「ホットスポット」小田Pにインタビューを実施した

『ホットスポット』小田玲奈Pが明かす、バカリズム脚本の魅力 視聴者の考察は想定内「その10倍は隠れています」

2025.02.09 06:00
「ホットスポット」小田Pにインタビューを実施した

市川実日子が主演を務める「ホットスポット」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ※Hulu、TVerでも配信)が現在放送中。本作はバカリズムが原作を手掛け、ブラッシュアップライフチームが再集結した地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー。日本が誇る富士山の麓にある山梨県のとある町を舞台に、ビジネスホテルに勤めるシングルマザーの主人公・遠藤清美(市川)が、ある日、ひょんなことで宇宙人に出会ったことから物語は展開する。

この度、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める小田玲奈氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。

バカリズムが手掛ける脚本は「発想の転換がすごい」

――今回の企画の経緯を教えてください。

升野さんとは最初に「生田家の朝」(2018年、日本テレビ)というドラマでご一緒して、その後にHuluオリジナルの「住住(すむすむ)」、「ブラッシュアップライフ」(2023年、日本テレビ)へとつながりました。そして、「ブラッシュアップライフ」の後に「侵入者たちの晩餐」(2024年、日本テレビ)という単発ドラマを作ったのですが、そのときに「また連ドラをやりましょう」という話になりました。

――「宇宙人」を題材にするのは、バカリズムさんのアイデアですか?

そうですね。たくさん企画を出していただいた中の一つに宇宙人の話がありました。そもそも前回の「ブラッシュアップライフ」のときに“地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディー”というキャッチコピーにしていたのですが、私たちの日常と地続きにある物語にうまくSFの要素を取り込むことができたので、それを“宇宙人”に変えたら面白いのではないかという話になり、今回の企画となりました。それもあって、「ホットスポット」のキャッチコピーも“地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー”にしています。

――バカリズムさんの脚本の魅力をどういったところに感じていますか?

これは「ブラッシュアップライフ」のときの話ですが、第3話を撮っているときに主演の安藤サクラさんに「実はこのドラマ、最後に親友の命を救う話になります」とお話したら、とても驚かれていて「鳥肌が立った」とおっしゃったんですね。

たしかに主人公は人生を何度もタイムリープしているけれど、ドラマのベースとなっているのは麻美(安藤)となっち(夏帆)、みーぽん(木南晴夏)のとりとめのないおしゃべりなんですよね。今回も清美たちがお菓子を食べながら、なんてことのない話をしているシーンが多いですが、第2話で“黒飴”が武器になっていたように、升野さんは我々が思いもよらない発想の転換をされるので、いつも驚かされています。

――それはバカリズムさんの本業が芸人というのもあるんですかね?

あると思いますね。普段コントを書いていらっしゃるので、とにかく一度書いてみて、そのシーンをいかに面白くするかを数十秒単位で考えられている気がします。しかも、脚本の第1稿を書かれるのがものすごく早くて、ご本人は「とりあえず初稿はこれで、すみません」という感じで送ってくるんですけど、それがまず面白くて。

そこから我々もいろいろと意見を出させてもらうのですが、その後にあがってくる脚本が「どうしたら、こうなるの!」と思うくらいに発想の転換がすごいんですよね。しかも、ご本人的には物語上の大きな展開は脚本を書いている途中で思いつくらしいので、それは本当にすごいなと思いますし、私がこれまでにご一緒してきた脚本家の方とはまるで違うタイプの脚本家さんだなと思っています。

視聴者の考察は「こちらの想定範囲内」

――現在、第4話まで放送されていますが、視聴者の間で“考察”が盛り上がっています。その反響をどう捉えていますか?

すごくうれしいです。「ブラッシュアップライフ」のときは「私たちは(仕掛けや伏線など)すごく細かいところにまでこだわって作っているけど、誰も気づいてくれなかったらどうしよう…」という不安があったので(笑)。

だけど、今回はきっと考察を楽しみにしてくださっている方もいるだろうなと思っていたので、「これくらいは気づいてもらっていいよね」とか、「これはまだ気づかれたくないから、ここはもうちょっと隠そう」といった感じでやっています。

――これまでにドキッとした考察はありましたか?

ありますね。とはいえ、こちらの想定範囲内ではあります(笑)。こちらがドキッとする考察もありますが、その10倍は隠れています(笑)。

――SNSでは「バカリズムさん作品の常連俳優がたくさん出てきてうれしい」との声もありました。キャスティングに関して、バカリズムさんからの要望もあったのでしょうか?

升野さんから「○○さんをイメージしています」と言っていただくこともあれば、こちらから提案させていただくこともあります。主演の市川実日子さんに関しては、これまでもお声がけさせていただいていたのですが、なかなかタイミングが合わずで。それが今回タイミングが合って、主演を努めていただくことになりました。

主演・市川実日子は「いつも笑顔」

――そんな市川さんの印象は?

お会いするまではクールなイメージがあったのですが、実際にお会いすると笑いじょうごで、いつも笑顔なんですよね。それは升野さんも感じられたようで、当初の予定よりも清美のキャラクターが柔らかくなりました。

――「宇宙人=高橋」を演じる角田晃広さんのキャスティングにも注目が集まっています。

宇宙人役に関しては、我々がキャスティングを考えるもっと前に、升野さんから「頭脳系の能力を使うと、髪が薄くなる」という設定をご提案いただいて。なので、最初は全体的に髪の薄い俳優さんを考えていたのですが、“おでこが広い人”でもいいのではないかとなり、升野さんが「角田さんはどうですか?」と提案があり、お願いすることになりました。

山梨出身の方が見たら「熱いドラマになっている」

――第4話までの放送では、本当にどういう展開になるのか想像がつきません。第5話の予告では「波乱の第二章開幕!」とありますが、どういうことになっていくのでしょうか?

第5話では「月曜まで夜ふかし」の番組スタッフが清美たちの住む町にやってきます。「月曜から夜ふかし」といえば、街で気になった出会った方々にインタビューをする番組ですが、それが清美たちの町に来るのですから、「これは大変だぞ」と騒ぎになるわけです。

――そもそも、なぜ「月曜から夜ふかし」だったのですか?

ドラマのチーフ演出をしている水野格が、以前「月曜から夜ふかし」のディレクターをやっていたからです(笑)。だからというか、ドラマに出てくる「月曜から夜ふかし」のスタッフが、実在するスタッフの方たちにそっくりで。これは視聴者さんには関係のないことだと思いますが、きっと日本テレビの社内では話題になりそうなくらいに似ています(笑)。

――そういう細かなこだわりも「ブラッシュアップライフ」から続いていることですね。

「ブラッシュアップライフ」はタイムループする話だったので、時代ごとに実際にテレビで流れていた番組を使用することにこだわりました。そういった映像の使用許諾を取るのが大変でしたが、それは今回のドラマでもこだわっています。

例えば、清美が自宅にいるときにテレビで流れているのは、実際にYBS山梨放送で人気を博している髭男爵・山田ルイ53世さんが司会の番組ですし、それ以外でもおそらく山梨の方にしかわからないネタがたくさん登場します。なので、山梨にお住まいの方や山梨出身の方には、熱いドラマになっていると思います(笑)。

大物俳優と物語の絡み方に注目

――ネタバレするわけにはいかないと思いますが、第5話が「第二章の幕開け」ということであれば、少しだけ今後の内容について教えていただけますか?

第5話のキーパーソンとなるのは、あやにゃん(木南)の娘のりっちゃん(原春奈)ですかね。第3話の最後で高橋が爆走する姿を絵に描いていましたしね(笑)。あと、“都市伝説”好きの由美(夏帆)から「帰りの着替えが速い」という理由で“宇宙人”疑惑を持たれている小野寺(白石隼也)も注目してみてください。

あと、ドラマの初回に出てきた野間口徹さん、ホテルの常連客を演じていただいている小日向文世さんも、さすがにあれだけの役柄で出演オファーはできないので、みなさんがこの先に物語とどう絡んでいくのか、ぜひご注目ください。いろいろ驚きの展開がありますので、お楽しみに。

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