塩野瑛久“直人”「傷つけたいわけじゃない」表に見えるクールさとは違う“本心”が切なく愛おしい＜五十嵐夫妻は偽装他人＞

2025.01.23 17:38

新川優愛と塩野瑛久がダブル主演するドラマ「五十嵐夫妻は偽装他人」(毎週水曜深夜0:30-1:00、テレ東系)の第3話が1月22日に放送された。第3話ではクールな直人(塩野)の胸の内が明らかになった。(以下、ネタバレを含みます)

素直になれない別居中夫婦が繰り広げるラブコメ

同ドラマは、海石ともえの同名漫画が原作。転職先で再会した別居中の夫婦が、職場で他人を装って働くことで恋愛沙汰に巻き込まれていく姿を描き、素直になれない2人のじれったさに“もだもだ”するラブコメディーだ。

新川演じる会沢真尋は、職場では明るくしっかり者であるが、我慢強い性格ゆえにプライベートでは甘え下手。塩野演じる五十嵐直人は、若くして仕事を完璧にこなして職場で頼られる一方、理屈っぽく結婚や恋愛において気持ちを素直に表現することが苦手というキャラクター。

ほか、真尋と直人と同じ会社で働く瀬戸翠を兵頭功海、林美羽を田辺桃子、真尋と直人が夫婦だと知っていて社内でバレないようにカバーする部長の竹橋宗平を水橋研二、ドラマオリジナルキャラクターとなるスナック「ビューティフル」のマスター・三吉妙を浜中文一が演じている。

一目ぼれから始まった直人の不安な気持ちが描かれる

今なら冷静に気持ちを話せるかもしれない――。お互いにそう思えた真尋と直人だったが、マンションの前にいた美羽が直人に抱き着き、それを目撃した真尋は逃げるようにしてその場から離れた。

直人は美羽を家に招くわけにはいかず、ビューティフルに連れて行き、妙に美羽を託して真尋を待つため帰宅。しかし、送ったメッセージが未読のまま、朝を迎えてしまった。

真尋とのことを振り返る直人。直人は人生初の一目ぼれで始まり、嫉妬、焦燥、やきもちも人生で初めて経験し、付き合って半年でプロポーズして結婚した。一緒にいてもいつも不安だったが、体を合わせれば仲直りでき、解決策は簡単に見つかると思っていた。

しかし、すれ違ってしまった現実。自分のペースも大切にして過ごしたい真尋に対して細かいことを指摘してきっちりしたい直人。例えば、直人が2人の時間を過ごしやすいようスケジュール共有を提案しても、真尋は書き込みを忘れてしまうという具合に、直人としては自分が一方的に好きなだけなのではないかという不安が募ったようだ。

直人「思えば、ずっと空回りしてたのかもしれない」

「これを機会に解決を」という気遣いで竹橋が、リニューアルに伴って水族館が増設するカフェの仕事を真尋と一緒に担当するように直人に告げた。そのことを聞いていた美羽が「今回は譲っていただけませんか」と真尋に頼むが、横から直人が「そのやる気、素晴らしいね。でも、今回の件は会沢さんのキャリアと飲食関係の知識が必要なんだ」と優しく断った。

翌日、担当者に「息ぴったりですね」と言われた打ち合わせの後、水族館を見学する2人。先に進もうとして振り返ると真尋は別の展示を見たまま。距離を感じた直人は、「思えば、ずっと空回りしてたのかもしれない」と思うのだった。

それでも真尋の近くに歩み寄り、威嚇したら膨らむハリセンボンに対して変顔をする直人。真尋は、あきれたような表情をしながらも、幼い女の子に「変な人がいる」と言われたことで、つい笑ってしまう。そんな真尋に、「やっと笑ってくれた」と安堵(あんど)したように直人も笑った。

帰り道、直人が美羽のことを気にかけていると勘違いした真尋は、抱き合っているところを目撃したと打ち明けた。焦る直人に「別にいいよ。何があっても。私が悪いんだし」と冷たく言う。

直人は「何でそんな言い方するんだよ」と声を荒らげてしまうも、自分を「ハリセンボンみたい」とすぐに反省。「カチンとしたからって威嚇して。傷つけたいわけじゃないのに」と打ち明けた。

第3話で直人の思いが丁寧にしっかりと描かれた。内心は今でも真尋への好きであふれていて、不器用な姿が切なく愛(いと)おしい。

仕事を契機に“水族館デート”でまた距離が近づいた2人。しかし、ラストで美羽が直人のマンションに押しかけ、さらに次回予告でも不穏な表情を見せていた。真尋は、“もだもだ”してばかりはいられなそうだ。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部