーンではあったので、結構監督とも相談しつつ演じていました。

大物劇作家から授けられた“Be always brave”への思い

――新原さんご自身が、宏太のように自分の中での「正義」や「正しさ」を貫くために行動を起こしたことはありますか。

「間違ったものを正したい」という宏太の言葉があるんですが、僕自身はやっぱり「一人が何かをやろうとしても物事は動かないな」って思ってしまって。ただ、「パーソナルイズポリティカル」(=個人的なことは政治的なこと)というあの宏太のせりふはその通りだと思うんです。だから宏太は何も間違っていなくて。

僕自身は、自分の中の正しさを他人にぶつけることはないけれど、皆さんも思うことは絶対あると思うんです。僕もそれを押し殺して生きている1人でもあるので、だからこそ宏太の行動力は凄いなと思ってしまいます。そこまで踏み出せる勇気が自分にはないですね。

――宏太の存在は弟である御上孝に決定的な影響を与えたわけですが、新原さんご自身にとって「大きな影響を受けた存在」と言える方はいらっしゃいますか。

2024年に舞台「インヘリタンス -継承-」という約6時間半の超大作に出演させていただいて。この作品はマシュー・ロペスという劇作家の方が手掛けた戯曲で、ブロードウェイとパリで公演して日本にやってきたんですが、僕の人生においても非常に大事な作品になりました。

2015~2018年のアメリカ・ニューヨークで生きるLGBTQコミュニティーを描いた物語だったんですが、その中で僕はアダムとレオという顔が瓜二つの2役をやらせていただいてたんです。

僕にとっての転機と言ってもいいぐらい、これからもずっと自分の引き出しにしまっておきたい、手放したくない大切な感情たちを学ばせていただいたんですが、来日したマシューが実際に僕らの公演を観てくれたんです。その時に、僕の台本にサインとともに“Be always brave”、いつでも勇敢にというメッセージを残してくれたんです。僕はその言葉がすごく気に入って。

「自信を持って」とか「頑張って」って、すごく相手に言いやすいというか普段使う言葉だと思うんですけど、でも「頑張るって何だろう?」って思うこともあって、「自信を持つ」ということも僕にとっては難しく感じていて。

僕は「勇敢」っていう言葉がすごく好きです。勇敢って、強くなりたいために使う言葉だと思っていて。僕はびびりで小心者ですし結構臆病な性格ではあるので、そんな自分にマシューがこの言葉をくれたことにすごく感動して。いつもちょっと足がすくむような時に、背中を押してくれる言葉になっています。

――第6話は宏太に関する謎が明らかになる回となりますが、新原さんが注目してほしいポイントを教えてください。

宏太の過去が明らかになっていく、そして孝の原点も同時に明らかになっていきます。僕ら“御上兄弟”の過去がついに描かれることになると思うので、それを1シーンずつ見逃すことなく見ていただきたいなと思います。

本当に一瞬の出来事だと思います。それを受けて御上孝はどう生きているのか、そして先生として生徒たちに何を教授していくのか。そこまで見届けてあげてほしいというのが、兄としての思いです。

撮影時の“ライブ感”が凝縮された最新カレンダー

――3月にはカレンダーも発売されるとのことですが、撮影を振り返っていかがでしたか。印象的な出来事などもありましたら教えてください。

今回は熱海のホテルニューアカオさんで全カット撮影させていただきました。自分のお金じゃ泊まれないくらい(笑)、本当にびっくりするくらい豪華なお部屋で、寝そべったりして撮影したりもしました。衣装もアーティスティックな感じになっていて、雰囲気も相まって貴族になったかのような気分でした(笑)。

カメラマンの濱田英明さんが撮ってくださったんですが、僕自身ずっと好きで写真を見ていた方なので撮っていただけてすごく嬉しかったですし、他にもヘアメークさんやスタイリストさんも、本当にプロフェッショナルな職人の方たちが集まってくださったので順調に撮影ができました。

――今回のカレンダーの見どころ、注目ポイントを教えてください。

当初、ロケハンして撮りたい場所をいろいろ決めてプランを立てていたんですが、撮影中、濱田さんがふと周りを見渡したと思ったら急に「(撮影に)行くわ」と言ってカメラを構えて、その場、その瞬間に生まれたものを撮った生モノみたいな写真がすごく良かったりして。

僕はとんでもなく雨男なので撮影の日もしっかり雨だったんですが、「だったら傘を使って撮ろう」とやってみたり、本当にライブ的にセッションしながらやっていく中で、濱田さんとファインダー越しに無言の会話をしているような感じでした。そんな写真の雰囲気を楽しんでもらえたらと思います。

――6月から上演されるミュージカル「梨泰院クラス」へのご出演も先日発表されましたが、本作への意気込みや見どころなどをお聞かせください。

世界的にも有名で大人気の作品に出演させていただける、しかもそれが世界初ミュージカル化ということで、日米韓3カ国の協力で作っているグローバルな作品に出演させていただけることがとても嬉しいですし、誇りに思っています。

今回僕が演じさせていただくのは、長家グループ会長の次男であるチャン・グンスという役で、主人公のパク・セロイ(小瀧望)と共に奮闘するイソ(和希そら/saraのWキャスト)のことが好きな男の子です。

「演じがいのある」「やりがいのある」と言っていいのかわからないですが、途中で変化が起こる役なので、普段とはまた違った二面性のようなものをこの役でお見せできればと思います。

そして、今回はNetflixのドラマではなく原作漫画を基にしているので、そこも楽しみにしていただけたら。 Netflix版だけを見ている方にも、漫画を見てほしくなるような、その後もう1回ミュージカルを見たくなるような、掘れば掘るほど面白い作品になればいいなと思っています。

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