12月29日(日)放送のスペシャルドラマ「グランメゾン東京」にて主演を務める木村拓哉

木村拓哉、コロナ禍を経て5年ぶりに再集結を果たした“チームグラメ”への熱い思い「宝物の一つになった」<SPドラマ『グランメゾン東京』>

2024.12.28 17:00
12月29日(日)放送のスペシャルドラマ「グランメゾン東京」にて主演を務める木村拓哉

12月29日(日)に木村拓哉主演のスペシャルドラマ「グランメゾン東京」(夜9:00、TBS系)が放送される。本作は、2019年10月期に放送された日曜劇場「グランメゾン東京」の完全新作スペシャルドラマで、連続ドラマに引き続き脚本は黒岩勉、演出は塚原あゆ子が担当。型破りなシェフ・尾花夏樹を演じる木村を筆頭に、個性豊かな“チームグラメ”が集結し、再び躍動する。

このたび、WEBザテレビジョンでは木村にインタビューを実施。スペシャルドラマの制作が決定した際の心境や、調理シーンの撮影秘話などについてたっぷりと語ってくれた。

熱い要望を受け“チームグラメ”が約5年ぶりに再集結!

ドラマ放送時は大きな話題を呼び、最終回では尾花が世界に挑もうとしているシーンで締めくくられ、続編を望む声が多く寄せられていた。そんな熱い要望を受け、キャスト・スタッフは再集結しようとしていたが、ドラマ放送後から新型コロナウイルスが世界にまん延。本来であればもう少し早い再集結となるはずだったが、ついに、撮りおろしの新作スペシャルドラマが放送される。

本作で描かれるのは、「グランメゾン東京」が三つ星を獲得したあとのストーリー。木村の他、同ドラマには「グランメゾン東京」のシェフ・早見倫子役の鈴木京香、スーシェフ・平古祥平役の玉森裕太(Kis-My-Ft2)、相沢瓶人役の及川光博、そしてギャルソンを務める京野陸太郎役の沢村一樹らが出演。

また、パリで尾花らとともに働いていた過去を持つ「メイユール京都」のシェフを窪田正孝、グランメゾン東京と資本提携している「NEX マネジメント」の代表取締役を北村一輝が演じるなど、主演級キャストが作品に強力な“スパイス”を加える。

さらに、尾花がフランス・パリで三つ星に挑む映画「グランメゾン・パリ」は12月30日(月)に公開予定。映画版の新キャストとして、オク・テギョンと正門良規(Aぇ! group)が出演し、ストーリーを盛り上げる。

飲食業界を描いた作品だからこそ盛り込んだ、“コロナ”という現実

――スペシャルドラマが決定したと聞いた時の率直な感想を教えてください。

お話を伺った時は非常にうれしかったです。あのパンデミック(新型コロナウイルス)さえなければ、もっと早いタイミングで会うことができたのかなとは思っています。ですが、あの時間はたしかに実在していましたし、非常にやりたかったけど、やれる状況ではなかったというのが、きっと正直なところなのかなと。

基本的にはフィクションでやらせていただいているんですけど、このタイミングで、(スペシャルドラマ制作の話を)もう一度立ち上げるのであれば、実在したその時間(コロナ禍)はなかったことにしたらいけないんじゃないかなと思ったんです。

お店を閉じざるを得なかった方もたくさんいるだろうし、そういう選択を強いられてしまった方たちに対しても、フィクションということを理由に、すっ飛ばして描くのはいやだなと。

プロデューサーの伊與田(英徳)さんと話をした時にも素直な思いをお伝えして、スペシャルドラマの台本にも新型コロナウイルスの影響で飲食業界が大きな打撃を受けたという事実を盛り込ませていただきました。

――なぜ、コロナ禍の飲食業界を描くことにこだわったのでしょうか?

飲食店は、料理を作って、それをお客様に食べていただく。サービス業としてはそこで終わりですが、どなたかに喜んでもらうために、すてきな時間を過ごしていただくために料理を作る飲食店と、“すごくすてきな時間だった”と思って帰ってくださるお客様がいる。

“お店”と“お客様”という関係性かもしれないけれど、料理を考え作り、提供し、食べていただくというのは究極のコミュニケーションじゃないですか。

そのコミュニケーションがとりたくてもとれなかった事実は、ドラマのいち出演者としても、すごく重要なことなんじゃないかなと思いましたし、描くのは飲食業界のお話なので、そこを避けて通るのは違うのかなと。他のジャンルの作品であれば、きっとコロナ禍を描く必要はないと思うのですが、やっぱり飲食業界を描く上では必要なのかなと思ったんです。

――スペシャルドラマではどういったことを大切に演じましたか?

尾花は人に対するコミュニケーション能力が高い方ではないので、自分でも脚本を読んでいて“またそっち通っていくんだ”という思いはありました(笑)。でも、そっちを通っていくから、結果面白いのかという部分もあって。

倫子さんは倫子さんで、コロナ禍を過ごし、お店を守ったんだなと。でも、守ったからこそ失ったものもあると思うんです。

(連続ドラマから)実質5年弱という時間が経過していますけど、この人たちも各々の時間をしっかり生きてきた人たちなんだろうなというのは脚本を読んでいて感じました。ですが、現場でお会いしたときに過ぎた時間の“隙間”は一切感じなかったです。

一切妥協なしの調理シーン、1シーンのために「9皿くらい作った」

――尾花夏樹という役を演じる上での感覚というのはすぐに取り戻せましたか?

自分が役を取り戻す、取り戻さないというよりかは、キャストたちが、その場に、そのシチュエーションに、その衣装を着ていてくれるだけで、それぞれのスイッチが同時に“カッ”と入るような感覚がありました。

やはり、“チームグラメ”のキャスト陣がそろったというのは大きいと思います。それに加えて、窪田さんや北村さんという新たな存在、お料理を比喩して言わせていただくと素材が加わってくれることによって、見せ方が変わったというのはすごくありがたかったです。

――調理シーンは実際に木村さんご自身が調理をされていると思うのですが、撮影現場での調理にまつわるエピソードがあれば教えてください。

連続ドラマの第1話で、フランスのビストロの厨房をお借りして、倫子さんに手長エビのエチュベを振舞うシーンがありましたが、その料理も実際に全部自分が作っていました。「今度はこっちから撮ります」とか何度もテイクを重ねていく中で、やっぱり冷えたエチュベを食べてほしくないなと思い、9皿くらい作ったのかな。

いくら目の前のお料理の工程が簡単であったとしても、その方の体の中に入っていくというその一部分を自分が担うということの責任と喜びはありましたし、お芝居なんですけど「すっごくおいしい…なんで私にはこれが作れないんだろう」と涙を流す倫子さんを、その場で目の当たりにした時に、どこかスイッチが入った感覚がありました。

――連続ドラマに続きスペシャルドラマで監修された岸田周三シェフとの出会いは、木村さんや尾花にとってどのような影響をもたらしましたか?

岸田シェフに関しては、「グランメゾン東京」というお話を作らせていただくにあたって、ものすごく大きく、そして太い柱になってもらったと思います。

もちろん、「カンテサンス」の岸田シェフと認識してはいるものの…不思議な感覚があって。今日も、(取材前に参加した『ミシュランガイド東京2025』の発表セレモニーで)“「グランメゾン東京」のスタッフが三つ星を取った”という感情で、壇上に上がってくる彼を見ていたので…それもきっと正解なんだけど、あくまで「カンテサンス」の岸田シェフなんですよね(笑)。

――今回、映画で尾花が金髪なのは、監修された小林圭シェフが金髪だからなのでしょうか?

僕、実は(小林シェフに会うにあたって)画像検索をしていなくて。パリにそういう方がいるということは耳にしていましたし、今度彼が映画「グランメゾン・パリ」の監修をしてくださるということや、舞台がパリになると聞いて“すごいな”と思っていました。

「グランメゾン・パリ」の前に、スペシャルドラマを構築するにあたって、脚本を読ませていただいた時に、すごく面白かったんですよ。それで「早くやろうよ」という話をしていたのですが、どう尾花は存在しているんだろうと考えた時に、きっと、尾花夏樹という人は“あの時のまんまだね”という形容じゃないんだろうなと思ったんです。

きっとその間にも彼はいろんな国に行って、いろんな料理を口にしてきているはずなので、どうなっているんだろうなと思いながら、いつもお世話になっているヘアサロンに行って「また『グランメゾン』をやるんだよね」と言ったら、スタッフの方が「マジっすか、ちょっと思い切って全頭(ブリーチ)いっちゃいましょうよ」って提案してくれて。

「待って、1回監督に確認していい?」となって、塚原さんに連絡して「アリですか?」と聞いたら「見てみないと分からないですね」と返されてしまって、そりゃそうだよなって(笑)。

とりあえずやってみようという話になり、全頭ブリーチをした状態で衣装合わせに行ったら、みんな「ハア~…!」っていう顔していて。“これ完全に不評じゃん”って思っていたら、その中の何人かが「これですか?」と見せてきたのが、(小林)圭の写真だったんです。

そこで「え、小林シェフって金髪なの!?」ってなって。でも、パリにいる彼がとった選択としてナシではないのかなと。日本におけるファッションって、今こういうのが流行っているよねみたいなものに合わせて自分を変えてみたり、チャレンジしたりする風潮ってあると思うんです。

でも、パリに行って思うのは、“私はこれが好きなの”っていう方ばっかりで。その中にいる尾花夏樹ってどういう選択をしたのかなと考えていた中で、パッと見せられた圭の金髪を見た時に「うわ、被った…!」というのは正直思いましたし、本人に初めて会った時はちょっと照れましたね。

『グランメゾン』と出会い、「食べる前の“いただきます”が変わった」

――スペシャルドラマでは若手の成長という部分もしっかりと描かれている印象がありますが、木村さん自身が若手キャストの成長を感じたり、影響を受けた部分があれば教えてください。

若手が手を抜かずに全力で取り組んでいる姿を見て、自分が何かをするということはあまりないかもしれないけど、そういう方たちとご一緒させていただいた時に「ご一緒させていただけて光栄です」といった言葉をいただく機会もあって。

そう言ってくれる方々と共同作業ができるからには、作業をしていく過程で、「光栄です」の上に行ってもらいたいじゃないですか。作業が終わった後に“なんだ、こいつつまらないじゃん”って思われてしまったら最悪だから、そういった意味では影響を受けているのかなと思いますね。

――最後に、これまでいろんな役を演じてきたかと思いますが、“尾花夏樹”は木村さんご自身にとってどのような存在でしょうか?

彼を演じさせていただくことによって、いろんな瞬間に立ち会えるといいますか、いろんな思いにさせてもらいました。

今日、取材前に「ミシュランガイド東京2025」の発表セレモニーに登壇して、三つ星に選ばれた方々の屋号を自分が発表させてもらったのですが、食事というものに対して、興味だったり、熱だったりがそこまで高くない方たちからすると、究極の他人事なのかもしれません。

ですが、飲食店の方々にとっては、星の価値はもちろん、選ばれるということへの名誉や責任、(星を)持たれていた方たちは、それを維持するというプレッシャーの中、会場に訪れていたはず。スペシャルドラマ「グランメゾン東京」は、今回も三つ星を取られていた「カンテサンス」の岸田シェフが監修してくださっています。

実際に彼がお店でお出ししているメニューも「『グランメゾン東京』でぜひお出ししてください」と言ってくれて、劇中でも使わせていただいているのですが、尾花夏樹を演じさせていただくことによって、飲食業界のものすごく一部分の世界なのかもしれませんが、しっかりと味わうことができています。

共演者やスタッフももちろんそうですが、撮る人と撮られる人が一つのチームになって、特別な価値観と世界観をものすごく煮詰めていくような感じがあって、すごく楽しくて。

自分も尾花夏樹を演じさせていただく前まで、正直「ミシュラン」と聞いても、どちらかというと“ミシュランってタイヤですよね?”という方が解釈として強かったんです(笑)。

ですが、こういう作品で時間を過ごさせていただくと、「ミシュラン」もまた違う響きになってきますし、その世界においては特別なことというものも、「グランメゾン東京」をやっていない限り、興味がなかったのかもしれないなと。

でも、「ミシュラン」に対してものすごい熱量とモチベーションをもって向き合っている方たちの存在も知ることができたし、食べる前の「いただきます」が変わったかもしれないです。添え物の野菜から何にしても、全ての命をいただいているっていう感覚がたしかにある。共演者もスタッフもすごく僕にとっては宝物の一つになったなと思います。

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