

嫌われていると悩む義娘と鉄仮面な義母の話に「すれ違いがなくなるといいね」「こんな義娘ならそうもなる」の声【作者インタビュー】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、本とコミックのポータルサイト「ダ・ヴィンチWeb」にて掲載中の『推し嫁ルンバ』(KADOKAWA)の1エピソード、『すれ違いブルース』を紹介する。作者のかときちさんが、1月4日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、かときちさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
義母に嫌われていると考える義娘だが、義母の思いは
義母である光林寺エマのお見舞いに、彼女が入院している病院へやってきた光林寺朋美。彼女は圧倒的な風格を身にまとい、一目見ただけで受付の女性たちを魅了してしまうほどの美貌を持っている。我も我もと「ご案内します」の声をかける受付たちに「一人で行けますから」と断り、朋美は義母の病室へ向かう。
病室にやってきた朋美を、本を読んでいたエマが見つめる。そんなエマに対して、気まずそうに「お義母さま、よ…嫁の朋美でございます」と声をかける朋美。しかしエマは返事もしなければ眉一つとして動かさず、鉄仮面のようにじっと朋美を見つめるだけだった。それは朋美がお見舞いに持ってきたエマが好きな「サンタ・マリア・ノヴェッラの石鹸」を見せても変わらず、最後にはふいと顔をそらされてしまう始末。
「相変わらず私、嫌われてるな」と心の中で思いながら、朋美は病室を後にする。しかし個室で1人になったエマは、「今日も直視できなかった」と頬を染めながら朋美の写真を見つめていた。朋美に魅力を感じながら、ずっと反応しなかったのにはある理由があって…。
この絶妙な距離感の2人を描いた漫画を読んだ人たちからは、「不器用なところがまた良い」「すれ違いがなくなるといいね」「義母も娘も美しすぎる」「こんな義娘ならそうもなる」など、多くのコメントが寄せられている。
興味を抱き、沼にはまって落ちていった義母
――本作では、推しとして見るあまりお嫁さんを直視できないお姑さんの姿が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
こだわった点は、とにかく宝塚の強火ファンである担当編集さんからのダメ出し、「男役らしさ」へのこだわりでしょうか。最初は気楽に「女性のスーツ姿はこんな感じでしょう」と構えて絵を描いていたのですが、襟の形やボトムのシルエットなど思いもよらないところへの指摘が続き、恐れおののいたものです。連載一回目の主人公決めゴマは何度も描きなおしました。とにもかくにも、担当さんのおかげで「推し嫁ルンバ」を描き上げることができました。感謝です!
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
単行本(電子書籍で発売中)のみで読めますが、インパクトの強い主人公の朋美(お嫁さん)とエマ(お姑さん)の陰にかくれがちな夫のひろし中心の過去エピソードを描いているときが一番楽しかったです。というのも、母親エマがダンス教師という設定なのですが、若い頃のダンスシーンを描くことができたからです。
――お姑さんがお嫁さんを推し始めたきっかけについてお教えください。
とっかかりはお嫁さんのお顔立ちやたたずまいでしたが、徐々に麗しい姿の背後にある憂いや悲しみに気づいて、心惹かれていったのだと思います。どんな過去があるのかしら、この人に?と興味を抱くと、どんどん沼にはまっていくものかと…(自分を顧みつつ)。
――お姑さんから嫌われていると誤解しているお嫁さんですが、お嫁さんはお姑さんのことをどのように思っているのでしょうか?
自分の大事な息子をよその女にとられて怒っているのかしら、怖い…と最初は思っていたでしょうが、女手ひとつで仕事も子育ても立派にこなす姿を見て尊敬の念に変わっていったと推察されます。
――今後の展望や目標をお教えください。
『推し嫁ルンバ』を描きながら、宝塚歌劇団の演目を拝見して私自身もどんどん沼にはまりこんでいきました。あんなきらびやかで素敵な世界を漫画で表現できたらなあ、と思います。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
遅咲き漫画家の私ですが、まだまだたくさん漫画を描いていけたらと思っております!これからもよろしくお願いいたします。
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