前田公輝“稜英”と久保田紗友“奈津実”に訪れる悲劇…儚いラブストーリーを描いた「私をもらって～恋路編～」を振り返る

2025.01.23 18:00

前田公輝と久保田紗友がW主演を務めるドラマ「私をもらって～恋路編～」(毎週金曜深夜0:30-0:59※編成都合により時間変更あり、日本テレビほか※Huluにて全話配信中)。最終話が1月31日(金)に放送される。本記事では、「追憶編」に続くセカンドシーズンとなる本作の内容や見どころを振り返っていく(以下、一部ネタバレを含みます)。

新たに巻き起こるトラブルと2人の“恋路”の行方は…「私をもらって～恋路編～」あらすじ

韓国の同名webtoon・web小説を原作に、突然現れた御曹司のゴーストからある依頼を受けたことから始まる、猶予わずか49日間の儚いラブストーリーを描いた本シリーズ。前シーズンとなる「追憶編」で稜英(前田公輝)と奈津実(久保田紗友)は共に危機を乗り越えたが、続く「恋路編」では死神(&TEAM・K)が稜英と奈津実の運命に関わる“ある秘密”を告げることとなる。

お互いの気持ちを確かめ合い、幸せな未来を夢見始めていた稜英と奈津実。しかしそんな時、稜英の状態が急変。苦しむ彼を必死に助けようとする奈津実の努力も虚しく、稜英は儚く消えてしまった…。そして意識を取り戻した稜英の目の前に、赤い紙飛行機を持った死神が現れる。「約束の時間はまだのはずだ」と訴える稜英に、死神は「最後は殺される運命かな」と告げ――。

前シーズンで活躍したキャストが再び集結

御曹司・一条稜英役を演じるのは、ドラマ「君と世界が終わる日に」シリーズでも好演した前田公輝。子役時代から活躍する前田は、NHKの「さわやか3組」や「天才てれびくんMAX」で注目を集めると、その後は映画「ひぐらしのなく頃に」やドラマ「デスノート」などの話題作に続々と出演。さわやかなルックスと安定した演技力で役の幅を広げている。

一方、ヒロインの森川奈津実役を演じるのは、ドラマ「神様のイタズラ」や「三人のクボタサユ」の主演に抜擢され、その後NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」にも出演した久保田紗友。2025年の大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」で松の井役としても出演し、今後の活躍が期待される注目の若手女優だ。

そして、物語のキーパーソンとして登場する死神役は、9人組グローバルボーイズグループ「&TEAM」のKが務める。本シリーズが演技初挑戦となったKは、稜英と奈津実を振り回す不思議な存在・死神を好演し、本シーズンでも抜群の存在感を発揮している。

そのほかにも、前シーズン「追憶編」に引き続き栗原類や柾木玲弥、手塚真生、咲妃みゆ、吉倉あおい、高橋洋、山口大地、田島亮ら俳優陣が脇を固める。

残された猶予はたった1日…セリフから伝わる奈津実の稜英に対する想い

「恋路編」では、前シーズンの「追憶編」でようやく気持ちを確かめ合った稜英と奈津実の2人に訪れる切ない悲劇が描かれている。49日間という約束の時間を前に、奈津実の前から突如姿を消してしまった稜英。その後再び奈津実の前に現れ、幸せな時間を過ごすものの、気がつけばゴーストの稜英が奈津実と一緒にいられる猶予は残り1日となっていたのだった…。

そして最後の日、奈津実は稜英との思い出作りに出かける。美味しいものを食べたり神社でお参りをしたりと、つかの間の楽しいひと時を過ごす2人。しかし、別れの時が近づくにつれて奈津実の表情は曇っていく。あと少しで稜英は意識を取り戻し、そうなれば稜英の中から“奈津実との記憶”も全て消えてしまう…。それをわかったうえで、奈津実は稜英に「私が稜英さんの分まで覚えておきますから」「(花畑に)いつかまた一緒に来ましょう」と語りかける。そんな彼女の言葉からは、“稜英といつまでも繋がっていたい”という切ない願いが込められているように感じられた。

また、稜英が“エンビート社の秘密が隠されたUSB”を専務である姉の叶恵(手塚)に預けようとしているということを奈津実に打ち明けた際、奈津実は「私が持ってちゃダメですか？私にできることがなくなっちゃうから」と口にする。同シーンからも、“稜英との唯一の繋がりを持っていたい”という奈津実の切実な想いがひしひしと伝わってくる。

奈津実の奮闘で、“奈津実との記憶”を失った稜英に変化が…

その後病室で昏睡状態だった稜英は意識を取り戻すが、やはり奈津実の記憶はなくなっていた。奈津実はもう自宅に稜英が戻らないことを寂しく思うが、奈津実は稜英との約束を果たすためにもう一度立ち上がる。

そして叶恵にもう一度稜英のもとで働かせてほしいと頭を下げ、稜英の秘書として住み込みで働くことになった奈津実。自分のことを完全に忘れており、ニコリともしない稜英にショックを受けながらも、持ち前の猪突猛進なガッツで奮闘する。

そんな奈津実を彼女の家で待っていたのは、今まで稜英にしか見えていなかった死神だった。彼は「まだ終わってないし…」という謎めいた言葉を残しながら、何度も奈津実の前に姿を現す。しかし、その意味も目的も奈津実にはわからないままで…。

そんな中、奈津実は万里(咲妃)という稜英の婚約者から、「あなた稜英君にとって何なの？」「私、仕事も恋愛も実力主義だから」と詰め寄られる。さらに、奈津実が勧めたことでカップラーメンが気に入った稜英を見て、万里が「アシスタントならもっとちゃんとした物食べさせてあげて」と釘を刺すシーンも。　

普通なら心が折れてしまいそうな境遇に立たされても、奈津実は決して諦めることなく、前を向き続ける。稜英の記憶を取り戻させようと2人でいる時間を増やしたり、2人の思い出の場所である奈津実の家の屋上へ連れて行ったりしてみるが…。

そんな彼女の突拍子もない行動に呆れつつも、どこか放っておけない様子にやきもきする稜英。そして、奈津実の元同僚・萩原(柾木玲弥)が彼女に手を貸す場面をたまたま見かけた際には、萩原を突き飛ばし「彼女に何をしようとした？」と激怒する。咄嗟に出た本能的な言動に稜英自身も驚きを隠せない様子だったが、彼が奈津実の記憶をうっすらと抱えていることが明らかに…。

“何か大切なことを忘れている”と葛藤する稜英の苦悩を表現した前田と、愛する人を健気に想い奮闘する奈津実を演じた久保田。遠回りしながらも次第に心を通わせていく様子を見事に表現した2人の演技力に注目だ。

なお、同ドラマのプリクエルとなる「出逢編」は、1月31日(金)「恋路編」最終話放送後からHuluで独占配信予定。

※高橋洋の高は正しくは「はしご高」