森田剛、46歳の誕生日アイドルから“そこにいるだけ”で圧倒的な存在感放つ俳優へ…ディズニー作品ではアクションでも魅了

2025.02.20 06:10

俳優の森田剛が、2月20日に46歳の誕生日を迎えた。1995年にV6のメンバーとして活動を開始し、三宅健、岡田准一と共に年少組ユニット・Coming Century(通称：カミセン)としても人気を博してきたが、2021年、V6の解散と同時に事務所を独立。その後、森田は役者として幅広い作品に出演している。誕生日ということで今回は独立以降、俳優として圧倒的な存在感を放ち続ける森田の魅力を紹介する。

アイドルのイメージを覆す“サイコキラー”演技に度肝を抜かれる

V6のメンバーとして1995年11月1日に「MUSIC FOR THE PEOPLE」でCDデビューし、アイドルとして26年間活動した森田。デビュー当時から高いダンススキル、歌唱力を武器に多くのファンを魅了してきた。一見“コワモテ”なイメージもあるが、しっかりと“アイドル”として輝く森田の姿は今振り返ってもとても魅力的だ。グループ活動のかたわら森田は役者としてのキャリアも着々と積み上げていく。

ドラマ「ランチの女王」(2002年、フジテレビ系)ではヒロインの元恋人役で存在感を発揮し、映画「人間失格」(2010年)では詩人の中原中也を演じたほか、アイドル時代から「八代将軍吉宗」(1995年)、「毛利元就」(1997年)、「平清盛」(2012年、NHK総合ほか)と、大河ドラマにも3作に出演。アイドル性というより演技力が求められるフィールドで常に結果を残してきた印象がある。

その印象を決定づけたと言っても過言ではないのが、森田の単独初主演映画「ヒメアノ～ル」(2016年)。欲望のままに淡々と他人を殺害していくサイコキラー・森田正一を怪演したことは大きな話題になった。高校時代にいじめに遭い、正常な精神が崩れていかざるを得なかったという悲しい過去を持つキャラクターだが、心の奥に潜んでいたサイコパスなところを前面に出した彼の演技のすごみに圧倒された。V6として華やかなステージで見せるパフォーマンスからは考えられない、アイドルのイメージを覆すような演技に衝撃を覚えた人も多かっただろう。

CDデビューからちょうど26年、2021年11月1日をもってV6が解散し、森田は当時の事務所を退所。独立して事務所を立ち上げ、新たな門出を迎えると、俳優としてこれまで以上に演じる役柄の幅を広げていく。

独立後初の主演作は、新事務所のコンテンツとして2021年12月29日にYouTube上に公開された短編作「DEATH DAYS」。後に劇場版として再編集され、2022年3月12日に公開された同作では生まれた時から自分が死ぬ日(デスデイ)を知っているが、それが何年のその日なのかが分からない世界で暮らす主人公を好演している。独特な世界観を放つ作品で、20歳から40歳までを演じた森田の繊細で巧妙な演技力が光った印象的な作品だ。

“闇の社会”で光る存在感を放つ森田はディズニー作品でもキーマンに

2022年に有村架純と共演した映画「前科者」で、元受刑者という役どころに挑んだことも記憶に新しい。同作は“前科者”たちの更生と社会復帰を目指す国家公務員の新人保護司・阿川佳代(有村)が奮闘しながら成長していく姿を描く社会派ヒューマンドラマ。森田は佳代が担当する“前科者”で殺人を犯した過去を持ち、社会復帰を志す工藤誠を演じ、複雑な感情の揺れ動きを体現した。

また事務所移籍後、初の連続ドラマ出演となった桐谷健太主演の社会派ドラマ「インフォーマ」(2023年、カンテレほか)も強烈だった。あらゆる裏社会に精通する情報屋“インフォーマ”を主人公に繰り広げられる同作で、次々にターゲットを襲う謎の男・冴木亮平を演じた森田。一筋縄ではいかない闇社会の住人たちが続々と登場する中、冴木は序盤からただ者ではない不気味なオーラを放っていた。

同作はシリーズ化され、ABEMAオリジナルドラマとして制作された「インフォーマ-闇に生きる獣たち-」(2024年)でも森田は冴木役を続投しており、出演シーンこそ少なかったものの、前作同様に強烈な存在感を見せた。

必ずしもセンターでなくとも、映像の端々、ステージの隅、彼が“そこにいるだけで”ただ者とは思えないようなオーラを放つのが森田の魅力なのかもしれない。

実写とアニメーションの2つの世界を舞台にし、2023年に世界配信されたオリジナルファンタジードラマ「ワンダーハッチ-空飛ぶ竜の島-」(ディズニープラスのスターで配信中)では、物語のキーパーソンであるスペース／柴田役として登場。物語の序盤は現実世界の謎のコンビニ店員・柴田として姿を見せ、物語が後半に進むにつれて、悲しい過去を背負い、現実世界で遂行すべき目的を持つ彼の素性が明らかになっていった。

第7話では、新田真剣佑が演じるアクタと激しいアクションシーンを披露。2023年12月11日に行われた同ドラマの配信記念ワールドプレミアに登壇した際、森田は同作のアクションについて「ヒーヒー言いながら頑張っていました」と裏側を明かしつつ、「泥臭く、パワフルに」とコメントしており、その言葉の通り迫力満点に仕上がった戦闘シーンとなった。これには視聴者からも「めちゃカッコ良いです」「アクション最高」と、大きな反響が寄せられた。

2024年は舞台「Bunkamura Production 2024『台風23号』」で間宮祥太朗とW主演を務め、11月には自称・小説家の伊守役として出演した映画「雨の中の慾情」が公開されるなど、出演作が続く森田。

「ヒーヒー言いながら」でも難しい役どころや激しいアクションに挑戦するというのは、きっと芝居への愛なんだろう。ここから先も森田は多くの人々を夢中にする演技を見せてくれそうだ。

◆文=suzuki